送り火 (文春文庫 し 38-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669041

感想・レビュー・書評

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  • 9編の短編小説ですが、舞台はすべて鉄道の「富士見線」。
    これらの小説の主人公は若い人から老人まで幅広い年齢層です。
    描かれているのは それぞれの「人生」。
    重松氏が私と年齢が近いので、どの作品も非常に共感を持てます。
    何箇所か蛍光ペンで線を引きたくなりました。

    文章も非常に丁寧で すごく素直に話に入れます。
    この本もずっと手元に置いていたい一冊です。

  • ほのぼのこころあったかストーリーだと勝手に思ってたら、なかなかの重さ、しんどさ、暗さでびっくり。
    現実は確かにそんなものだよね、と思う一方で、明るい方を、心残りのない方を選びたいものだな、という気持ちになった。
    親子、夫婦は、難しいけど、よいもの。よいものだけど、難しい。

  • 重松清さんの本はこの本に限らずですが、使っている言葉はおしゃれなものでも凝った言い回しでもないのに手のひらがムズムズして心をギュッと締め付けられるような気持ちがします。
    ほんの短い台詞で涙が出たりします。
    元気でこれからもいっぱい書いて欲しいです。

  • 好きな話半分、苦手な話半分って感じですかね。アンダーサーティーの世代が読んで
    どう感じるんでしょうか?
    かげぜん、漂流記が好き。

  • 短編小説集、どれも素晴らしい。気取った文章ではないのに、引きずり込まれてしまう。これが一流作家さんの力なんだろうなぁ。ほんのり怖くてあったかい物語、かぁ。

  • 架空の私鉄沿線「富士見線」を囲んで展開される、ときどき怖くてときどき悲しく、そしてときどき温かい人生劇場が9本。ここには孤独なオジサンがいる、女性フリーライターがいる、子どもを亡くした夫婦がいる、神経をすり減らす主婦がいる、超能力を持つ駅員とイジメに悩む小学生がいる、パンク音楽にあこがれていた中年がいる、親子の絆を喪った女性がいる、離婚秒読みなサラリーマンと地縛霊がいる、そして人生の終わりを見つめる女性がいる??どの話も全く異なったカラーで、人生の様々な局面を味わえる。万華鏡のような逸品だ。

  • 私鉄富士見沿線を舞台にした短編集。後書きがとても優しいのが印象的。

  • 泣けました。家族の、ちょっとした軋轢や、空回りするコミュニケーションなど
    描写や状況構築が上手で、また重松さんがよくテーマにするものが、今作のすべてにおいて描かれていますけれど、そこに、超自然的なものが付加されて、すなわち、超常現象とか心霊現象とかそういうものなのですが、そういったものがとても効果的に、現実では埋まらない溝を埋めたり、崖をわたる橋になっていたりする役目をしています。きっと重松さんには、人がなかなか言葉にできない、うっすらとした夢というか願望というか祈念というか、現実の世界に長く忙しく暮らして、世知辛い目に合って捨てていった「幸福な夢想」というものをしっかりとらえることができる人なんだと思います。

  • 全9編からなる重松さんの短編集です。短編なのに不覚にも、じんわり泣き、心温かい読了感。
    TUTAYAの売り場で店員作の「ふきだし」に心引かれ読みました。

    私的には、
    「かげぜん」
    「送り火」
    「もういくつ寝ると」
    が良かった。

    1編毎に丁寧に温かい、重松さんらしい読み心地です。

    伊坂さんだと、この9編を巧妙にリンクさせるかもしれませんが、重松さんは軸だけ通し全く別な話しに切り分けています。なんか「家庭の数だけ物語がある」と言ってる気がします。

    TUTAYAの罠に、みごとに捕まった私ですが、大当たりでした。

  • ちょっとわかた

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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