銀漢の賦 (文春文庫 は 36-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167781019

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  • 寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監。幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態となっていた。二人の路が再び交差する時、運命が激しく動き出す。

  • 『(銀漢とは天の川のことなのだろうが、頭に霜を置き、年齢を重ねた漢(おとこ)も銀漢かもしれんな)』
    題名からなんとなく連想していた台詞が話の途中にあった。
    なるほど、そういうことか。

    身分の違いに拘らず互いを友と呼び合っていた彼ら。
    この時代だからこその様々な苦難の中、その純粋さに胸を打たれた。


    冒頭より抜粋。
    月ヶ瀬藩 領外に抜ける風越峠
    北が海に面し 雲居川 新江川 轟川 屏風山 観音岳

    まず舞台が気になったので調べました。
    北九州辺りの設定ではないかとどこぞで読みましたが、でもこれら全部いろんな他府県の実在の地名、川や山でしたよ。
    しかし実際にやったとして北九州近辺から峠(どこ?)を越えて江戸までというのはとんでもない旅だと思う。そういう時代かもしれないけど、徒歩でしょ?


    「風の峠~銀漢の賦~」きょうまで全6回のドラマ。
    なんとなく並行して観ながら読んでみたけど、自分ではやっぱりひとつずつ一気に観たり読んだりしたほうがいいかも。

    細かな描写を読んだあとはドラマの表現が気になった。
    九鬼夕斎割腹の場面はもう少し詳しい場面が欲しい。私が読み取れなかっただけかもしれないけど、あれじゃ全くの悪役みたいで。
    将監の妻みつ様の姉、志乃様が出てないんですが。若き日の二人のマドンナなのに、ドラマではまったくいないことに。かなり重要な役だと思ってたのに。そして蕗さんなにげに大活躍。若いし、ヒロインこっちに絞ったんだな。

    でも読みながら、源五の中村雅俊さんや将監の柴田恭兵さんが想像できたり、十蔵(少年期の雰囲気からは想像つかなかった)の高橋和也さんも素敵だったり。それはそれで良かったですよ。

  • どんなにみすぼらしくても、自分の命に指図されたくない。

  • その時代に主人公とその友との交わりを通して、それぞれの清廉なる生き方が描かれていて、読後感がすがすがしい。

  • 武士道精神恐るべし!

  • NHKでドラマ化と云うので読んでみたが、面白かった。なかなかええ話やった。ただちょっと本筋に関係ない部分での説明が鬱陶しいところもあったけどね。
    ドラマの方も初回見てみたが、私はやはり原作を見てから映像で見るのが好き。なるほどなるほどと感心しながら中村雅俊と柴田恭平を見てました ^_^

  • 時代小説は初めてかも。歴史小説は結構読んでるけど。
    NHKでドラマ化という帯を見て買ってみた。
    源五と将監と十蔵の3人の友情の物語かな。時代がいったり来たりするけど、とても読みやすかった。ドラマ化されるのもうなずける内容。

  • 中年の男の友情を描く。人の美しさとは覚悟と心映え。

  • 架空の小藩が舞台だが、人物も自然物も細やかに描写されていて、史実より史実らしいくらいだった。
    時系列ではなく、源五や将監による回想の形で青年期や過去を描きながら、藩の一大政争の顛末が語られている。
    かといって、話が飛び飛びになることなく、まさに自分自身が源五や他の人物となって昔を懐かしんでいるようでさえあった。
    こんな友情を築けたら、どんなに幸せだろう。

  • 文章が難しいんだよね。でも幼いころの絆っていつまでも大事にしたいし、それが人生の終わりに実るって感動ものです。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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