波形の声 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
3.20
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本棚登録 : 430
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198637521

作品紹介・あらすじ

補助教員の谷村梢小学校四年生の中尾文吾が自宅で襲われた。補助教員の谷村梢は文吾から、スーパーで教師の万引きを目撃したと聞いていた。だが襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。疑惑の目を向けられた梢は……。「日常の謎」を描く珠玉のミステリー集。
【収録作品】「波形の声」「準備室」「蚊」「黒白の暦」「ハガニアの霧」「宿敵」「わけありの街」

感想・レビュー・書評

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  • 『教場』から引っ張られて手にとってみた。
    期待値が高すぎたのか、割りと興奮することもなく、
    するっと読み終わる。
    それは、いいことなのか、悪いことなのか・・・

    短編集ということで全部が全部、評価はできないが
    中には面白いものもある。という短編集らしい後味でした。

  • 長岡弘樹短編集。

    軽い感じで読めるミステリー。

  • 短編集。表題作は☆四つ。

  • 長岡弘樹さんの本は【教場】に次いで2冊目。
    ミステリー短編集。
    とても読みやすく、一気読み。
    7編のうち、タイトルにもなっている『波形の声』は特に面白かった。
    蟹が横歩きではなく前進した謎は「なるほど~!」と。
    後編2編がいまいち好みではなく…
    ☆3つとなりました。

  • 「傍聞き」がとても良かったのでこちらも手に取ってみました。同じように30〜50ページほどの短編集なのですがこちらの方が人の心の闇に切り込んでいる印象を受けました。「黒白の暦」や「準備室」などはそれに加えて主人公視点で同じように考えて同じように思いがけない驚きを受けたのでまるで自分自身の心の闇を暴かれたような気がして後味がとても苦いものとなりました。「傍聞き」の方が好みですが、こちらも7編もあるのにどれもちゃんと伏線を回収する謎解きになっていて人々の心まできちんと読ませてくれるところはさすがです。

  • *小学校四年生の中尾文吾が自宅で襲われた。補助教員の谷村梢は文吾から、スーパーで教師の万引きを目撃したと聞いていた。だが襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。疑惑の目を向けられた梢は……。人間の悪意をとことん見据えたまなざし、心温まるどんでん返し、そして切なさはビターに!奥の深い長岡ミステリー最新作7篇! *

    どのお話も、ぴりりとスパイスが効いています。よくもまあこんな謎解き思い付くな…といつもながら感服です。
    特に良かったのは、ハガニアの霧。スピード感があってぐいぐい引き込まれますが、ちょっと意外な展開になり、ラストの、やるせなくあたたかい寂寥感がなんとも言えない作品でした。

  • 「日常の謎」を描くミステリー短編集。
    「波形の声」:小学校四年生の中尾文吾が自宅で襲われた。補助教員の谷村梢は文吾から、スーパーで教師の万引きを目撃したと聞いていた。だが襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。疑惑の目を向けられた梢。声の謎は補助教員期間終了間際の梢のための寄せ書きの裏に声の波形をカッターで刻み、なぞる事で再生するようにしかけの途中だった。その中に梢の同僚教師の服に間違って入ってしまった梢の携帯の着信音が含まれ、犯人が判明した。
    「宿敵」:向かい合わせの同級生の老人二人と互いの息子の嫁。向かいの嫁の見栄があった。
    「わけありの街」:殺された息子のアパートを借りた母。犯人を見つけたが他の被害者に配慮。
    「暗闇の蚊」:獣医の近くに住む元準々ミス日本。世間から失踪したのは二億円横領のためだった。
    「黒白の暦」:暴言を吐いた後、客に会ったのはライバル一人。渡した名刺は自分のものだった。
    「準備室」:自分の子供が職場見学。息子がいじめで苦しんだ上司は敢えて上下関係が分からないように。
    「ハガニアの霧」:有名画家の1枚を持っていた息子が自作自演の誘拐劇で2枚を処分させた。

  • 44:単なる「いい話」で終わらせない、ピリッと薬味の効いた短編集。あまりに一筋縄ではいかない(=物語があって主人公が不当な目にあって、でも最後はカタルシス! というのではない)物語ばかりで、ちょっとしんどいなあと思ったけど、それはつまり裏返せば人物がきちんと描けているということ。渋いなー。

  • 短編集。

  • ミステリー短編集です。
    はー!なるほどねー!となるものから、それはさすがに無理無理では?ってものまで。
    読み手の目線と少しずらせば、全く違う角度の顛末がある。
    中でもいくつか、思いやりゆえに起こった話には胸が熱くなりました。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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