南の島のティオ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167561024

感想・レビュー・書評

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  • 「ティオの夜の旅」(合唱曲)と関係があるのかなーと思って今更ながら読みました。
    ティオはでてくるけどそんなに密接な関係はないみたい。
    どうやら詩が先にできたらしいですね。
    小説にはフェアリ・メイも出てこないしローラ・ビーチもありません。

    合唱曲の詩のほうがなかなかに電波……なので、小説はどんな感じなのかと思いましたが優しいすこし・ふしぎなお話ばかりでした。
    短編集だから一気読みもできますけど、そうはせずにちょっとずつ読み進めていきたい本でした。
    電車に乗ってるときとか、こたつにはいってもぞもぞしてるときとか、そういうときにちょっと手に取りたい本ってありますよね。

  • 「星が透けて見える大きな身体」他人を思いやる温かい気持ちがすごく伝わってくる。

  • 読み始め…16.6.24
    読み終わり…16.6.25

    南の島で小さなホテルを営む両親と暮らす、少年ティオの11の不思議な物語。

    私自身がこの島に訪れて、泊まったホテルがティオのご両親が営むホテル。そこでティオと出会って連れていってもらったのがサマン岬。。そこに集まった子供たちが海に飛び込んだり潜ったりして遊ぶのを見ながら、ティオにこの島に来た人たちの不思議なお話や、この島に住む人たちの不思議なお話をいろいろ聞かせてもらった....そんな気持ちになりました。

    絵はがき屋さん、その後どうしちゃっているのかなぁ...とってもいいお話だったからその後の行方が気がかり。いつでもいてほしいからどこかにいてほしい。

    アンドー先生のとこのアコちゃんが熱を出してしまって、この島では小さな子が病気なると助からないことが多いからってカマイ婆に予言してもらって。ティオも頑張ったけどヨルンダも偉かったね !

    エミリオはティオのかけがいのない友達。男の友情ってヤツだね。エミリオもティオも自分の島がいちばん好きなんだなぁ..。

    ティオが私にこのお話を聞かせてくれたように、私もいつしかこのお話を、愛しい誰かの枕元で聞かせてあげることができたらいいなと思います。

  • 読み心地がとてもよかった。

    南国の少年ティオを中心に展開する不思議で、時には恐ろしく、時には優しい物語。

    だけど、この本を通して読んで、一番心に残るのは、昔に失ってしまった何か思い出すような切なさだった。

  • 再読。夏になると読みたくなる本。
    小さな南の島に住むティオに会いたくなるのです。

    10編の美しい短編集で、ティオと出会った個性的な人や物?幻想?がなんだか不思議でもあり、自然でもあり。いつの間にか心が豊かに満たされるのです。

    すべての物語に魔法の匂いがするのに、受け入れてしまうのです。

    たぶん、その昔、精霊たちと人間はうまくやってたのでしょうね。
    街がコンクリートになって、すべてが理論や科学で立証されて、自然との対話がなくなって、見えなくなり感じなくなっちゃったんでしょうね。

    ティオの棲む珊瑚礁の島には、まだこの魅惑的な精霊たちと魔法に満ち溢れていました。また読むことになるだろうな。

  • 何年も前に読んだのを再読。
    内容はよく覚えていなかったが、好きだった&タイトルだけは覚えていたのでずっと読みたかった。
    思い出以上にすーっと入ってくる不思議な、でも世界のどこかにありそうな日常。すごく素敵です。
    きっと内容を忘れた頃、また読みたくなるんだろうなぁ。

  • 絵葉書をもらってみんなは行きたくなるけど、私はこの本を読んで行きたくなった。そして、来月ポンペイ島に行ってきます!

  • 2009.3.21

    10篇の短編からなるこの本は、池澤夏樹さんが、初めて年少の読者に向けて書かれたものなのだそうです。

    文明の危機が入りつつあるけれども、昔からの豊かな暮らしを色濃く残す島に育つティオの、身の周りに起こる物語。きらきら光る海、植物の茂る山、仲良しの子供たち……
    もっと小さい頃に読んでたら、もっともっと南の島へ行きたくなったかもしれない。32歳の私ですら(あるいは32歳だからこそ?)、十二分に南の島に行きたくなってしまったのだから。

    私が小さかった頃も、毎日が、こんな風にきらきらしてて楽しかったな。
    子供に流れる時間と大人に流れる時間は違いますよね。今は今ですごく楽しいけど。

    ぜひぜひ、子供たちにも読んでほしい本です。

  • よかった!南の島の空気感が心地好い。
    2015.5.7


    半身浴のお供に1日1篇ずつ読了。
    児童書とのことだが、大人が童心にかえることのできる物語だと思う。30ページでこんな多様な物語を生み出せるってすごい。ただハッピーな南の島じゃない、精霊や不思議、哀しいこともある、清潔な文章がすき。

    2020.7.14

  • 真冬にこの本を読んだら、バカンスの気分。文章から伝わってくる島の空気がリアル。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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