三屋清左衛門残日録 (文春文庫 ふ 1-27)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167192273

感想・レビュー・書評

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  • 解説:丸元淑生
    初藤沢周平。昔好きだった仲代達矢主演のドラマに原作があったことを思い出し唐突に読む気になった。
    人気が高いのも頷ける豊かな描写の数々。ドラマ版よりずっと老いや人間関係へシビアな目を向けていて、むやみにこちらの感情を煽ってこない筆致が好印象だった。ドラマ版がしみじみと人の情に浸らせてくれるとしたら、こちらはほんのひと刷け心を撫でていく感じ。それなのに非常に生々しかったり鮮烈だったりするのですごいなと思う。
    ドラマの脚本のすごさも改めて感じた。よくぞこの内容に良質な肥をやり幹や枝葉を育てたものだなあ。

    しかし読んでる間中、当時のことを思い返すのか夢見が悪くてしんどかった……。若い頃に見たからかなり細かく覚えていて、同時に見ていた時分の空気や感情がそっくり戻ってくるような感覚が気持ち悪かった。

  •  隠居とは悠々自適のイメージがあるが、それまでの暮らしと習慣のすべてを変えること、忙しいとこぼしているうちが花。全く同感です(^-^) 又四郎に家を譲って隠居した52歳の清左衛門の物語。「三屋清左衛門残日録」、1992.9発行、全437頁、連作15話。清左衛門は、朝の散歩、無外流の道場、保科塾の勉学の日々。ウォーキング、空手・筋トレ、読書の私によく似ていますw。でも清左衛門は52歳、私は72歳です(^-^)又四郎の妻、里江と小料理屋「涌井」のおかみ、みさがいい味を出しています。白い顔、川の音、梅咲くころ。

  • 心境が近くとても面白く読ませてもらった。

  • R2.2.8~3.1

    (あらすじ)
    日残りて昏るるに未だ通し――。
    家督をゆずり、離れに起臥する隠居の身となった三屋清左衛門は、日録を記すことを自らに課した。世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨。しかし、藩の執政府は紛糾の渦中にあったのである。老いゆく日々の命のかがやきを、いぶし銀にも似た見事な筆で描く傑作長編小説!

    (感想)
    ご隠居、三屋清左衛門の心持ちの変化が楽しい物語です。個人的には、第三話、「零落」のあたりから、面白くなってきました。社会との繋がりが薄れ、気落ちする自らに驚きつつも、隠居の立場で藩政の裏側に巻き込まれていく。
    老いの心情、できる男の仕事の仕方、何かと学べる一冊でした。
    ただ、これを読むと多少老いが怖くなりますね。
    友達がいないと本当に孤独に苛まれそうです。

  • 隠居(といっても、時代背景から、50台前半)の主人公。

    NHK、BSでもテレビドラマ化。

    「人は、生涯、成長できる。」というテーマを読み取った。

  • 内容紹介
    日残りて昏るるに未だ遠し――家督をゆずり、離れで隠棲の日をおくる清左衛門は、日録を記すことを自らに課した。世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨。しかし藩の執政府は紛糾の渦中にあった。老いゆく日々の命の輝きを、いぶし銀にも似た見事な筆で描く傑作長篇小説。
    仲代達矢、北大路欣也主演による映像化も話題に。 解説:丸本淑生

  • 2018.10.1(月)¥100(-15%引き)+税。
    2018.10.27(土)。

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  • 内容(「BOOK」データベースより)

    日残りて昏るるに未だ遠し―。家督をゆずり、離れに起臥する隠居の身となった三屋清左衛門は、日録を記すことを自らに課した。世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨。しかし、藩の執政府は紛糾の渦中にあったのである。老いゆく日々の命のかがやきを、いぶし銀にも似た見事な筆で描く傑作長篇小説。

  • 1998.?.? 読了

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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