- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198624866
感想・レビュー・書評
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怨霊・鎮魂の日本史、
〇〇の役、異民族との戦い、
侍に怨霊なしという言葉
鎌倉幕府の成立は、抑圧されてきた縄文人の反乱、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
井沢先生の説に異論があったとしても世界初の長編小説の誕生の成り立ちを知るのは良いこと。
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出雲大社がお伊勢さんより大きいのも、源氏物語も、怨霊鎮魂に繋がるとは目から鱗。紫式部って藤原氏側の人じゃ…って思っていたモヤモヤがすっきりした。
天然痘の病原体は細菌ではなくウイルス。 -
副題のとおり怨霊鎮魂をテーマにした巻。
前巻からの繰り返しの内容も多々ありますが、藤原氏にフォーカスした巻で、今まであまり藤原氏について深く考えたことがなかったので、これはこれで面白かった。 -
源氏物語が書かれたモチベーション。
藤原氏に追い落とされた源氏を主人公に据えて
フィクションの中で大成功をおさめさせる物語を
藤原氏の女官が書いた。
その不思議さ。
世界的に見ても、超早い時期に長編の物語が誕生してる事。
いままで考えた事もなかったよぉ。
目からウロコ。 -
またまた井沢さんの本
井沢さんの歴史を見る目を知るには、本シリーズの序章を見るとよく分かります。
日本教ともいえる3つの基本要素
『ケガレ』『怨霊』『言霊』
これらをもとになぜ貴族社会から武士社会となったのかを読み解く。
紫式部の『源氏物語』は怨霊思想から生まれた鎮魂文学だった!?
少なくとも世界の歴史の中では勝者と敗者が発生した場合、勝者をたたえるような記念碑や記録が作成されるが、日本では敗者(特に不本意な死に方をした人)の怨霊を恐れ、逆に敗者を中心にするような記録が多々見受けられる。
例えば、源氏物語。これは藤原氏の皇后(天皇の妻)に仕えていた紫式部が書いたものだが、源氏を中心とした内容である。源氏とは当時、藤原氏とライバル関係にあった紀一族と呼ばれている。一方、物語の中にいる源氏のライバルである右大臣家というのは藤原氏のことをさす。藤原氏の側の人間にも関わらず、藤原氏を非難するような物語を書くことを薦めた藤原氏は一体…
それが『怨霊』信仰である。
現実の世界で藤原氏は紀氏を蹴散らし政治を思いのままにしてきた。失意の中、退いた紀氏が怨霊となってたたられることを恐れた藤原氏は、その魂を沈めるために源氏物語を書かせたのではないかと推測する。
他にも伊勢物語、古今和歌集の六歌仙(歌のうまい6名)も実は『怨霊』信仰が関係していると井沢氏は考える。
改めて、宗教を除いた歴史観というものが問題だと思い知った。もちろん、これが絶対的に正しいということもないが。
源氏物語は紫式部だけで書かれたものではないなど、興味を引く内容が多々あります。 -
日本史の歴史を怨霊の歴史であると井沢は書いているが説得力がある。私も歴史散策でそれを感じるからである。