- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167615017
感想・レビュー・書評
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近代的な上昇志向とは違う生活のあり方。どちらにしろ、やっぱり自己満が人生を楽しくおくる秘訣になるのか。自己満っていっても社会に貢献する類のだろうけど。
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石垣島。働きもせずぶらぶらしている不良少女、綾乃と、その親友のサイケばあちゃん、オージャーガンマー。
南の島に息づく神や「ユタ」という風習などを島言葉を交えてムードたっぷりに描いている。
キャラクターが魅力的で、いい。
石垣島というと観光地のイメージが強いが、土着の不思議な泥臭い雰囲気がぴたりとはまる。
ラストはもうちょい盛り上がりがほしかった!と思うけれど、十分楽しめた。 -
後半の展開がすごく速く感じられるのは、オージャーガンマーの手を離れていくから
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デビュー作にはすべてがあるらしい。確かにこの本には、以後の池上氏の要素が満載。ストーリー敵には幼いかんじ。
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う……。思わず泣く。<br>
池上永一めえ……、ひ、卑怯な……といいつつ、泣く。<br>
なんとなく、相変わらず“だめなもの”を書いているのに、
それもあの、『イノセンス』とか『東京グランドファーザーズ』とか、日本のアニメに見られるような“汚いものを綺麗に書く”ようにしているわけでもなく、ありのままに書こうとしているのにある種の清しさ、清浄さ、みたいなものが満ちているお話で、うーん……しかも、しかも、まあ、池上永一だから、きっとこうくるに違いないと思っていても、……泣くよなあ。やっぱり。<br>
それにしたって相変わらず読みやすい文体だ。<br>
この人の文の読みやすさはなんというか、たとえば村上春樹の文とは全然違う。<br>
村上春樹の文章は音楽でいうとレゲエのようなグルーブ感を持っていると思うのですが、池上永一の文はグルーブ感があるとしてもまったく異質なものだと思う。<br>
沖縄の三線の持つグルーブ感なのかもしれない。私にはわからないけれど。<br>
言葉の持つリズムが現代日本語のリズムとは違うような気がするんですよね。<br>
あえていうなら万葉集で使われているような言葉のリズムに近いような気がする。<br>
リズムなのか、グルーブ感なのか……わからないけど。<br>
ちょっとだらっとして歯切れのよくない、独特の抑揚で続けられていく言葉。<br>
途切れるかと思えば続き、盛り上がったと思えばゆっくりと盛り下がって……スタッカートはないの。<br>
だらだら。<br>
「風車祭―カジマヤー―」は完成度も高いし、素晴らしい物語だと思うけど、「パガージマヌパナス」にはもっと若々しい夢のようなものが詰め込まれていると思う。<br>
綾乃というキャラクターがすごく好きです。<br>
そんでもって神様のね、感じがよかった。<br>
カ二メガがいつも拝んでいる御獄の神様が綾乃に興味を持つシーンがなんとなく、すごく好きだ。<br>
最後はある意味、語り手である池上永一が、息切れしたのか、思い入れが強すぎたのか、尻切れトンボな感じがするけれど、沖縄の潮の香りや、砂の手触りまで文章で再現した名文、名物語でした。<br><br>
ご馳走様でした。満足。<br>
(20040602) -
この本は、ファンタジーと銘打っていますが、ちょっと前の沖縄か、また今もどこかにあるかもしれない沖縄の生活の匂いがします。
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作者の視点によるユーモアが過ぎるところもあるが、登場人物がみんな魅力的だし、泣けた。それだけで十分。
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はじめて触れた池上ワールド。オージャーガンマーのようなばあさんになりたいと思いました。
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行間に沖縄の空気が感じられる逸品。畑のパイナップルを荷車いっぱい盗もうとしたり、水牛に轢かれたり、何百本ものロケット花火を他人の家に打ち込んだり…ろくでもない主人公だがなんか許せてしまう、そんな話。僕夏好きなら気に入るかも。
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沖縄。一度は行ってみたいと思いながら、五年越し。青い海も空も、コラーゲンたっぷりな食べ物も、六調節な島唄も、一度は生で体感してみたい・・・と、考え出すと心ときめいて止みません。 が、所詮ナイチャーのあたしにとって沖縄は観光地。いくら良い所でも、サラリーマンであるあたしは休みもお金も限りがあって、年数度の連休みも帰省にしか使ってません。という訳で、何度も訪れたいではなく、何度でもふるさと。
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“バガージマヌパナス”は主人公のふるさとが沖縄という、島(沖縄)を舞台にした物語。そもそも“バガージマヌパナス”は池上永一の同名小説をも とに、栗原まもる嬢が漫画化したもの。最初は???な感じでしか読めなかったのですが、何度か読む内に忘れていたものを思い出したかのような気持ちに包まれました。多分それってほんとに忘れちゃいけないものだったんだと今となっては思うんです。