南の島のティオ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167561024

感想・レビュー・書評

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  • 2013.5読了

    台湾に行く前に読みました。

    もらったひとは必ず行きたくなるという絵葉書を売っている絵はがきやさんの話が好きでした。

    児童文学だったのか...とても読みやすかったです。

    一つ一つの話が短編なのでそれも読みやすい!

  • 児童文学からわたしが得たものは計り知れない。幸福な夢をみるように、児童文学に夢中になった幼いころの自分を思い出しました。深い思想がお話に昇華されていることよりも、なによりも、これを書いたのはこども、未来の世界へのひたすらな愛情からなんだろうな、ってのがひしひしと伝わってきて感動してしまった。だれか、会ったこともない大人が、自分のことをとても愛している。それでこんなすてきな物語を書いてくれた。なんてしあわせな記憶になることだろう。

  • 再読。何度読んでもいいな。人間らしく生きるってなんだろうな。

  • 断片的イメージ。世界認識:聴覚・視覚。海と山、去りゆく友。それを眺めるティオ。

    ホセさんの尋ね人が一番好き。

  • 小学校の教科書に載りそうなお話。
    愛・勇気・優しさ・友情が詰まったファンタジーです。こういうの久しぶりに読みました。

    「絵はがき屋さん」の話がよかったです。
    わたしもよく旅先から絵はがきを送ったりするので、ほんとにあったら素敵だなぁ、受け取ってみたいなぁ、と思いました。

    ティオの島は神様や精霊との距離が近く、時には科学じゃ説明できない出来事が起こり、子供たちは自然の中でよく遊び、大人と子供がよく会話をする、とっても魅力溢れる場所です。うらやましいです。
    かつては日本もこんなだったのかな。

  • ほっこりした不思議な10個のお話が詰まっている。「絵はがき屋さん」がいちばん好き。すごく幸せな気持ちになれる。

  • 遠い昔、中学生のころに読んだものを再読。
    以前、ラジオドラマでやっていた短編集だ。
    思えばこの本が、池澤さんとわたしを引き合わせるきっかけになったものだと思う。

    池澤さんは、ポリネシアとか東南アジアの風景が浮かぶような南国を舞台にした小説を多く書いているが、これもその類である。
    しかし、他のものとちょっと違っていて、どことなく不思議な連作短編になっている。
    人ならざるもの、それは神とか天の者とか精霊と呼ばれているが、そういう「形のない存在」がふわふわと常に小説世界の中を浮遊している。そんな感じを受ける。
    人格神や、キャラクターのはっきりした妖精だのが意志を持ってしゃべったりするよりも、人間とはまったく違った原理を持っていて、その意志をはかることすら困難だ、という妖怪にちかい存在との交流のほうが好きかもしれない。
    (例えば今市子『百鬼夜行抄』のような)


    特に、「星が透けて見えるほど大きな身体」は、非人間的な冷たさすら漂わせている「天の者」の描かれ方がとてもわたしの「人ならざるもの」にたいする価値観にフィットしていた。カマイ婆の「お前たち、談判はできるか」という一言から始まるクライマックスも、緊張感が溢れており、異界のものとの交流は基本的に畏怖と不利のなかにあるのだという感覚を心の中に沸き立たせてくれる。

    余談だが、2012年(今年ね)に青い鳥文庫に入っているみたいだ。
    比較的古い作品だが、これが現代のこどもたちにも池澤さんの作品世界にふれるきっかけになってほしいなあと思う。

  • 子供向けファンタジーだけど、歴史、現実、生きる知恵、人間のいろいろが詰まっている物語。中学生のときに読んで、再読。あたたかくて大好きで手放さずにいました。折に触れて読み返したい本。大人にこそ大切。

  • ほのぼの~としてる本

  • 読書カウンセリングで勧められた一冊。もう、私のオーダーにどんぴしゃりでした。
    もらうと必ずその場所に行きたくなる絵ハガキのお話から始まる連作短編は心がほんのり暖かくなるようなものから、うすら怖いものまでどれも好きだけど一番はやっぱり絵ハガキの話かなぁ。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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