- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167903602
感想・レビュー・書評
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絃に対しての奈世の気持ちがすごい。
重いと思うが、自分もはたから見たらそうなのかもと怖くなるわ。
自然に、とてもスムーズに、という奈世の父の言葉に考えさせられる。
この二人がこの後どうなったのだろうか…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「しょうがの味は熱い」、「自然に、とてもスムーズに」の連作2編の話。後半の「自然に、とてもスムーズに」の方が面白く感じた。奈世視点と絃視点の話が交互に語られる。結婚に煮詰まった女と、煮え切らない男。駆け引き面白かった。
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途方に暮れた。
恋とか愛とか結婚とか、わたしには一生理解できないかもしれない。
眠りの解釈が好きだったかも。
明日へのパワーを蓄えるために眠ることと。
今日を終わらせるために眠らせること。
わたしは後者かな。 -
同棲と結婚の話。恋愛小説なのだけど甘くもないし酸っぱくもないし苦くもない。
綿矢りさの心情の書き方すき。 -
しょうがの味は、あつい
自然に、とてもスムーズに
の2作収録している。
解説にもあったようにこの2作が書かれた間に2年ほど間があいている。この空白が二つの作品を緩く結びつけているような印象を持った。
メーカー会社務めの弦と同棲している奈世の話。
弦と奈世の愛し合っている感覚とずれている感覚と、それが絶妙に描かれている。
綿矢りさ特有のあのなんとも言えない比喩表現が心地よい。
盲目的すぎる奈世の考えにも共感できるようで恐ろしい。
弦の感覚もまた少し違う気がする。
ずっと違和感の抜けないカップルだった。 -
同棲関係にある若い男女の気持ちのすれ違い。煮え切らない男と煮詰まった女の迷える日々を描く二編。
結婚の準備段階が同棲と考える女。結婚しないから同棲すると考える男。気持ちがすれ違って当たり前だし、そもそも何故この二人が付き合うことになったのかも不思議だ。ドロドロ感がないせいか、感情移入することなくあっさりと他人事のように読み終わる。 -
真っ直ぐ過ぎてピンと張り詰めてしまうくらいの女の子の愛情と、丸みとぬくもりを帯びたような表現が読んでて心地よくて
でもひやっともして、そんなにぐんぐん突き進んでしまわないでなんて思ったり。
力強い綿矢さんの言葉。
ちっとも重ならない二人の夜の思考。
自分の領域をどれだけ相手に明け渡せるだろう。
うまくいきそうだから結婚する、ではない真っ直ぐな挑戦。
挑戦だ。全てを覆せ。愛情を賭け金にして。 -
30前くらいの女の人に共感されるのでは。男と女立場で思っていることが全然違い、すれ違うというのが、前半は痛々しく、後半は少し余裕をもってほのぼのと表現している。
前半の「しょうがの味は熱い」の方がソリッドで好き。
後半は、作者の余裕のようなものも感じる。 -
数年間付き合った、大好きだった彼と、別れるときまって、ふらふらしている時に、偶然手に取ったのが本書でした。
小さい鰹節を勢いよく削っていた、あの頃の私の不甲斐なさを感じ、彼に好きだけじゃだめだと言われたことに、納得できました。
つらい失恋から立ち直るきっかけになったと思います。