- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167676032
感想・レビュー・書評
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やばい「客」を追手の手が届かない闇の先に逃がすーそれが「逃がし屋」葛原の仕事だ。「極秘入国した隣国の最重要人物を捕えて逃がせ」。依頼はよりによって警察庁幹部からだった。断れば殺人犯として追われる。大阪に向かった葛原を待ち受けるのは、暗殺を狙う隣国の工作員たち。壮絶なチェイスが始まった。
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闇先案内人 上
罪を犯した犯罪者。警察ややくざから追われた彼らを無事に国外に脱出させる、
通称、「逃がし屋」。
ふとした事情から、国家間の陰謀がうごめく荒波に飲み込まれていく物語だ。
逃がし屋の仕事を追った導入部から一気に引き込まれる。
やはり手練れ作家の仕事はさすがだな、と思うまもなく、次第に事件の規模が大きくなりすぎ、国家のスパイ線に巻き込まれていくあたりで、緊張感を失っていったか。
インテリジェンスの知識に長ける作家が書いた作品と比較してしまうと、どうしても見劣りがする。力業で書いていくその力量には感服するが、事件に巻き込まれてから、主人公が自分の意思で事件に立ち向かうあたりの動機が弱い。
これはこの作品にあって致命的なところだ。
葛藤し苦しむことで、読者は物語に引っ張られていくものだが、どうにもその力が弱く、中盤からはページをめくるペースが遅くなってしまった。
いっそのこと、読むのを辞めてしまおうかと思ったくらいだ。
下巻に期待したい。 -
すっごい込み入った話。登場人物たちの思惑も様々、かつ、行動の理屈付けが大変微妙で、しかも猫の目のように変わる。よくもこんがらないで最後まで読めたな、と思う。
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大沢さんの作品には、これを外したら自分でなくなるというギリギリのところで命を張る男や女が大勢出てくる。
なんと取り扱いが難しい連中なんだろう。
だが、いつもフラフラ泳いでいる自分には、魅力的でまぶしく見える連中だ。 -
人を逃がす家業の主人公が、隣国の政治闘争に巻き込まれる。最後がちょっとあっさりしすぎのような気がする。
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上下巻読了。
アクション続きで時々どっちが撃たれた?なんてこともあったが、どんどん引き込まれてたのしめた。 -
とくに毛嫌いしていた訳ではないが、単に縁がなく読んでいなかった大沢在昌を初めて読んでみた。
主人公は訳ありの人物を海外へ逃亡させる逃がし屋のリーダー。
警察が出てきて、公安が出てきて、お隣の某国が出てきてと、FBIやCIAといった世界の軍事・諜報ネタではなく、もう少し小さく身近な日本版といった感じか。
読み進むうちに映像が頭に浮かんでくるあたりは作者の文章力によるものだが、映画やテレビドラマの原作になりそうな、映像向きのストーリーといえる印象をうけた。 -
やっぱりハードボイルドは大沢さんだ。
と再確認させてくれた作品。
敢えてケチをつけるなら、もう少し救いのあるラストなら良かったなぁと思います。
個人的には。 -
下巻とも
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逃し屋のはなし。続きが気になります。