旗師・冬狐堂 瑠璃の契り (文春文庫 き 21-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717582

感想・レビュー・書評

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  • 冬狐堂の連作集

  • シリーズ2作目の短編集。陶子に目の病気が。目利きの命である「目」を患った旗師、周りの反応と本人の苦悩。中心となる品物を通して、人間のさまざまな面が浮かび上がる。光のあてかた、視点の据え方、それによって変化する対象。面白い。

  • ミステリーとして十分面白いし、それぞれの話に登場する骨董も魅力的。タイトルの切り子椀など、実際に見れるものなら見たい。

    ただ、「狐罠」のグイグイと引っ張っていく力が強かったせいか、ちょっと物足りなかった。

  • 追悼気分で読んだ。

  • 全作に比べて登場人物の過去に絡むトラブルが多く、少し泥臭さがあったが、その身近さがまた面白さの要因かもしれない。

  • 旗師・冬狐堂シリーズ短編第二弾。

    前作「緋友禅」より登場人物たちの過去につながる話も多くなっており、冬狐こと陶子の格好いい姿を見れる最後の作品です。

    「倣雛心中」・「苦い狐」・「瑠璃の契り」・「黒髪のクピド」の四篇で構成されており、「瑠璃の契り」ではカメラマンの横尾硝子を初め、雅蘭堂の越名集治、博多の根岸キュータ、三軒茶屋のビア・バー「香菜里屋」などが登場し、「黒髪のクピド」では、かつての恩師であり、陶子の夫でもあったプロフェッサーDも登場する、北森ファンには堪えられない作品となっている。

  • そうか旗師っていうのは、古書でいうところのセドリなんやね。
    さりげない文章だけど、描写がうまいんだろなあ、美術品が目に浮かぶよう。それだけに、瑠璃椀なんかは綺麗だけど、最初と最後の話に出てくる人形が、めちゃくちゃ怖い…
    陶子さんみたいな女性をどう思うか? そんなつっぱらかってるとしんどいでしょ― と思う。たぶんけっこう辛気臭い女。かっこいいとは思わない。でもその人生に対する要領の悪さみたいなものが、なんとも言えずちくちく心をさわってくる。

  • 宇佐見陶子シリーズ第四弾
    ・倣雛心中
    ・苦い狐
    ・瑠璃の契り
    ・黒髪のクピド

  •  美貌の旗師、冬狐堂シリーズ。
     *倣雛心中(ならいびなしんじゅう)
     *苦い狐
     *瑠璃の契り
     *黒髪のクピト

     いきなり、飛蚊症になってしまった陶子。
     も、あんまり陶子にハードな運命を課すのはやめてくだいよ、って思ってしまうのだ。
     うん、なんだかんだと冬狐堂シリーズ、ってハードボイルドです。
     
     と、陶子の元夫、プロフェサーDのことを、小出しにするのはねぇ。
     まぁ、プロフェッサーDが姿をあらわすのは、シリーズのクライマックスというか終焉って気もしますが、出ないなら出ないで、ちょっとその辺のバランスが微妙かな。

     とはいえ、きっちり仕事をしてるというか、きっちり面白いです。
     
     うん、北森鴻は、これぐらい面白くないと嫌だな、っていう段階をきっちり超えて常に提示してくれるところが、職人技です。

  • 冬狐堂 シリーズです。
    表題作の「瑠璃の契り」ほか3編の短編が紹介されています。
    どれもミステリというよりもヒューマンドラマといった感じで少し切ない感じがあります。
    読んだ後に少し心に残るものがあると思います。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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