粘膜黙示録 (文春文庫 あ 71-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905552

作品紹介・あらすじ

異色作家の逆恨み&自己正当化エッセイ漫画家を目指し大学を中退するも、あっと言う間に挫折。過酷すぎる派遣工時代を経てホラー作家になるまでの十年間を、逆恨みマインド全開でつづった爆笑エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 粘膜シリーズを知らずにこれを手に取った私を誇りに思います、エッセイ面白すぎるのにそこからの飴村さんの作品のエログロな唯一無二の感じがとても好き

  • 「粘膜」シリーズ(*)で有名なホラー作家のエッセイ集。

    (*)現在下記の5作が出版されている。
    「粘膜探偵 (角川ホラー文庫)」(2018/05/25)
    「粘膜戦士 (角川ホラー文庫)」(2012/02/25)
    「粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)」(2010/05/22)
    「粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)」(2009/08/25)
    「粘膜人間 (角川ホラー文庫)」(2008/10/25)

  • ごめんなさい。ほんの出来心だったんです。ホラー作家としての
    著者の「粘膜シリーズ」は読んだことがないし、そもそもホラー
    作家とも知らずに読んでしまったのよ。

    だって、知人からの頂き物だったのだもの。「そんなの良い訳じゃん」
    と言われればその通りなんだから、他に申し開きは出来ないの。

    大学を中退し、漫画家を目指したがあえなく挫折し、派遣工員として
    過ごした日々のエッセイなのだが、帯にある「自分の体験したことが
    異常である、と自覚したのは作家になってちょうど一年が経過した
    頃だった」に騙された。

    確かに働いていた工場の人たちは癖のありそうな人たちだけれど、
    「異常」というほどではない。一歩引いて人間観察をしている
    著者の視線は冷静なのだけどね。

    現代版『蟹工船』などと謳っているが、鎌田慧の『自動車絶望工場』
    の頃から『蟹工船』はそこらじゅうにゴロゴロある話だと思うんだ。

    著者が働いていた工場だけが特別に異常だったわけじゃないと思う
    んだよね。だから、読了してしまうと「ふ~ん、だから?」って
    感じ。

    尚、著者が体験した出来事や起こった事件を「これが世に言う〇〇
    事件である」との記述を読んでいると、その昔、深夜に放送されて
    いた「カノッサの屈辱」というテレビ番組を思い出した。

    なので、読んでいる途中から意識は「カノッサの屈辱、もう一度
    見たいっ!」の欲求が強烈に込み上げて来て、本書の内容はどう
    でもよくなっていた。

    本当にごめんなさい。楽しめませんでした。

  • 著者の作品は一つも読んだことがございませんが(!)、このエッセイは面白かったですねぇ…! 僕も著者と似たような立場に居るため、←つまりは底辺労働者ということですが…共感できました。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    今でもこのような酷い・過酷な職場ってあるのかな? とか思うんですけれども、どうなんでしょう? 派遣労働で言えばアレですよね、グッドウィル?だかなんだか忘れましたけれども、確かそのような会社が法的に違法だと判断されたと思うんですけれども、そのような判断がされる前、つまりは著者が派遣労働に従事していた頃っつーのはやはり、派遣会社に言いように働かされていたんでしょうね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    もちろん、今現在もそのような、キツイ立場に置いて働かれている方は多くいらっしゃると存じます…。

    工場っていう環境がダメなんでしょうかね? 工場で働いたことがないので分かりませんけれども、なんだか閉鎖された世界というか…そんなイメージですねぇ…。

    で、その閉鎖された環境の中でヤンキー上がりみたいのがえばったりしていたら最悪ですよね! そうした最悪な環境を見事生き抜いて作家デビューしたのは著者なわけですが…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    きつい環境の中でもユーモアを忘れない著者の筆致に思わず笑いがこみ上げることも…!

    底辺労働者必読のエッセイです(!) さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 本当面白い!飴村さんはエッセイ向きなのでは。もちろん長編も面白いけど。現代版「蟹工船」ってあるけど、本当その通りだし、なかなか現状を発表できる人がいない今、もっと表に出てほしいなあと思う。

  • 2016/9/10 アミーゴ書店Blumer神戸店にて購入。
    2018/4/23〜4/25

    粘膜シリーズでお馴染みの飴村行さんのエッセイ。シリーズを愛読しているが、不思議とこれまで飴村さんの生い立ちのようなものを全く知らずにいた。作家になるまで中々ハードな生活をしておられたんだ。もうすぐシリーズ新刊も出るので楽しみにしていよう。

  • 大いに笑いました。
    声が出るほどで、面白かったです。

    嘘をつく、ずるい、逃走する、拝借する、それらを正当化する、おっさんたちを見下す。
    でもなんだか憎めないのは、適度に抜けてていろんなことに巻き込まれ、その分ちょっと怖い目に遭ってるからかな(笑)
    うまく立ち回れない分、職場の人には愛されてたような。

    笑っちゃいけない時に笑いが込み上げるのすっごいわかるわー(笑)

  • 期待したほど面白くなかった~!!!
    でも、あとがきを先に読んじゃったのが敗因かもw

    いろいろと過酷でシュールな体験をしているけど、作風自体は高校生の時から出来上がっていたようなので、それとは関係ないらしいw
    それにしてもなー・・・同じ年代で、そう遠くもない場所に住んでいた人がこんな体験をしているとは驚きである。
    確かに、現代版「蟹工船」と言ってもいいかもーww

    とか書いてるうちに、もういっぺん読み返したら面白いかも・・・という気分になってきた。
    そうだ、きっといろんな注釈があったから気が散ったのかもしれない。うーん、なんか面白かった気がしてきたぞ。
    もいちど読んじゃおっかな~~www

  • 『粘膜人間』で華々しいデビューを遂げたホラー作家、飴村行。しかしそこに至るまでは、聞くものみなをドン引きさせるほどの苦難があった。漫画家を目指し決死の覚悟で歯科大学を中退するも、あっという間に挫折。逆恨み精神満載でつづる現代版『蟹工船』。

    あれだけ異形の小説を生み出すのだから、いったいどんな下積み時代を送ってきたのか興味深かった。‘逆恨み精神満載でつづる現代版『蟹工船』’という謳い文句には激しく同意するけれど、それなら芥川賞作家西村某だって同じはず。どうして飴村の体験が「爬虫人ヘルヴィノ」を生み出したのか?は結局わからなかった。
    (B)

  • 現代の蟹工船

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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