この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇 (文春文庫 い 81-3)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903169

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  • 東京工業大学生を相手に、ジャーナリスト池上彰が現在の世界で起こっている社会問題について講義した内容をまとめたもの。

    池上氏が学生たちに強調するのは、物事をいろいろな視点から見なさいということ。例えば、イギリスが中央にある世界地図をながめて、「中東」という言葉の意味を知る。また、中国の世界地図で、北方領土はどこの国の色に塗られているのか。韓国の世界地図で北朝鮮はどうなっているのか。世界地図をきっかけに、領土問題をわかりやすく解説してしまう。

    他にも生命保険はもらわなくても損だと思わないのに、年金はもらわなければ損だと思うのはなぜか。韓国のサムスンへ移籍後、帰国した日本の技術者へ、日本企業はどう接すべきか。などなど、大学教授になってもわかりやすい解説を心がける著者の精神は変わらない。

    日本の将来を背負う学生へ、マスコミや世間の発言をうのみにするのではなく、知識や常識を備えて、自分の視点を持ってほしいという思いが込められた講義。

  • 分かりやすかったが、それだけ。

  • わかりやすかった。

  • 有機EL開発の日本人技術者が、所属する日本企業での遅々として進まぬ製品化に嫌気が指しサムソンに移籍するが、製品化を機に結局サムソンを辞めるというケーススタディを収録。日本の国力を上げるために、日本に留まるという発想は、これからはもっともっと少なくなっていくのだろう。自己実現をするために、日本の垣根を越えて、勝負できるだけのコミュニケーション力、技術力が求められる。海外で実績をあげ、日本に里帰りできればそれはそれで良し。「ムラ」意識だけでは何もなし遂げられない。

  • 東工大での講義をまとめただけあり、理系の学生に分かりやすく、関心の持てるテーマを選んでいる。

  • 理系の東工大の学生向けの、一般教養を教える講義を再現したもの。内容が少し古くなったところもありますが、あとがきに後日談がまとめてあるので、却ってその当時、世界が直面していた問題と、その後の動きがわかってよいと思います。

  • 東工大の講義をまとめたもの。
    ニュースのおさらいに。

  • 世界のこと、国の関係性、歴史のこと、池上さんの視点はいつも分かりやすい。

    一番身近で興味深かったのは、なぜ一時間番組は実際には56分で次の番組の間に3分番組を挟むのか。

    CMのナゾが解き明かされる・・・。

  • 講義記録本の良さは、単純に、講義に出ずともその内容を体感できる事にある。もちろん限界はあるが、講演者の発するメッセージや新たな知識は、読書によっても得られる。まさに、この本のテーマともなるリベラルアーツをお茶の間で獲得できるのだ。

    本著の中身とは少しずれるが、読んでいて、「目的のための教養とは何か。教養を得る目的とは何か。」を考えさせられた。考えさせられる事自体が、読書をする意味。いやしかし、講義では、更に多くの事を考えさせられただろう。周りの人の考え、存在、講演者の声量、感情。それは、仕方がない。

    さて、教養を得る目的だが、ある人(中島らも)は暇つぶしだという。私はその意見に賛成だが、本著はまた異なる意見だ。専門を仕事にする際、陥りがちな偏った判断。教養を身につける事で、これを正しい方向に修正する。例えば、理系知識に偏らず、社会学を学ぶ。

    判断には、合理性、あるいは、私利私欲などの感情論が用いられる。合理性のある判断が正論、私利私欲が感情論である。しかし、合理性の判断基準は、当人の持ち得る知識量に制約される。より高次な合理的判断をするためには、より広く深い知識が必要だ。目的のための教養、教養を得る目的とは、そんな所にあるのではないだろうか。

  • 厳しい授業という評判もありますが、学生時代であれば絶対に履修してみたかった。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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