陰陽師 瀧夜叉姫 下 (文春文庫 ゆ 2-18)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528188

感想・レビュー・書評

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  • 近頃、平安の都を騒がす奇妙な出来事―たてつづけに孕み女が腹を裂かれて殺され、何も盗まぬ族が押し入り、牛ではなく巨大な蜘蛛の牽く車が現れ―
    顔にできた瘡が喋り出した平貞盛に呼び出された安倍晴明と源博雅だが…
    敵か味方か、面白いものを高みの見物、と決めこむ芦屋道満も絡み―
    一連の怪異が、二十年前の出来事に関わる者に起こっている事を知った晴明は、都を滅ぼす陰謀を企み、背後で人々を操る“ある男”へとたどり着くが―
    蘇った鬼を退ける事は出来るのか…!


    長い割にサラッと読めました

    二十年も、って気の長い話だなぁ。
    そんな(現代よりは緩やかに移っていただろうけど)時勢もがらりと変わっている世に戻って、尚且つ生前と同じ事しようとして…陰陽師に阻まれなくても巧くいったのか…ねぇ?

    晴明と博雅のコンビも良いけど
    賀茂保憲と沙門(この組み合わせの話も読んでみたい!有るのかな)
    芦屋道満と右腕
    も良いね♪

    しかしこの話では博雅の武的活躍がなかったのが…というか影が薄かったのが、ちょっと…かも。

    滝子と維時のその後が気になるトコロ。
    序ノ巻で小野篁(殿つき!)の名が出て…ちょっとときめきました

    20080925

  • 2008年10月20日購入。
    2009年8月24日読了。

  • £1.0

  • 学生の頃に死ぬ程流行りました。
    そういう訳で新作読みました。
    なんかちょっと泣きそうになりました。

  •  とても良かったです! 身の毛もよだつような怖さがあり、手に汗握る戦闘の高揚感があり、ほろりとしてくる切なさがあり。滝子姫と維時や桔梗の前と藤太の関係なども素敵でしたが、何より将門と藤太の「たのしいなあ、藤太」「おもしろいな、将門」というやり取りに胸が熱くなりました。今回は道満も味方色が強くて頼もしい! ただ、博雅の活躍がもう少しあればなぁ、というのは少しあるかもしれません。あと、瘡を掻きむしるシーンがもう読んでいられない・・・・・・!(汗)

  • 擬音の多い、短い文。というか、言葉の積み重ね。なのに、なぜか視覚的。不思議。
    あと、保憲がよかった。
    2009.05.09 読了

  • 陰陽師シリーズの第8弾!!

    陰陽師シリーズの長編大2作目
    陰陽師シリーズに初の平将門登場でかなり雰囲気が今までのものと違う気がする。

    兎に角、平安時代の雰囲気が凄い楽しめる作品です♪

  • 博雅が、あいかわらず良い漢だ。
    人によっては「やりすぎ」だと言いたくなるくらいだろうが、私はこれくらい徹底してもらっても全く気にならない。
    純友へ滔々と語りかけるところなど、博雅でなくてはできないことだろうと思う。
    博雅は純友を「おかわいそう」だと言って泣いた。
    あれは、あのように産まれついた純友の自然(じねん)を嘆いたのか、それとも、あのように産まれついたと思ってしまっている純友を嘆いたのか、どちらだろう。
    私は、人の思いを育てる環境というものを侮れないと思っているので、後者かと思っている。
    今回の物語で、晴明がはっきりと「博雅がいるから都も悪くないと思っている」と口にした。
    思考の良く似た晴明と道満が、はっきりと道を違えているのは、おそらくこの博雅という人物に出会えたか出会えなかったかの差異であろうと思う。
    出会いの妙というものを、強く感じた巻だった。
    将門と樺太の、あるいは将門と純友との、出会いというものの妙もまた然りである。
    将門と樺太はよく似ていた。
    だのに、刀を構えて対峙することになってしまった。
    よく似ていた、だが、決定的に道を違えた。
    純友という人物との出会いの差異によるものである。
    だが、将門の自然は、純友のせいで捻じ曲げられていただけで、本来は気持ちの良い好漢だったのだろう。
    「おもしろかったなあ、樺太――」
    最期に清清しく笑ってそう言った、将門の自然はおそらくこれなのだ。
    もっと違う、もっとさっぱりとしたあり方が、将門にはあったかもしれない。
    それを思うと哀しくなる。
    最後の最期を笑って逝った、それだけが救いだ。
    物語としては、純友の登場がいささか唐突に感じられ、面食らったのが少々残念である。
    興世王が黒幕であることは早々に示唆されており、興世王=純友であろうという図式も後半になって示唆されてはくるのだが、その展開がめまぐるしくて、「ああ、そうなのか」と納得に浸る前にエンディングが来てしまった感覚だ。
    あの辺り、もっとじわじわと描いてくれたら、更に面白かったろうなと思う。

  • あとがきにも書いてあったけど、映画化を想定して書かれたお話というのには「やっぱり!」と納得。
    賀茂保憲、蘆屋道満、浄蔵・・・陰陽師シリーズオールスター出演で、過去最大級のスケール。

    上巻の伏線バシバシが、どんどん解けていく快感。
    晴明が幼少期に遭遇し、その才能を師に認めさせたことで有名な逸話・百鬼夜行がこんな風に繋がっていたとは!
    あと、東の将門・西の○○、そういえば同時期に起こった出来事だったことに改めて気づかされ、
    当然物語としても面白かったのだけど、歴史のお勉強にもなった(笑)

    黒幕、やっぱりこの人か。

  • 唐突ですが、ジャンル問わず(漫画除く)100冊読むことを今年の目標にします。
    現時点で4冊。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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