曙光の街 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 711
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679538

作品紹介・あらすじ

日本でKGBの諜報活動をしていたヴィクトルは、ソ連崩壊後に解雇され、失意のどん底にあった。そこへヤクザ組長を殺す仕事が舞い込んだ。再び日本に潜入した彼を待ち受けていたものは-。警視庁外事課とヤクザを相手にスリリングな戦いを展開するうちに、やがて明らかになる日ソ時代の驚くべき秘密。

感想・レビュー・書評

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  • 隠蔽捜査シリーズが大好きで、初めてこの倉島警部補シリーズを読んだ。こちらは公安が舞台ということで、隠蔽捜査とは全く違った警視庁の姿を教えていただいた。
    舞台が変わっても今野敏さんの小気味よいストーリーは全く変わらず、この小説も他の小説同様、一気に読み進めた。
    2000年ころが舞台となっているが、日本とロシア、日本と外国の「不況」についての感覚の違いは印象に残った。
    主役三人の登場人物については、誰が主役でもおかしくない魅力を持っていた。
    この後の作品での活躍も期待しつつ2作目を読みたい。

  • 曙光(しょこう)の街 ー 倉島警部補シリーズ1作目《文庫本》
    2005.09発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.07.13読了。★★★★★

    2023年のベスト本です。

    警視庁公安部外事一課、倉島達夫警部補の活躍の物語です。

    父親が日本人のヴィクトル・タケオビッチ・オキタ40才は、ソ連が解体されるまでKGBの特殊部隊で凄腕の非合法工作員であった。10年ぶりにモスクワで再会した元上司のアレキサンドル・オギエンコは、ソ連解体時の派閥争いに敗れて、今は、マフィアだ。ヴィクトルは、日本人の父・タケオが、漁の最中にソ連船に拿捕されて、サハリンで母・ローザと愛し合って生まれたが、父も母も幼いころに亡くなり、18才で志願して軍隊に入り、そして、KGBで東洋系の顔と日本語を使って日本で山田勝の名前でスパイとして活動した。

    再会したオギエンコは、ヴィクトルに4万ドルで日本へ行ってヤクザの親分・津久茂の殺しを依頼してくる。偽造パスポートで日本に入国したヴィクトルは、オギエンコがなぜ津久茂を殺すのかを知る。津久茂は、オギエンコのもとから美しい少女エレーナを攫ってきた。このエレーナが、オギエンコの秘密を握っていたのである。公安にロシアからヒットマンが来日すると情報が入る。外事一課の倉島が、ヴィクトルと接触していくうちに意外な真実が見えてきます。

    【読後】
    字が小さくて、読むのに大変苦労しました。が、楽しく読み終りました。「凍土の密約」を図書館から借りてきて調べたら倉島警部補シリーズの3作目であることが分かり、ブックオフへ行って2、3、5冊目(文庫本)を各110円で購入しました。さっそく1作目から読み始めます。後半は、凄い展開が待っています。是非読んでみてください。2023年のベスト本です。
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    倉島警部補シリーズ一覧
    05.防諜捜査
    04.アクティブメジャーズ
    03.凍土の密約
    02.白夜街道
    01.曙光の街 2023.07.13読了
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    参考
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    曙光(しょこう)とは、① 夜明けの光。夜明けにさしてくる太陽の光。② 前途に見えはじめたかすかな希望。明るいきざし。
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  • 暗殺する側、される側、そして暗殺者を追う公安の三者の視点で話が進みます
    テンポよく展開するので、すぐに引き込まれます
    ロシアのスパイとは、日本の公安とは、色々興味深く勉強させていただきました

  • 既読本。記録のため登録

  • 前半は、早く組長を殺せばいいのに。伸ばすナーと思いました。 最後の展開は、面白く一気に読み切りました。

  • 面白いです❣
    一気読みでした。
    ヴィクトルの次話が楽しみです〜

  • ヴィクトル、倉島、兵藤、みんなに入れ込んでしまい困った。3人にとって良い結末があるのかなと。その点ではまずまず。

  • スリルが感じられる作品でした。

  • <続>
    本書は,先日最新刊『ロータスコンフィデンシャル』を読んだ ”倉島警部補シリーズ” ののっけの一冊です。僕はこうやって今野敏太郎先生の膨大な作品のシリーズモノを読み始める場合は,その時点での最新刊をまず読んで,それからこうやって初めの第一巻に戻って読み始める事にしています。万一最新刊が面白くなかったりすると,シリーズ全体読破がづっと後回しに成ったりするかも,ですが敏太郎先生の場合はまだそういう愚作は無いです。
    しかし本作はどうやら倉島警部補を主役にしたシリーズ化を前提として書いた作品ではなさそうです。まあ,よほどの売れっ子作家でもない限り最初から何冊ものシリーズ化を前提にした作品を書く,と云う事はまず無いのでしょうけど。本書は単行本2001年が初出なのでまあそういうことでしょう。
    巻末の ”解説” には「本書には主人公が3人居て・・・」という主旨の内容が書かれた居いる。そしてあろうことか公安警察官である倉島の事をハッキリと疑いなく ”刑事” と書いている。ここのところ何作かの今野敏太郎先生作品を読んで来た僕的知見から言うと公安系警察は絶対に刑事ではない! 解説者さん訂正した方がよろしかないかい?少し笑う。

  • 倉島警部補…公安の仕事に馴染めずに刑事に憧れ。
    兵頭…元プロ野球選手ながら傷害事件が元でヤクザの道に。
    ヴィクトル…元KGBながら明日の生活にも困る貧乏臭いぐらし
    この3人の人間臭さが面白い。倉島シリーズのめり込みそうです

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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