ぶたぶた【徳間文庫】 (徳間文庫 や 36-1)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198935238

感想・レビュー・書評

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  • しゃべって食べて料理もできるぬいぐるみの豚、山崎ぶたぶたさん。
    図書館でめちゃくちゃたくさん並んでいたシリーズを見て興味本位で手に取りました。
    だってタイトルがぶたぶた。
    温かいショートストーリーが詰まっていて読みやすかった。シリーズ化も納得。
    ぶたさんの描写が可愛い。

  • ▼「ぶたぶた」矢崎存美(ありみ)。徳間文庫、初出は1998年のようです。以降、「刑事ぶたぶた」「クリスマスのぶたぶた」などから始まって「編集者ぶたぶた」「ランチタイムのぶたぶた」などなどまで20年以上に渡って30作以上が出されている超人気シリーズの第1作です。私は全く知りませんでしたが、連れ合いが「8歳の娘にいいかも」と読み聞かせているのを聞いたことから読んでしまいました。

    ▼山﨑ぶたぶた。という中年のぶた、厳密には豚のぬいぐるみが登場する(主人公とは言い難い)の連作小説です。舞台は執筆当時の日本の、恐らく東京首都圏のあちらこちらです。毎回、その短編の主人公、それはサラリーマン男性だったり、小学生だったり、いろいろなんですが基本は<普通のひと>。それら主人公たちが、ある日、ブタのぬいぐるみを目撃します。バレーボールくらいの大きさの。それは、普通に動いて、しゃべって、食べたり飲んだり働いたりしています。えっ・・・ブタのぬいぐるみが・・・動いてる!。そう思います。目を疑います。ところが毎回、主人公以外の周りの人たちは、そのブタのぬいぐるみが、人間のように都会で社会生活していることを、当然のように受け止めて全く気にしていないんです。

    ▼・・・という世界観というか小説内のルールなんですが、このことに対してリアリズムの観点からそれ以上の合理的に納得のいく説明は、一切されません(笑)。まあそれでダメなら読まないで、という感じですね。ドラえもんみたいなものです。

    ▼そのブタのぬいぐるみは「山崎ぶたぶた」と名乗り、毎回いろんな稼業に従事しています。そして毎回主人公たちは、ぶたぶたと触れ合うことで何かしらか自分の問題が解決したりしなかったりして終わる・・・読後感は爽やかだったりしみじみだったり感動だったり癒しだったり、悪くはありません。

    ▼という話で、文庫本一冊に確か6〜7話あったかと思いますが、プールサイドで家出願望をもつ子供たちと過ごす話は、結構グッときました。そして、そのエピソードの小学生が大人になって・・・という設定の最終話はさらに感動ものでした。うん、これ、好きだなあと思いました。ついでに言うと8歳の娘が笑ったり泣いたり大喜びで母親の読み聞かせに興奮中。

  • 学生の時に1冊だけ読んだことがあったぶたぶたシリーズ。
    最初からよもうと思い1冊目!
    よかった〜

  • 人間みたいなピンクのぶたのぬいぐるみのお話。短編集だし、いい意味で深く考えずに読めるので、好きです。他のぶたぶたシリーズも読みたいです。

  • 目次
    ・初恋
    ・最高の贈りもの
    ・しらふの客
    ・ストレンジ ガーデン
    ・銀色のプール
    ・追う者、追われるもの
    ・殺(や)られ屋
    ・ただいま
    ・桜色を探しに

    くう~、やっちまった。
    最近は謙虚に、シリーズ物だからと言ってぜんぶを読破しなくてもいいぞ、とハードルを下げているにもかかわらず、なかなか途中離脱ができないでいるのに。

    これが人気のシリーズ物だということは知っていたさ。
    でも、世間で人気でも私には今ひとつというシリーズ物も結構あったわけで、「ふんふん、面白かったけど、これ一冊でいいや」と終るんじゃないかと思いながら手に取ったら、めっちゃいいやん「ぶたぶた」。
    シリーズ何冊あるんだろう。
    ちょっと調べたら35冊くらい?
    手を出すべきか、出さざるべきか、それが問題だ。

    まず、主人公の山崎ぶたぶたさんは、ぶたのぬいぐるみである。
    着ぐるみではなく、ぬいぐるみ。
    サイズはバレーボールくらい。(ちょっと小さすぎないか?)
    軽いので風にあおられたり、犬やカラスに連れ去られたりすることもある。
    でも、大丈夫。
    怪我をしても縫えば直る。
    ぬいぐるみだからね。
    だけど、喋るし、動くし、飲み食いするし、酔っ払うし、仕事もするし(たいていは優秀)、時には妻子もいる。

    だから何が面白いのかと言うと、難しい。
    ぶたのぬいぐるみだからこその動きのコミカルさがわかりやすい面白さだけど、それだけならシリーズを続けて読みたいとは思わなかった。
    でも読後感がしみじみとよろしい。
    特に最後の『桜色を探しに』は、この本のトリとして絶品。

    ぶたぶたさんの生真面目で毅然としたところが、見た目の柔らかさと相まって、素直に心に届く。
    『最高の贈りもの』の中で美恵のお父さんが言った「パパの職場には、とてもいい友だちがいるんだよ」が、一番しっくりくるかな。
    ぶたぶたさんは、とてもいい友だち。
    友だちの活躍する話ならば、そりゃあ読まねばなりますまい。

  • シリーズを何作か読んだところで、初心に帰ってもう一度読んでみた。
    癒し。
    もう本当にこの一言。
    こんなに欲しいぬいぐるみ、他にない。
    でも独り占めしてはダメ。あそこにもここにも、必要とする人たちがいる。

  • 『ぶたぶた』の原点にして短編集。ぶたぶたをいろんな職業に就けて楽しんでいる様が良く判る。作者も楽しんでる感が伝わってくる。
    ハマるとノリで小説が書けそうです。続編がこんなに沢山あるとは気付きませんでした。
    『刑事ぶたぶた』で検索しても出てこないから続編は無いと思ってました。ふっと『ぶたぶた』で検索してみたら出るわ出るわ。逆に何作書いてるの?と吃驚するくらい有りますね。軽い軽~い読み物だから重たい小説を読んだ後にはいいです。あっという間に読み終わるし。
    別々の短編の登場人物が最後に出会うのも素敵です。しかも最終章だけ2人はぶたぶたを探し求めるけど都市伝説と化したぶたぶたは最後の最後まで姿を現さない。2人の前に無人のタクシーが停まるところで終わり。その前まで全く出し惜しみなくぶたぶたは出まくっていたのに最後の思わせ振りの上手いこと!
    まだまだ続編はあるみたいなので、これからも息抜きに読んでいきます。

  • あったかい話がたくさん詰まってました。続き読んでみようかな。可愛いなあ、ぶたぶた。

  • ある時は家政夫、またある時はフランス料理の
    料理人にもなる、ピンクのぶたのぬいぐるみ、
    山崎ぶたぶたが主人公のお話。
    こんなかわいらしいおじさんがいたら、
    まずはただそばにいてほしいかな。
    で、いろんなおしゃべりしたいな。
    最後の「桜色を探しに」で
    全部つながる感じがステキ。

  • 不思議なぶたぶたワールド。
    まだまだ、全て読んでいないので分析できないが、
    ブタブタという縫いぐるみが
    もし自分の前に来たら、どういう態度を自分は
    とるだろうか?
    想像するだけで楽しい。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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