銀漢の賦 (文春文庫 は 36-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167781019

感想・レビュー・書評

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  • 表題の「銀漢」という単語を知らず、それってなに?と思いながら読み始めたけれど、意味を知ると室生さんの粋なネーミングに感服! 厳しい身分の垣根がある江戸時代にありながら、幼き時の友との結びつきを根底に、各々が藩や民のためにと命をも賭して信念を突き通す様に心の琴線を激しく揺さぶられた。もちろん、この本も再読本に入れる。(o^^o)v

  • 「作家読みしたい」と思う出会いとなった。予定調和でない、実際に生きている人々の人生をそのまま見ているかのような物語の展開に、引き込まれた。

  • 銀漢は天の川のこと
    あの日、一緒に天の川を見上げた三人の少年達
    やがて彼らは別々の道を歩むことになる

    暮雲収盡溢清寒
    銀漢無聲轉玉盤
    此生此夜不長好
    明月明年何處看

    此の生、此の夜、長くは好からず
    明月、明年、何の処にて看ん
    という詩句が心にしみた。
        (本文より)

  • 山本周五郎の「土佐の国柱」という小説がものすごく心に残っているのです。名誉のために命をかけるのではなく、忠を成すためには自分がいかに不名誉なことになっても構わないという話。この本もそういう話かなと思って読んでいました。少し違いましたが、この男になら託すことができる、自分の命や大切なものを捨ててもいいという思い。そして、それを相手に知ってもらう必要すらないという。後で気づいたのですが、松本清張小説受賞作。納得の名作でしたが、最後の方は少しポップな感じになって、エンディングもクスッと明るい気持ちになりました。

  • 大満足。とても良い話だった。心が洗われるというのは、こういう読書体験を言うのだろう。子供の頃からの親友が成長する過程で、それぞれの苦難に遭い、絶交状態になるが、最後は友情の力で乗り切ると言うサクセスストーリー。こんなに読後に満足感を覚えるのは久しぶり。時代小説を避けている人にも超オススメ。

  • 松本清張賞受賞(第14回/2007年)

  • 3人の友が自分の路を歩きだし、離れ交差し再び重なる。それぞれの役目に命をかける。銀漢の星となる。

  • 葉室麟の作品の中でも人気が高い、その理由は松本清張賞受賞作品という権威もありそうですが、漢詩や和歌を織り交ぜた作者の教養と新しいものに挑戦する創作意欲も無視できません。涙腺崩壊危険度は「蜩ノ記」に軍配が上がります。

  • すっきりと読み終えることができた。
    いつの時代も友情って素敵だなーと。

  • 上町63マスター推薦本 松本清張賞受賞
    付箋
    ・千鶴は池坊の生け花の心得がある女性
    ・花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか
    ・天の川のことを銀漢という
    ・月ヶ瀬湾の入り江から細長くのびた岬
    ・姉上をわが妻にしたいと思ったが、それは許されなかった。お前を生かすために死ぬことが、姉上のためにわたしにできる、せめてものことだ。
    ・生きたことの意味は死ぬ時にわかればいいのだ
    ・人は一人で生きているのではない、誰かとともに生きているのだ
    ・まことの友情は、恋愛感情とよく似ている
    「君と我いかなることを契りけむ昔の世こそ知らまほしけれ」

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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