ブエナ・ビスタ 王国記II (文春文庫 は 19-5 王国記 2)
- 文藝春秋 (2002年11月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167642051
感想・レビュー・書評
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王国記シリーズの第二弾(第一弾は『ゲルマニウムの夜』)。修道士を辞めた赤羽が主人公の「ブエナ・ビスタ」と修道院付属農場の生活を描いた「刈生の春」の2篇から成る。どちらも書き出しは静かで、後半から過激になる。ブエナ・ビスタはスペイン語で、素晴らしい景色。
『ゲルマニウムの夜』が衝撃的だったので、続編を手に取りました。少し予想外の第二弾でしたが、シリーズはⅨまであるので、読んでいきます。過激なエロスとバイオレンスが苦手な方には非推奨です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はじめに『ゲルマニウムの夜』を読んだとき、「これはとんでもないシリーズだ」と思った。そのぐらい評価が高い作品の続篇なので、読む前にやたらとハードルが上がっていたせいかもしれない。本作ももちろん良い作品には違いないが、「あれ、こんなもんかな」という感じがしてやや拍子抜けしてしまった。ただ、赤羽修道士を主人公とした表題作はとくに傑作で、この作品のなかにはさほどキリスト教的要素は登場しない(そもそも赤羽は「元」修道士だ)が、それでも全篇にわたってそのテイストが万遍なく塗されていて、この「宗教以外で宗教を描く」というのがこのシリーズ最大の特徴であり魅力ではないだろうか。(しかも、なぜか内容はきわめて宗教的だ。)こういう、アンビヴァレンスな感じ、逆説的な感じがすばらしい。このことを踏まえると、1作目より本作の評価が落ちてしまう理由として、併録された「刈生の春」における描きかたがあるのではないだろうか。この作品では、修道院の農場での過酷な生活を通して、指導者たちの「欺瞞」を映し出しているが、朧が直接不満を漏らすなど、その方法がどうも露骨すぎるのだ。もっと間接的に、比喩的にこの部分が描かれていれば、もっと高く評価することができたことだろう。ただ、視点や舞台や筋書を大きく変えても、根柢に流れるテーマがまったくブレないあたりはさすがの筆力である。この「王国」の行く末を、もうすこしだけ見守ってみようと思う。
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宗教を否定しながら哲学的に生きる2人の主人公。
極端に性や労働におぼれるように耽溺し、自分の思うままに暴力も受け入れる。
そんな姿が極端に人間的で逆に宗教的だったりします。。 -
シリーズ第二弾。
1の『ゲルマニウムの夜』ほどの衝撃ではなかったが、
相変わらずの面白さ。
エロ・グロなんだけど、
作者の男性的な文章表現は生きている。 -
まだ途中までしか読んでないけれど今のとこ評価3ぐらい?とりあえず赤羽視点のとこまで読みました。
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ブッ飛んだ朧が主人公よりも修道士・赤羽の視点だったので入りやすかった。
最後の「ブエナ・ビスタ」にはニヤりとさせられてしまった。
でもそれだけ。テーマに興味が湧かないので。 -
宗教じみていて、しかし皆の信じるものは異なる。
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「ブエナ・ビスタ」言いたくなる言葉。ストーリー自体には興味が沸かなかったけど、すごくおもしろかったのに途中のアブノーマルで過激な性描写で折れた。
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赤羽修道士の視点で書かれた王国記第2弾。
「ブエナ・ビスタ」は素敵な言葉だと思います。
赤羽さんの悶々とした悩みとか人間らしくて、妙に親近感が沸きます。 -
気持ち悪い。