町長選挙 (文春文庫 お 38-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711030

作品紹介・あらすじ

町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて…なんと引きこもりに!?泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 順番で買ったと思ったら2を飛ばして3だった。
    相変わらずのぶっ飛びの伊良部先生。今回は有名人を模した短編。
    野球と新聞とくればナベ○ネ、ITと新聞社買収と来ればホリ○モン。次の宝塚は分からなかった。こんなに手酷く有名人を描いて大丈夫かと心配するが、最後に良い人として締めるのでOKなのだろうか。
    標題の町長選挙では伊豆の離島で選挙戦に巻き込まれる。相変わらずの言動で大騒動を巻き起こすが、最後は良い話に締めるのがクセになる。

    • 浩太さん
      なおなおさん 
      候補が居すぎて見当も付かなかったのですが、はっきりして嬉しいです。ありがとう御座います。画像が明確に浮かび上がります。
      なおなおさん 
      候補が居すぎて見当も付かなかったのですが、はっきりして嬉しいです。ありがとう御座います。画像が明確に浮かび上がります。
      2024/01/22
    • なおなおさん
      浩太さん、フォローをありがとうございます。
      ナベマン、アンポンマン、白木さんとかネーミングがうまいものですよね^^;
      私はアンポンマンの話が...
      浩太さん、フォローをありがとうございます。
      ナベマン、アンポンマン、白木さんとかネーミングがうまいものですよね^^;
      私はアンポンマンの話が面白くハマりました。
      コメンテーターはもう読まれたのですね。私は今、図書館予約中で、楽しみなんです。
      これからも浩太さんのレビューを楽しみにしております。
      2024/01/23
    • 浩太さん
      本日、2を借りてきました。楽しみです。
      コメンテーターもよかったので、楽しんで下さい。
      本日、2を借りてきました。楽しみです。
      コメンテーターもよかったので、楽しんで下さい。
      2024/01/23
  • 伊良部先生第三弾。
    伊良部のぐふふ笑いは健在。マユミちゃんの活躍も多し。

    登場人物は実在する人物がモデルのようだ。
    球団オーナーナベマン、ライブファストのアンポンマン、元歌劇団所属の女優白木カオル……ってあの人のこと?
    奥田先生、こんなふうに書いてしまって大丈夫なの?でもあの方々に重ね合わせ、とても楽しく読み、不覚にも(!?)この方々の心境に同情してしまった。
    特に2話目の「アンポンマン」は可笑しくて吹き出してしまった。本当にあの人がやりそうな、言いそうなことが散りばめられている。いつも人を「バカか!」と言っているような人が、「ばーかばーか」とやり込められたりして展開がうまい。テンポも良い。
    伊良部はああいう弁が立つ人にも動じず、自分のペースに乗せてしまう。

    伊良部はどんな人でも特別扱いせず、患者全てに平等。あまり考えていないんだろうけど。
    第ニ弾の伊良部の言葉「病院では総理大臣もホームレスも、患者で統一されるんだから」が印象的だ。

    • アンシロさん
      なおなおさん、こんばんは。

      昨日『町長選挙』まで私も読み終えました。なおなおさんの評価の付け方と同じになりました笑。新作に期待してます。
      なおなおさん、こんばんは。

      昨日『町長選挙』まで私も読み終えました。なおなおさんの評価の付け方と同じになりました笑。新作に期待してます。
      2023/12/02
    • なおなおさん
      アンシロさんの評価も見ましたよ。同じだなと思いました。5→4→3……( ᐛ )σ
      私たちは一気読みしたからこうなっちゃったのかな。少し間を開...
      アンシロさんの評価も見ましたよ。同じだなと思いました。5→4→3……( ᐛ )σ
      私たちは一気読みしたからこうなっちゃったのかな。少し間を開けて、次はコメンテーターに行きますか!しかしこちらは図書館で約500人待ち…ちょうどいい間かも。
      2023/12/02
    • アンシロさん
      面白いには面白いけど、キレイにまとまっている感が出てしまったので段々と星が減りました笑。

      へっ?!500人ーーーっ?!汗。なおなおさんの住...
      面白いには面白いけど、キレイにまとまっている感が出てしまったので段々と星が減りました笑。

      へっ?!500人ーーーっ?!汗。なおなおさんの住まれている所は相変わらず図書館の待ちがすごいですね^^;いつになるのですか?汗。

      うちは11人待ち、今予約しました。
      2023/12/02
  • シリーズ3作品目、この『町長選挙』の患者は読んでいてすぐ分かる著名人がモデルになってると思われる。それぞれ深みがある人生を歩んできているから語るものも多くて、頑固でクセが強いキャラ。ナベマン→クセ強な球団オーナー、アンポンマン→波乱万丈な元IT社長、白木→いつまで経っても美人な宝塚女優。

    伊良部総合病院は医院長が医師会の理事を務める名門病院なので、信頼と知名度でそんな著名人も次々に訪れる。地下の神経科の伊良部一郎がどんな人物かも知らずに…ぐふふ。

    しかし、前作までと比べると伊良部先生が意外としっかり先生をしている笑。1話目のナベマンこと田辺は自分の症状や思い当たる原因を診察で正直に話さない。すると伊良部先生はいつの間にか秘書から事細かに聞き出していた。神経症だけでなく水虫まで笑。治療法を探る事もするのね。

    今までの伊良部先生だったら「ふーん、言わないならいいか。面倒だもんねー。」…じゃないのか?!注射が打てて、暇つぶしの話し相手ができて、保険点数が稼げればそれで良しじゃないのか?笑。

    振り返れば前作の『空中ブランコ』でも「医者としての無念はなんですか?」との患者の問いに治療の甲斐なく患者さんが亡くなってしまう事…と真剣に答えていた。いい加減に見えて真っ当な医者の感覚や使命感をちゃんと持ち合わせている人物なんだなと思った。

    マスコミを避ける為に騎馬を組んで患者を運んだり、父親のオープンカーで迎えに来て追いかけてくるマスコミとカーチェイスを繰り広げて巻いたり…5歳児の好き勝手わがままにというよりは患者を守っているんだよな治療してるんだよな、やってる事は無茶苦茶だけど笑。

    『町長選挙』及びこれまでの伊良部先生シリーズの自分の勝手なイメージを書いてみる…

    ※以下、勝手なイメージです。念押し笑。

    『イン・ザ・プール』深夜ドラマでスタートして爆発的にヒットしたもんだから、『空中ブランコ』でゴールデン進出・『町長選挙』で映画化とステップアップする中でどんどん演出やキャストは豪華に、でも狙いすぎて小さくまとまってしまったような…面白さは控えめになってしまった…。

    面白い、面白いんだけど…ゴールデンにいくと制約が生まれるのかつまらなくなってしまうドラマやバラエティってあるよね、そんな印象を受けました笑。

    マユミちゃんは注射の時だけ登場させて、無愛想で露出狂だけにして欲しかった。前作の「本はロッキンオンしか読まない」って匂わせる一文だけで十分。マユミちゃんは現実のドラマ化の影響が出てるのかな。

    まだ最新作『コメンテーター』の作品紹介を読んでないけど、伊良部先生がついに海外進出と予想 笑。どうでしょう?映画化第二弾は予算を上げて海外で撮影、あるある?笑。大笑いできる伊良部先生を期待しています!

    • なおなおさん
      アンシロさん、今回伊良部先生は患者さんに厳しかったですよね。伊良部が「医者」してましたw特にアンポンマンには結構グサッと来るようなことを言っ...
      アンシロさん、今回伊良部先生は患者さんに厳しかったですよね。伊良部が「医者」してましたw特にアンポンマンには結構グサッと来るようなことを言ってたかな。私はスカッとしたけれど。
      アンシロさんの「勝手なイメージ」に納得です笑
      なるほど〜面白さをドラマ化や映画化でイメージすると分かりやすい!笑っちゃいました。
      2023/12/02
    • アンシロさん
      なおなおさん、おはようございます。こちらの返信が遅くなりましたm(_ _)m

      読んでいて浮かんだ「勝手なイメージ」をレビューに書かないとな...
      なおなおさん、おはようございます。こちらの返信が遅くなりましたm(_ _)m

      読んでいて浮かんだ「勝手なイメージ」をレビューに書かないとなと笑。患者に有名・人気俳優を並べると伊良部先生=西田敏行さんの面白さがきっと薄れちゃう笑。
      2023/12/10
  • 伊良部総合病院シリーズ3作目

    んんんんん!面白い( ´ー`)
    伊良部先生も良いが

    マユミちゃん 可愛いしカッコいい(笑)
    この本を読んでいて
    プロレスファンの自分は
    マユミちゃんの綺麗なドロップキックが見えた( ☆∀☆)

    • akodamさん
      ベルゴさん、こんにちは。

      私もマユミちゃん推しです。
      昔は男女問わずよくプロレス観戦にいってました^ ^

      そして私にはマユミちゃんの華麗...
      ベルゴさん、こんにちは。

      私もマユミちゃん推しです。
      昔は男女問わずよくプロレス観戦にいってました^ ^

      そして私にはマユミちゃんの華麗なパワーボムが見えました(*´-`)
      2021/11/12
    • ベルゴさん
      マユミちゃん良いですよね( ^ω^ )

      自分も小さい時からプロレス好きで、観戦もそうですがサインや一緒に撮ってもらった写真結構あります(笑...
      マユミちゃん良いですよね( ^ω^ )

      自分も小さい時からプロレス好きで、観戦もそうですがサインや一緒に撮ってもらった写真結構あります(笑)

      コロナ対策で2年ほど観戦を自粛してるので…ずっと行きたいなぁ…ともがいてます
      2021/11/13
    • mayutochibu9さん
      ベルゴさん

      ありがとうございます。

      伊良部総合病院シリーズ
      くだならさが好きです。コロナとは無縁の世界観がいいです。
      ベルゴさん

      ありがとうございます。

      伊良部総合病院シリーズ
      くだならさが好きです。コロナとは無縁の世界観がいいです。
      2021/11/13
  • 伊良部シリーズ3作目となる本作品。今回はひょうひょうとした伊良部先生の活躍が見れるだけでなく、助手のマユミさんも患者の手助けになっている印象を受けました。割と今作は前作の2つに比べて、割と一般的な病気や症状だったのかなと…

    本作は4編からなる短編集で、精神科医である伊良部一郎が、奇天烈でとんでもない治療法で患者を治していくというあらすじ。今回、伊良部が対峙するのは、パニック障害、物忘れ、ダイエットへの強迫観念、ストレス性胃腸炎。症状だけみると、胃腸炎が若干弱い気もしますが、ストレスの原因が独特で、さすが伊良部シリーズといった内容でした。

    前作2作の時に言及しましたが、本作は隙間時間に読むのにもってこいのシリーズで、展開のバカバカしさと濃いキャラクターのおかげでスラスラ読めてしまうので、本を読むのが苦手だなっていう人でも気楽に手を出せる良さがあると感じました。

  • 表題作を含む4つを含む伊良部先生シリーズ第三弾の短編集。

    今回の作品は過去実際に話題になった実在人物をモチーフにしていたりして面白かった。

    しかし伊良部先生には3部作とも笑わされた。
    真面目なお馬鹿で笑いたい方には是非お薦めしたい。

  • 3巻目ということもあり伊良部先生とマユミさんのキャラが安定してきました。

  • 今回は、伊良部先生が普通の人に思えるぐらい、周りの人達の個性が強烈〜。でもモデルがいそうな感じ。昔ニュースで見聞きしたような人達を、オマージュしたような話だった。

    最後の「町長選挙」の話はいつも以上にハラハラしたけど、読後なんか妙に納得した感。そしてなぜかほっこり感。
    キャラ的にほのぼのの人なんて、そうそう出てないのに。
    伊良部先生の影が薄かったから?唯一はっきり覚えてるのは「フォー♪」ぐらいかしら…。(なんか懐かしい)

    90%おいっ!ってツッコミたくなるような話の中に、6%ほどの伊良部先生の名言(迷言)と笑い、4%ほどの納得感とほのぼの感が上手く混ざってる。そして謎に読後がほんわか。
    だからこのシリーズ次々読んじゃうのかな。

  • 伊良部先生久しぶりに読んだ!
    空中ブランコで大笑いして、こんなコメディも書けるなんてと一気に奥田ファンになった、その伊良部先生シリーズ第三作。

    やはり短編で読みやすく、ついニヤニヤしてしまう。周りに誰もいなきゃ、声をあげて笑っちゃう。
    特に表題の「町長選挙」の大乱闘シーン、ブリのアラが飛び交うとか面白過ぎでしょ!
    ナベマンの騎馬シーンも笑った。
    でも泉田首相の弔辞には泣けた。

    最終的には主人公がスッキリと前向きになれるのも、この伊良部先生シリーズは気持ちがいい。
    奥田さん最高!

  • 伊良部シリーズ第3弾、読了。

    今作は特別すごい事をやっているかと言うと、今までの作品に比べると弱いかな。はちゃめちゃ感が足りない感じ。

    4話目の町長選挙は途中まで嫌な気持ちになる事この上なしだったけど、最後は綺麗に終わってくれてよかったな。汚いお金が動いたり、そのおかげで成り立つインフラ整備、島を愛するが故とわかるとホッとした。でもこう言う問題って実は色んなところにあるんじゃないかなぁ。沖縄の基地とかもその類かと…

    少し社会問題を考える時間になった。

    伊良部で笑

  • 今回は、明らかにあの人をモデルにと推測できる人物が患者として伊良部先生を訪ねる

    読売新聞社 元会長の渡辺恒雄らしき田辺満雄、ライブドアのホリエモンらしきアンポンマン、黒木瞳と思われる白木カオル・・・

    伊良部先生のアドバイスに従って、田辺満雄がサングラスをかけ、部下の騎馬に乗ってマスコミの記者連中の間を通り抜けていく姿

    ひらがなを忘れてしまったアンポンマンが、一生懸命ひらがな練習帳でひらがなを思い出し、幼稚園児と伊良部先生も交えて、必死でアンパンマンかるたに興じる姿は傑作だ

    ドタバタ喜劇のようではあるけれど、その中に人間の真実のようなものが見え隠れするのもいい

    このシリーズ第一巻から伊良部先生は、俳優の六角精児かな? いや田口浩正かな?と自分の中で想像して読んでいた
    文中にも、伊良部先生は、トドのような、アザラシのような、カバのようなという描写があったが、何とこの巻では
    大柄な"金正日" という表現があった
    これには、爆笑した
    私の想像も当たらずといえども、遠からずではないだろうかとニンマリした

    奥田英朗氏の守備範囲の広さを知って、嬉しくなった

  • 今回も白ブタ・変態の伊良部医師が絶好調。患者を診るなりミニ白衣をまとった看護助手のマユミさんに「注射いっとこうか!」早速のぶっとい注射器を拳銃のように構えて発射する。その際はお決まりの胸の谷間のチラ見せサービス。エロオヤジにはデコピンのサービスつき。もう病みつきになるね。ナベツネ、ホリエモンをモチーフとした際どい描写がリアリティを想起させる。大物女優の体重固執、東京都職員の選挙前の贈収賄も伊良部医師が毎度のファインプレー。いつの間にか心身症を軽快させてしまっている。ヤブ医者?赤ひげ先生?後者でしょう!

  • 伊良部シリーズ第3弾。

    『オーナー』、『アンポンマン』。
    『ナベマン』に、『アンポンマン』、明らかに『ナベツネ』に『ホリエモン』。

    プロ野球1リーグ化構想に、ニッポン放送の時間外株式買付…
    そんなこともあったなと…
    あとは村上ファンドか。

    『カリスマ稼業』 アンチエージングの女優・白木カオル。あきらかにモデルは、黒木瞳。
    でも自然に逆らわないのが1番かと…
    若々しくいたいのは当然なんだろうけど。
    女優という立場上、しょうがないだろうけど。
    と、言いながら、白髪染めをする自分。
    やっぱり若々しく見える方が。
    努力は必要なんだよ、若々しくいるためには。

    『町長選挙』 伊良部が派遣された島で、町長選挙に巻き込まれる。

    伊良部のはちゃめちゃさが失われたような。
    代わりに看護師・マユミちゅんがちょっと個性を出し始めたような。今まではただの無愛想な美人看護師だったのが、パンクバンドでギターを弾いたり、金だらいで殴ったり。

    やっぱり第2弾『空中ブランコ』が最強。

  • やっぱり読まずにいられない伊良部シリーズ3作目。

    過去のシリーズ以上に、ハチャメチャ感がアップしてました。
    第一話の「オーナー」と第二話の「アンパンマン」なんて、完全にあの方々がモチーフになっていて、各話に繋がりもあり最高でした。

  • シリーズ第三弾だったから買った一冊。

    神経科に来る患者の話

    オーナーとアンポンマンは実在する人物に似ている話で、これまでと同じ様に精神の異常が出てきた話だったが、カリスマ稼業と町長選挙はなんとなく今までと違った話に感じた。

    どの話もスラスラ読めて楽しかった。

    でも実際にいる人物に似ている話はなんとなく好きになれない。

    町長選挙はどちらが勝つかちょっと気になった。

    やっぱり神経科の医者は変だ

    変だけど皆この人に寄ってくる。
    癒されるのか?
    気持ちが楽になるのか?

    でも名医ではないと思う。

    3冊続けて読んだが、気楽に読める話でよかった。
    まだ続きがある様なので買ってみようと思った小説でした。

  • 【伊良部シリーズ3】
    相変わらずのぶっ飛び振りを発揮している、伊良部一郎精神科医。でも、幼稚園児のような精神年齢と行動は演技では⁈

    Dr.伊良部を受診する4人の短篇集。巨大組織で新聞社が母体のプロ野球チームの会長、球界のドン。IT長者の若き実業家。美のカリスマ女優。
    この3人はモデルがすぐ浮かんだ…書いて大丈夫なの??

    そして、表題は、離島の町の過激な町長選挙合戦に巻き込まれた、出向して来た公務員。

    今回も、いつの間にか患者を回復させている。遠目でチラ見、成り行きを見守っている私 、というスタンスのシリーズだ(笑)

  • 伊良部先生が転勤だなんて、マユミちゃん出ないの⁉︎と思ったら…しっかり登場したので安心した。

    離島でも伊良部節は健在どころか、ますます絶好調で面白すぎた。都庁職員の宮崎くんが良かった!

    このシリーズ好きなので、続編に期待したい。

  • 伊良部医師の暴走シリーズ三部作の最終編。
    相変わらず、予想をことごとく裏切りながら、患者に自然と気づきのきっかけを示唆し、回復に向かわせる謎の医療の名医 伊良部氏。

    前作とは異なり、本作は実在する著名人をモチーフにしたのだろうなと、苦笑しながら愉しんで読み進めることができる。

    第1章「オーナー」は読売新聞のナベツネさんがモチーフかな。
    確かに、最近は何でも白黒二元論で世の中全体が強迫的になっていて、言葉狩りが激しい。皆がイラつき、何かターゲットを探している。
    「ささいな汚点をあげつらい、実力ある者を引き摺り下ろす。これが愚衆社会だ。黒か白でしか物事を見られない。清濁併せ呑むということがわからない」
    ナベツネさんの気持ちが分かるかも。

    第2章「アンポンマン」はどうみてもホリエモン。
    「正しさ」と「合理性」への偏重。慣習との衝突もあるが、物事を進めるのに潤滑剤がない。

    以前、磯田道史さんがテレビでおっしゃった一言が思い出される。
    「知という刀は情という鞘に納めずに振り回せば他人も自分も傷つける」
    ホリエモンは、合理性一択だからなあ。他人からの理解や協力を得るには、それだけでは進まないということだ。

    第3章は女優 黒木瞳さんと思しき女優が、周囲からの期待に応じなければと、過剰に頑張り、体重管理やアンチエイジングに強迫観念を持つさまは、細やかな描写でなるほどと溜飲が下がった。

    「自分を飾るためならば何でもやる。強烈な自意識と虚栄心」
    誰しも、こうありたい自分から離れられない弱さがあるよなあ。周囲の人々に承認されたいよなあ。

    第4章「町長選挙」はモチーフが分からなかったが、東京の離島に出向する若い職員が、拮抗する二つの勢力の板挟みになりながら、町長選挙に巻き込まれる様がクスっと描かれる。

    自由奔放に生きる伊良部先生が心底羨ましい。やりたいをやりたいと。いやを嫌だと。失うものは意外に少ないのかもしれないな。

    旅先で読むには抜群の三部作だと思います!

  • 奥田作品のコミカルなジャンルも読みたいと思い購読。
    このシリーズ、なかなか売れてますね。

    読後はとくに考えさせられた気にはならなかったが、読み出すと最後まで一気読みできるのは、ポップな精神科医たちが、しっかりキャラとして確立しているからなのかも知れません。
    設定も実在する人物をモチーフにしているので、
    親しみやすやを感じる。

    最近発売された新シリーズが楽しみです☆

  • 「いらっしゃ〜い」また伊良部先生に会いに来てしまいました(笑)

    本作はナベツネさんやホリエモンを彷彿させるストーリーから始まり、体重を気にする女優に離島で行われる町長選までありとあらゆる難問に伊良部先生が挑みます(笑)

    伊良部先生が暴走すればするほど、ぱっと見はまずい状況にまっしぐらなんですが、結局今回もうまく解決しちゃうんですよね〜

    本作でも期待を裏切らない伊良部先生に出会えました。


    説明
    内容紹介
    都下の離れ小島に赴任した精神科医の伊良部は、島を二分して争われる町長選挙に巻き込まれてしまう。あの伊良部が引きこもりに!?
    内容(「BOOK」データベースより)
    町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて…なんと引きこもりに!?泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    奥田/英朗
    1959(昭和34)年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て、作家に。2002年に『邪魔』で第4回大藪春彦賞、04年に『空中ブランコ』で第131回直木賞、07年に『家日和』で第20回柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 伊良部先生シリーズ。

    前回と違って、あの人かな?って人が登場。
    本人を想像しなから読んだら面白かった。

  • 全作2作が物凄いくだらなさが面白く、職場で大盛況(笑)
    また職場の方が買ってきてくださったので、みんなで回し読み(*^-^*)

    この3冊目は、先生の存在感より周りの存在感の方が大きかったなぁ・・・。
    先生の圧倒的ふざけてる感がたまらなく良かったのだが、この作品はそれほどスポットが当たっていないような。。。

    期待値が高すぎたからなのか????

    いやぁ、でも相変わらずぶっ飛んでる感は、ある意味とても清々しく、同じ毎日を退屈に繰り返しているサラリーマンには爽快な一冊になるんじゃないかと(*^-^*)

  • 第一弾「イン ザ プール」、第二弾「空中ブランコ」も馬鹿馬鹿しい話の連続ですが、読み終えると元気になります。
    「空中ブランコ」は直木賞受賞作です。
    第三弾「町長選挙」は実在する人物がモデルになっています。
    今までよりずっと読みやすく一番面白かったです。
    話は馬鹿馬鹿しいものですが、読み終えると妙に頭に残ってしまいます。
    ちょっと疲れたときに読むと元気になります。
    面白い本なので おすすめです。

  • 伊良部先生、草。

  • シリーズ第三弾。

    無邪気に暴れ回る伊良部が見られるかと思いきや…
    伊良部よりも、患者や周りが暴走気味。
    前作までの良い感じのドタバタは、それなりに楽しめるけど、消化不良感が拭えない。

    前作までとはテイストも違う。
    今作は表題作以外の3作には、明らかに著名人のモデルがいる、と思われる。
    ニックネームとか家族構成とか経歴とか、何より名前からしてモデルに寄せている。
    だからどうしても読んでいると、単純に物語を楽しむだけに留まれず、余計なことが頭をよぎる。

    ラストの表題作は登場人物たち全員が全員大暴れ。
    そのせいか、いつも大目立ちで、圧倒的な存在感の伊良部が、少し薄まった印象。
    前作の伊良部が大好きだったからこそ、もっと伊良部パワーが欲しいと思ってしまう。

    今作の圧倒的救いは看護婦のマユミちゃん!
    前作も伊良部と一緒になって好き勝手やってたけど、今作が一番派手で惚れ惚れする。
    金ダライが似合う看護婦なんて、きっと全国探したってマユミちゃんしかいないはず。

    今作で一番好きだったシーンは、やっぱりマユミちゃんの金ダライが火を吹いたとき。
    好きな台詞は伊良部の「物事、死人が出なきゃ成功なのだ」。

  • 面白いから。くだらなさが。

  • 先生に対しては、みんな心を許して素直になれるんだなぁ…
    精神科医にとっては、一番必要なことなんじゃない?

    私も、はちゃめちゃしてみたい!
    ただし、人に迷惑ない範囲で…
    そこが一番難しいんだけどね

  • 伊良部シリーズ第三弾。間違いなく面白かった。

  • 『コメンテーター』のための再読。

    シリーズの中では一番辛口かな、と思った記憶が。
    ナベツネやらホリエモンやら、こんなことあったよな、と思えるお話たち。

    余韻のよい伊良部シリーズの中でも一番気持ちよく最後が締められる「オーナー」がおススメ。

  • 前作からだいぶ開いての、久々の伊良部先生。幼稚園児と本気で張り合うシーンが面白かったです。私としては伊良部先生の登場シーンがもう少し多くても良いな、と思いました。少しと言わず、倍くらいでも。すっかり伊良部ファン。でも三部作の三作目。また会えるといいなぁ。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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