コラプティオ (文春文庫 ま 33-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (579ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900021

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  • 希望の国のエクソダスだったか、それを思い出した。
    自分と世界の関わり方、何者かを考えさせられる。
    感情移入先が難しく、いずれも間違えない人間などいないことを痛感させられる


    言葉を自在に操る者こそ強者だ
    誰かに評価されたくて仕事をしてるわけじゃない。

  • 震災後に救世主のように現れた宮藤首相は、原発の技術力で日本を復活させようとするが、ある事件を切欠に正義の置き場所を誤り、泥沼に嵌っていく。気鋭の腹心白石は彼に心服しつつも、次第に胸に沸く疑惑に目を背ける事が難しくなって行った。

    力作です。震災と原発がテーマになっていますか、どちらかというと政治と金の方がメインです。かなり手強い本でした。

  • 性格も立場も異なるふたりの青年が政治の世界をどのように渡り歩き、どのようにこの国を憂うのか。

    ひとりは総理補佐官の理想主義者の白石
    もうひとりは新聞記者の野心家の神林

    登り口や登頂ルートは違うのだけれど、同じ結論に至るのはおもしろかったです。
    宮藤を軸にして田坂が白石を育て、東條が神林を育てた対立軸もおもしろかったです。

    手段としての権力は、結果が手段を肯定しますが、
    目的としての権力は、腐敗が進み権力はやがて暴力へとエスカレートしていきます。

    また、理想とするリーダー像というのは存在しなく、その組織(社会)の成熟度や状況によって、理想のリーダー増というのが変容していくというのを提示しているのもおもしろかったです。


    学生の頃に読んだ職業としての政治、君主論を再読したくなりました。今読んだらあの頃とは捉え方が変わっているとは思います。
    (もうそんな気力もありませんが)

  • 震災後の日本を復興に導くカリスマ総理・宮藤。若き指導者に国民からの支持が集まるが、新聞の特ダネ記事が官邸の暗部を暴き出し…。

  • 闇のない理想的なリーダー、国民的英雄のような総理を心の底から信頼し官邸入りする白石。
    読者の私も気づかないうちにジャーナリストとしてストーリーを通じ成長していく神林の描き方が秀逸。登場人物の中では総理秘書官の田坂が一番印象的だった。彼が一番熱い男なのかなと感じた。

  • 今現在に繋がっている小説で大変面白く読めました。この時代からプーチンは独裁者の部類になっていたんですね。確かに主人公とプーチンが重なって見えます。あの頃ロシアは良い状態とは言えず それをまともな状態に戻して来ました。そして今この有り様です。この小説は汚職腐敗ですが、見た目は高潔な人間ですが、立場が人を変えていく物語で将来日本にも起こる事だとおもいました。

  • 震災後に日本に現れたカリスマ総理・宮藤隼人は、〝禁断の原発政策〟に日本復興を託すが、その矢先、一人の日本人がアフリカで殺される。事件の背景に広がる政権の闇を追いかける新聞記者と、宮藤を支える若き側近は、暗闘の末、最後に何を見るのか。謀略渦巻く政治の世界を白熱の筆致で描く真山文学の真骨頂! 解説・永江朗
    (2011年)
    — 目次 —
    序章ーー二〇〇一年春
    第一章 洗礼
    第二章 野心
    第三章 私には、希望がある
    第四章 憎しみと軽蔑
    第五章 私たちはアフリカの杖になりたい
    第六章 おまえは何者なのだ
    第七章 そこに正義はあるのか
    解説/永江朗

  • 購入済み→積読
    2024.03.30.読まないのでBOOKOFFへ

  • 2020年12月7日読了。

    久々の真山仁、外さない安定感。

    総理大臣 宮藤隼人は震災後に与党から離れ、衆議院選挙で第1党になり、総裁の座に就き総理大臣になる。

    このプロセスはあまりストーリーに関係ない。
    カリスマ性を持った宮藤の周りに、議員時代に宮藤の演説を聞いて政治学者をめざした白石とその同級生で新聞記者になった神林。

    国民の圧倒的な支持を得ている宮藤総理が震災後の復興プランでぶち上げた「原発の輸出」とそれに必要になる原料であるウランの調達を巡り、アフリカの小国を絡んだ疑惑につながっていく。

    真山仁、いい小説家だね。面白いよ、これも550ページを超える長編だが、中だるみせず、読み進められるのは腕がいいんだね。

  • 約570ページもある大作のため読み疲れもあるが、政治とは何か?正義とは何か?と色々と考えさせられる。日本のODAなど自身の勉強不足についても学んで行きたいと思った。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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