眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 728
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198643454

作品紹介・あらすじ

手が好きなので、あなたの手を見せてください!――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた。ほんとの俺ってなんだ――「小鳥の爪先」女という性になじめない――「あざが薄れるころ」不安や醜さが免除されている子はずるい――「マリアを愛する」社会の約束事を無視するなんて――「鮮やかな熱病」俺はいつも取り繕ってばかりだな――「真夜中のストーリー」連作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 留めておきたい言葉
    ・新しい価値を不快に感じるのは、それまでのルールに上手く乗ってこられた奴だ。
    ・時代とともに社会は、それぞれの心の形に沿った生き方を尊重する方向で進化してきている。先人たちの努力の結果だ。それを俺も享受し、背負うべき痛みがあるなら引き受けて、次につないでいきたい。
    ・愚かな熱病に、一度ぐらいかかってみても良かったのかもしれない。そうでなければ、他人の病を許せないのかもしれない。

    たまたま同じ掲示板を訪れた5人のお話。
    4章が自分の両親に重なり心に残った。5章が好き。キュンとしたし恋の終わりを見守ったような切ない気持ちになった。

  • サラッと読めて、繋がってる。
    最後の話が、こんなことあるのかな?あるんだろうな?と思いながら読んだ。
    でも、ドラマみたいにそこで現実世界でも仲良くなる、ってことはないんだね。。。
    マリアを愛するだけが、ファンタジーっぽくてやや違和感。

  • 「小鳥の爪先」ゆかりと和海の関係性がめちゃくちゃフラットですごく良い ○○だからこう、という先入観や思い込みを壊すのは少し怖いけど、素の自分でいられる場所を見つけられたら今よりずっと楽になるからね

  • 残らないけど、ほんの少し優しくなれるよ。

  • ネットという仮想空間に集う人々を描いた短編連作。

    彼氏の死んだ元カノに執着する『マリアを愛する』
    自分の理解できないものをうまく受け入れられない『鮮やかな熱病』
    仮想空間で自分とは違う人格として生きる『真夜中のストーリー』
    の三篇が特にお気に入り。
    読み終えたときの気持ちよさが良い◎

    <収録作品>
    小鳥の爪先/あざが薄れるころ/マリアを愛する/鮮やかな熱病/真夜中のストーリー

  • 手が好きなので、あなたの手を見せてください!
    ――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。
    そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた。
    ほんとの俺ってなんだ――「小鳥の爪先」
    女という性になじめない――「あざが薄れるころ」
    不安や醜さが免除されている子はずるい――「マリアを愛する」
    社会の約束事を無視するなんて――「鮮やかな熱病」
    俺はいつも取り繕ってばかりだな――「真夜中のストーリー」連作短篇集。
    (アマゾンより引用)

    「マリアを愛する」と「真夜中のストーリー」が面白かった

  • イケメンであることがコンプレックスな少年
    50代独身で合気道の黒帯取得を目指す女性
    彼氏の元彼女だと勘違いしていた女のコが幽霊となってあらわれる話
    金融機関の管理職の男性から見た家族や美人社員、これからの生き方
    ネットゲームで女のコになりすまして遊んでいたおじさん

    様々なコンプレックスを抱えながら、迷いつつも必死で生きる人たちを描いた連続短編集。
    身体と心の動き、描写がとても素晴らしく
    言葉の紡ぎ方?がとても美しい。


    途中で飽きてしまったのが正直なところ。


    新しい価値を不快に感じるのは、それまでのルールに上手く乗ってこられた奴だ。

  • 最後の話が一番好き

    体を脱いだら心だけが残る。体という属性を排除して心だけになれたら、自分は何を考えどう振る舞うだろう。今の自分とは変わるだろうか。

  • 固定観念に雁字搦めにされた体面をそっと捨てる人たちのお話、内容も文章も軽くてするするーっと読んでしまった
    彩瀬さんということで期待してしまっていたのもあって、軽すぎて面白みがなかったなとも思う

    私自身が本を読んで世界を広げていることもあって、1作目の主人公に親近感

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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