誤審

著者 :
  • 徳間書店
3.26
  • (1)
  • (5)
  • (16)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 51
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198626327

作品紹介・あらすじ

群馬県の田舎町で起きた夫婦殺害事件。警察は被害者の幼馴染で建設現場労働者の大船貢を逮捕した。全くの濡れ衣であったが、逮捕・裁判の過程で、貧しいながらも幸せだった家庭は一挙に崩壊した。三女・典子は看護師として働いていた。ある日、元教師の老人が入院してきた。毎夜うわごとを繰り返す老人の言葉は、偶然、冤罪事件に関係したものだった。意外なところから、真相をつきとめる手がかりを得た典子は、冷たい復讐の心を宿しながら謎を追い始める。書下ろし長篇社会派ミステリー力作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読んでてなんかドラマで見た気がするって思ったんだけど、ネットで調べても出てこないんだよね。

    前にも読んだことあったのかな~

  • 群馬県の田舎町で起きた夫婦殺害事件。
    警察は被害者の幼馴染で建設現場労働者の大船貢を逮捕した。
    全くの濡れ衣であったが、逮捕・裁判の過程で、貧しいながらも幸せだった家庭は一挙に崩壊した。
    三女・典子は看護師として働いていた。
    ある日、元教師の老人が入院してきた。
    毎夜うわごとを繰り返す老人の言葉は、偶然、冤罪事件に関係したものだった。
    意外なところから、真相をつきとめる手がかりを得た典子は、冷たい復讐の心を宿しながら謎を追い始める。
    (アマゾンより引用)

    意外なとこが犯人やったなぁ(´・ω・`)
    しかし、復讐したい気持ちは分かるけど、ちょっとやり過ぎでは…(´・□・)ア-
    あんなことしちゃったら自分のほうが罪悪感みたいのが出てくる気がするんだけど…

  • 『タイトルから想像していた話とはだいぶ違った方向にいっちゃったな~というのが正直な感想。”社会派ミステリー”ともあったし、てっきり正当な方法で”誤審”を正すんだと思っていたけど、とんでもない、完全に犯罪の域の復讐の物語』
    ぼくもね、こんな物語かと思って図書館で手にとったんですけどね。
    止めときますよ。

  • 決して自分が悪いわけではないのに、人生の歯車がひとつ狂ってしまっただけで、不幸を背負って生きていなかければならないこともある。
    全く罪のない人間が冤罪を被り、家庭は崩壊する。
    人間が人間を裁く上で、取り返しの付かない間違いが生じることもあり、その恐ろしさといったら鳥肌が立つほどだ。
    事件は解決しても離婚に至ってしまった典子や、亡くなった典子の父や姉を思うと、晴れ晴れした気持ちにはなれず虚しさが残ってしまった。

  • 薄いけど思ったより字がつまってたみたいで、予想より時間がかかっちゃったww
    誤審・・・父親の誤審について娘が奮闘し、父親と見事無罪放免めでたしめでたし。って話なのかと思ったら、ちょーっとちがったみたいね。
    この作品としての最後のドンデン返しは確かに予想外だったけど、
    そこにもっていくには、もうちょっと真犯人について書いて欲しかったなぁ~・・・と思う。
    あと、実際にこんな巧くいくかね?と思わないでもないが、そんな事いってたら、フィンション読んでられないので、そこはつつかない事にしよう。
    それでもつついてしまう作品はあるけど、これはそこまではいかなかったかな?
    読みにくかったわけでもないし、なんだかんだ「次は何?」と興味をそそる引力はないわけではなかったから、評価を少し甘くしてみたw

  •  ある田舎町で起きた夫婦殺害事件で警察は、前日に被害者がいちゃもんをつけていた幼馴染みの大船貢を逮捕した。いくら無罪を主張しても受け入れられることはなく、警察の執拗な取り調べに耐えきれず、ついに大船貢は、やってもいない罪を認めてしまう。長女は自殺、次女は失踪、そして母親は心の病に倒れ、一家は崩壊した。それから時は流れ・・・・・・大船貢の三女・工藤典子は看護師としてガン末期患者のための緩和ケア病棟で働いていた。そこに入院してきた患者・箱崎聡一郎の寝言に、典子は愕然とする。

     タイトルから想像していた話とはだいぶ違った方向にいっちゃったな~というのが正直な感想。”社会派ミステリー”ともあったし、てっきり正当な方法で”誤審”を正すんだと思っていたけど、とんでもない、完全に犯罪の域の復讐の物語。しかも、やり方が看護師の立場を利用した、かなりえげつない方法(苦笑)。途中までは真相をつきとめるためにあちこちアプローチしていた主人公が、突然非合法な方法で復讐を始めるのがなんだかものすごく唐突な感じがしたし、最後は”よってたかって”状態で、躊躇したり止めたりする人間が皆無なのも気になった。極め付けは一緒に復讐を果たした同志への主人公の言葉。

      あなたならきっといい医師になれるわ。

    いやいや!絶対なれないし、こんな人間には絶対になってほしくない(^^;

  • そろそろ 介護でも なんて思い始める年齢の人は おそろしいので 読まぬがいいと思う。。

  • 父を無実の罪で逮捕された女性の復讐劇。
    末期医療を担当する看護婦の典子はある日、誰もお見舞いに来ない孤独な老人・箱崎の看護担当になる。
    ある夜勤の日、箱崎のある行為から、父が陥れられた事件とのつながりを見出していく・・・
    女性の男性に対する復讐心が集約すると、これだけ恐ろしいものになるんだと、ミステリーを読んでいると言うより、途中はホラーを読んでいるんじゃないかと思うぐらい、背筋がぞくぞくした。
    元々はノンフィクションの作家さんらしいが、文章が読みやすく、初めてでもサクサク読めた。

  • 冤罪によって人生を壊された人の物語。元凶を探し出し、私刑していく様はかなりグロイ。”普通の人”が残酷になったり、また戻ったりする姿は人間の底のない怖さを感じる。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1950年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロのパウリスタ新聞社勤務を経て、1978年帰国。高橋幸春名義でノンフィクションを執筆。1987年、『カリブ海の「楽園」』で第6回潮ノンフィクション賞受賞。1991年、『蒼氓の大地』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。麻野涼名義で、社会問題をテーマにした骨太の小説を次々、発表。  著書に、高橋幸春名義で…『死刑判決は「シルエット・ロマンス」を聴きながら』(林眞須美 著、長冨俊和との共編、講談社、2006年)『日本一のわたしの母へ涙でありがとう』(東林出版社、1998年)『日系人その移民の歴史』(三一新書、1997年)『愛が引き裂かれたとき』(石飛仁との共著、解放出版社、1996年)『車椅子の挑戦者たち』(東林出版社、1996年)『絶望の移民史』(毎日新聞社、1995年)『パウラちゃんのニッポン日記』(国土社、1995年)『悔恨の島ミンダナオ』(講談社、1994年)『蒼氓の大地』(講談社文庫、1994年)『日系ブラジル移民史』(三一書房、1993年)『ドミニカ移民は棄民だった』(今野敏彦との共編、明石書店、1993年)『行こか戻ろか出稼ぎジャポン』(講談社、1992年)『蒼氓の大地』(講談社、1990年)『カリブ海の楽園』(潮出版社、1987年)、麻野涼名義で…『GENERIC』(徳間書店、2007年)『闇の墓碑銘』(徳間書店、2006年)『国籍不明 上』『国籍不明 下』(講談社、2003年)『天皇の船』(文藝春秋、2000年)などがある。

「2007年 『満州「被差別部落」移民』 で使われていた紹介文から引用しています。」

麻野涼の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×