評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)

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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635671

感想・レビュー・書評

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  • .@levinassien 先生と .@ToshioOkada 先生の対談本。いくつもほほぅと思わせるところがあったが、頭が痛くて纏まらず。再読してメモしたい。ここのところ量産過剰で?な本も少なくなかったが、久しぶりに内田樹先生本で楽しかった。
    雑多に心に残ったこと。
    子供達を田舎で掃除をさせてその無意味さ、宇宙の真理に気づかせる。とか。誰とでも幸せになれる人が結婚の条件。とか。努力と報酬は一致しない。アメリカは未病という発想がない。嫉妬文化である。決断力はいらない。決断を迫られるような状況を引き起こさない。とか。一番頼りになるのは、人柄の良さが大事。とか。勉強しなさい、ではなく、本人が勉強したいと思うこと。気長に待つこと。とか。贈与の経済については、師を持つことで、師から得たものを人々にパスする。贈与とはこの話が一番ストンと落ちた。

  • 対談集。ボクはオタキングには都度影響を受けてきたことを認めるが、この歳になっても、まだまだものすごく核心を突かれる頁に遭遇してしまう。今回はさすがに内田樹氏が相当格上だが。

    何時の世もそうだが響かないひとにはまったく響かないだろう。それでも「人に与える」ことこそが個人や社会にとってこれからさらに必要である、というお2人の思いは、広く伝えられればよいなと思った。

    ストーリーや着地点があるわけではないので読後感は意外にモヤモヤする(笑)。対談なんてそんなもので、頭に残ったフレーズを適度に読み返すくらいがちょうどよい。

  • この言葉は希望だなぁ。
    “人間は強いものに導かれて強くなるんじゃなくて、弱いものをかばうことでしか強くなれない。”

  • 「掃除の無意味さの前に愕然とする行為」が必要だと言う内田先生の言葉に深くうなずきました。

    買い出ししてもすぐに無くなるし、掃除をしてもすぐに汚れるし……家事って愕然とすることの繰り返しだな。

  • ざっくり乱暴にまとめてしまうと、「情けは人のためならず」
    やっぱり内田樹は教育者だなと改めて思わされました。

  • 内田樹と岡田斗司夫。面白くないわけがないと期待して読んだのだけど、不思議なことに(うたい文句とは逆に)ページ単位ではとても面白く、本全体としてはあまり面白くない一冊だった。
    ページ単位で面白いのは、ふたりともがそれなりの説得力を持って「そうじゃない、こうだ」と意見をぶつけているから。見解の違いが、不毛な論争ではなくモノゴトを立体視するための複数の視点につながるスリリングな読書。
    本全体としてピンとこなかった理由は、描かれている将来像がピンとこなかったから。
    評価経済という発想自体にはとてもとてもとても興奮した。大きく学ぶところがあった。しかし、比喩としての経済を超えて実体としての経済に及ぶと、恩恵、いや、マイナス含めて影響を受けられるのは岡田氏などごく一部に留まるとしか思えない。
    贈与経済についていえば、こちらは私がすでにそうなると内田氏のブログなどで説得されてしまっているから。
    いづれにせよ、刺激的な一冊であること間違いなし。

  • お二人の対談集です。私は読書の時にキーワードとか気に入った語句に付箋紙を貼って読んでいくのですが、この本のお二人の会話ではなるほどと唸りたくなったり、その通りだと思ったりする語句があまりにも多くて、たちまち本が満艦飾となった次第です。お互いに話をしているうちに相手に触発されて色々な発想がとびかうので(もちろんお二人の現在の活動の中身の紹介もあり)とても刺激的でした。、
    少し中身をかいつまんでみると今の日本のような「イワシ化」した社会にいることは=「脳化する社会」と同じで、頭だけで考えているから生きる力を高めるとか生き延びる可能性を高めるかということをしないでふらふらマジョリテイについていく・・ので簡単に「心が折れる」ということが起こる。努力と報酬は一致しない。能力と報酬も一致しない。報酬は運である。・・・こう述べてくれるのですから、これは気分爽快になります。ここまではっきり言われると。
    社会的に成功したと思われる人は、もともと自分のひとりの力で成し遂げたものではないから、自分の手元にもっているものは自分の占有物ではなくて一時的に「託されたもの」。それだから次の人にパスすることで世の中がうまく回る。「情けは人のためならず」の原理は、かつて受けた贈与を時間差を持って返すことにほかならない。パスをとめてはならない。貨幣も情報も評価も動いているところに集まる。そして、極めつけはこの言葉です。
    自分が他人からもらえるかより先に、自分が他人になにをしてあげれるのかを考えられる人間だけが贈与のサイクルに参入できる。それはその人の貧富とか社会的地位の高低にはまったく関係がない。・・・
    それだから、誰にも知られなくても「いいこと」をすると毎日気分良く暮らせます。これからの社会がこの本に書いてあるような方向にいくかどうかは私たちの行動次第です。

  • いろんな生き方ができる社会、共同体とはどういうものか。多様性とひとことで片付けてしまえばそれまでだけど、それって具体的にどういうこと?どうすればもっと生きやすい社会になるんだろう?ということについて、いろんな方面からお二方がお話しされています。そのキーワードとなるのが評価と贈与。
    お金だけがモノサシじゃない。数字で測れないものも大事。いろんな人とたくさん関わり合いながら、迷惑をかけたりかけられたり、助けたり助けられたり、そうやってみんながなんとかやっていける、そんな世の中がいいんじゃないかなーって思いました。

  • 贈与と反対給付。等価交換ではなく。
    最大の資本は人柄。
    やっぱり読んでて安心する。

    日頃感じるコストリターンの合理化(と呼ばれてしまうもの)だったり、消費者が等価交換を前提にして考えちゃうから発生する過剰サービスが、やっぱりこの先も最重要視されるようなものではないよな、と思える。

  • 内田 樹さんと岡田 斗司夫さんの対談。これからの日本社会について、それぞれの切り口から語られています。
    内田さん・岡田さんともに講演会に行ったことがあったからか、本を通して実際に講演を聞いているような錯覚をするぐらい、大変読みやすかったです(*^ω^*)

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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