誤読日記 (文春文庫 さ 36-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773052

感想・レビュー・書評

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  • うっかりマジョリティに流されないために。違った見方が出来る力を身につけたいなら。(粗探しと言われればそれまでだけども)

  • おもしろい。
    どんな本でも、「こんな視点でよむのか」と感心させられる。
    けれど、残念ながら連載時の意図も反映されているため、まとめて読むと飽きる。
    息抜きに数頁ずつ読むのがいいかも。

    また連載時の出版文化史として読むとまたおもしろい。はたしてこれらの本のうち、いまでも新刊で入手できるのはどれぐらいあるのだろうか……。

  •  集中してこの著者の本を読んでいた。書評集。
     他の本とネタかぶりがあったせいもあり短文をまとめて読んでいると「飽き」がきた。こういうコラムのまとめはちびちび読むものだと実感する。毒も慣れてくるとちょっと飽いてくるのだなと読み方に反省する。

  • チェイサーとして読むのに最適な本。

  • 頑張って、頑張って読んでいたんだけど・・・どうも私には合わないらしく途中で読まなくなりました。
    ハッキリ言って珍しい事です。
    多分、興味の無い本の事などは、読んでいてもダメなんでしょうね。だから仕事とはいえ作者の頭の中に感心です。

  •  全作「趣味は読書」は楽しめたんだけどこちらはなぁ……1作に対して1~2ページ記述して続いて次作品という流れで、あわただしいうえに掘り下げが少ないので、「愚痴ってるだけ?」という気がする。
     どんなに愚痴ろうが、その本は売れているわけで……そこに何を求めているのかを見ようとしていた前作の姿勢を失ってしまったような。
     軽く読む分には面白いのかもしれないけど、でもこれ読んでも読みたい本が無いし(愚痴メインなので)……あんまり発展性が無いと思われる。

     なんとなく残念。

  • タイトルの意味がわからず、なんだろう?と思って手に取った本。奇抜な色合いの表紙も気になりました。
    斎藤美奈子氏の著作はこれが初めて。かなり痺れる毒のこもった百七十五冊の書評集でした。
    なぜ売れているのかわからない人気本を無節操に集め「本のワイドショー」として語る目的だそうです。
    誤読というのは、著者いわく「クレームをつけられそうになったとき、ごまかすため」だそうです。

    最初の「タレント本」コーナーは、採り上げられる本のどれもが彼女の舌鋒でブスブスと穴が開けられており、タレントたちが哀れになるのと同時に、そんなひどい本を山のように読んだ著者にも同情しました。

    「有名人本」コーナーも、それに劣らず微妙なクオリティのものばかりのようですが、ほかにもベストセラーや話題の書など、とにかく巷で噂になっているものを中心に取り上げられているので、自分が読んだことがなくても、知っているタイトルのものがずらりと並んでいました。

    毒がこもった痛烈な書評ですが、そこには愛があるので、後味の悪さは残りません。
    時には全く毒のない、甘い書評もあります。
    むしろ、名前だけで本を出しているようなジャンク的なものをバッサリ斬っているため、自分のモヤモヤを代弁してくれたようで小気味よく、スッとしたりします。
    内容や構成への批判は容赦ありませんが、紹介した本のどれもが商業的に売れている本という意味で、敬意は払っています。
    常に冷静さは忘れていないため、感極まって文章が暴走することもなく、圧倒されながらも無事に読み終えることができました。
    そして最後に、自分のこの本についても書評を書いているところに、彼女なりの仁義を感じました。

    彼女の使う「ア本」という言葉が、ツボにはまりました。
    吉田豪氏の解説も、本文に劣らぬパンチが効いたものでした。

    (こんな読み方をするとはすごいなあ)と思いますが、惜しむらくは、普通の書評集と違って、紹介された本のどれも、あえて読む気にはならないというところでしょうか(笑)。

  •  斎藤美奈子の本関係のエッセイのすごいところは、文庫で出た段階で新しい情報をしっかりいれてくるところだ。
     しかもただ情報をいれるだけじゃなくて、それに対する見解もきちっと表明してくれている。
     なんという潔さ。

     ってことで、斎藤美奈子がいわゆるベストセラーを読み、ぶったぎるエッセイです。
     そうそう、ここをつっこんでほしかったの、といういわば痒いところをしっかり掻いてくれるそんな感じ。
     でもって、どの力にも屈さない、自己を貫く清さが、魅力。
     ま、こういう書き方すると、斎藤氏はきっぱりとそんなんじゃないと否定されるように感じますがね。

     でも、読んでて感じるのは、斎藤氏の純粋で曇りのない視線なのだ。
     いろんなことを面白がってはいるけど、どれに対しても上から目線になることなく、「踊る阿呆にみる阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃそんそん」なノリで踊ってくれちゃってる感じ。

     いやあ、やっぱスケールがでかい方です。

  • にぎやかで痛烈な読書日記。
    異様に面白い。

  • 美奈子さんの書評はいつも朝日新聞で読んでいて、
    切れ味鋭い刀でスパスパ切っていく論調に
    「そこまで言うか〜!」と思いつつも、
    小気味良さを感じています。

    本書もまさに(笑)

    いわゆるミーハー本(タレント本や軽めのベストセラー本、携帯小説、とか、政治本など)、ふだん書店で見かけても買うことがないような、でも話題の本の数々を、美奈子さんはせっせと読んで、見事なまでに分別してくれました。

    「分別」というのはアレですが、まあ、資源ゴミと燃えないゴミ、燃えるゴミ・・・に分けてくれたというか。

    ほんと、コワイものなしに遠慮なく批評しています。
    この人が言うと、毒も嫌みが感じられないんですよね〜
    そこが好きです。

    そして数は少なかったけれど、いくつかの作品には好意的。
    なんだかちょっとホッとしました。

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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