- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717582
感想・レビュー・書評
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冬狐堂の連作集
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ミステリーとして十分面白いし、それぞれの話に登場する骨董も魅力的。タイトルの切り子椀など、実際に見れるものなら見たい。
ただ、「狐罠」のグイグイと引っ張っていく力が強かったせいか、ちょっと物足りなかった。 -
追悼気分で読んだ。
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全作に比べて登場人物の過去に絡むトラブルが多く、少し泥臭さがあったが、その身近さがまた面白さの要因かもしれない。
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旗師・冬狐堂シリーズ短編第二弾。
前作「緋友禅」より登場人物たちの過去につながる話も多くなっており、冬狐こと陶子の格好いい姿を見れる最後の作品です。
「倣雛心中」・「苦い狐」・「瑠璃の契り」・「黒髪のクピド」の四篇で構成されており、「瑠璃の契り」ではカメラマンの横尾硝子を初め、雅蘭堂の越名集治、博多の根岸キュータ、三軒茶屋のビア・バー「香菜里屋」などが登場し、「黒髪のクピド」では、かつての恩師であり、陶子の夫でもあったプロフェッサーDも登場する、北森ファンには堪えられない作品となっている。 -
そうか旗師っていうのは、古書でいうところのセドリなんやね。
さりげない文章だけど、描写がうまいんだろなあ、美術品が目に浮かぶよう。それだけに、瑠璃椀なんかは綺麗だけど、最初と最後の話に出てくる人形が、めちゃくちゃ怖い…
陶子さんみたいな女性をどう思うか? そんなつっぱらかってるとしんどいでしょ― と思う。たぶんけっこう辛気臭い女。かっこいいとは思わない。でもその人生に対する要領の悪さみたいなものが、なんとも言えずちくちく心をさわってくる。 -
宇佐見陶子シリーズ第四弾
・倣雛心中
・苦い狐
・瑠璃の契り
・黒髪のクピド -
美貌の旗師、冬狐堂シリーズ。
*倣雛心中(ならいびなしんじゅう)
*苦い狐
*瑠璃の契り
*黒髪のクピト
いきなり、飛蚊症になってしまった陶子。
も、あんまり陶子にハードな運命を課すのはやめてくだいよ、って思ってしまうのだ。
うん、なんだかんだと冬狐堂シリーズ、ってハードボイルドです。
と、陶子の元夫、プロフェサーDのことを、小出しにするのはねぇ。
まぁ、プロフェッサーDが姿をあらわすのは、シリーズのクライマックスというか終焉って気もしますが、出ないなら出ないで、ちょっとその辺のバランスが微妙かな。
とはいえ、きっちり仕事をしてるというか、きっちり面白いです。
うん、北森鴻は、これぐらい面白くないと嫌だな、っていう段階をきっちり超えて常に提示してくれるところが、職人技です。 -
冬狐堂 シリーズです。
表題作の「瑠璃の契り」ほか3編の短編が紹介されています。
どれもミステリというよりもヒューマンドラマといった感じで少し切ない感じがあります。
読んだ後に少し心に残るものがあると思います。