生きるぼくら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198940140

感想・レビュー・書評

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  • ¹自分の力を信じて、自分にとことんつきあってあげなさい」とマーサおばあちゃんは言った。
    「自分にとことんつきあえるのは、自分しかいないから。」
    そう思うと、すごく自分が愛おしく思えた。
    仕方ない奴って、思いながら前向きにつきあっていけそう。
    読んでる途中で無性にお握りが食べたくなって、お米を炊いてお握りを作ってたべた。懐かしい味がして、ほっとした。お握りは美味しかった。

    • 松子さん
      鮭とめんたい!良いですねぇ〜(^^)

      私はまだ、ひまわりさんの
      おすすめがまだ読めてなくて(・_・;
      ちと待ってて下さいね。

      最近の私の...
      鮭とめんたい!良いですねぇ〜(^^)

      私はまだ、ひまわりさんの
      おすすめがまだ読めてなくて(・_・;
      ちと待ってて下さいね。

      最近の私のおすすめは『方舟』です♪
      『わぁっ!』とびっくりさせられた感が面白かったです。
      あとはもう十二国記ばかりで(^^;

      ひまわりさんの本棚にある、これから読まれる本がどれも面白そうで興味津々です。
      レビュー楽しみにしてます♪
      2022/10/13
    • ひまわりさん
      今、注目の一冊みたいですね。
      わたしもいつか読んでます。
      浅田次郎さんのおもかげは、いつかタイミングが合うときに読んでみてください。
      きっと...
      今、注目の一冊みたいですね。
      わたしもいつか読んでます。
      浅田次郎さんのおもかげは、いつかタイミングが合うときに読んでみてください。
      きっといまじやないんですよ。
      タイミングか来たら本は自分からやってくるんだすから
      2022/10/13
    • 松子さん
      『タイミングが来たら本は自分からやってくる』
      とっても素敵な言葉ですねっ!
      この言葉、大切にメモしておこうっと(^^)

      今はDVDでジャッ...
      『タイミングが来たら本は自分からやってくる』
      とっても素敵な言葉ですねっ!
      この言葉、大切にメモしておこうっと(^^)

      今はDVDでジャッキーチェンの映画見てのんびりタイムです♪

      また、ひまわりさんの本棚遊びに行かせて頂きますね(^^)
      おにぎりトーク楽しかったです。
      2022/10/13
  •  タイトルと表紙の絵が素敵で、思わず抱きしめたくなった。この本を必ず読破したい。と素直に思った。

     紹介文に、いじめ。引きこもり。の記載があり、読むのがしんどいかな。と少しためらった。思い切って読み始めると、そのあたりの描写はかなり少なく、さらっと読み進めれば苦しくなかった。あっという間に物語へ引き込まれていく自分がいた。

     「お米の一生は人の一生に似ているのよ。稲作ってすごい仕事。皆が大好きなご飯(お米)を作る仕事。何よりも素晴らしいことなんじゃないかしら。」おばあちゃんの言葉が大好きになった。

     土、草、水に触れ、日光を浴び、体を動かす。自然の恵みを思う存分味わうことができ、周りの人達に感謝できる仕事は、人が欲している根本的なことを教えてくれる。そう強く思った。

     私自身、いじめられた経験がある。主人公(人生)の気持ちが刺さるほど分かった。がらりと変わった環境へ身を置いたことで、ぐっすりと眠れるようになり、呼吸をして生きてる。という感覚を全身で感じた過去がある。

     人生、つぼみ、純平。人生に行き詰まった若者達が、おばあちゃんと稲作を通して確かな手ごたえを掴んでいく。その過程に感極まるものがあった。

     人は、年収、肩書、一等地にある住まい等。どうしても見栄えがするものに、気持ちが傾きがちだ。人が本当に輝ける場所は、この物語にある世界なのだと思った。

  • 田舎での生活、米作りを通じ、都会で1人の挫折の渦中にあった青年が立ち上がる様子が描かれている。認知症のおばあちゃんや、自分には身寄りがいないと孤独感を募らせ思い詰めた真面目な女の子、世間の価値観に惑わされ就活が難航する若者など、出てきたが蓼科の雄大な自然が何もかも包み込んでくれていた。辛いことがあっても黙々と田んぼに向き合った主人公たちは、収穫の時期には一人一人が成長していた。やはり自然のもつ力は偉大だなと思った。お米の描写もとても美味しそうで、久しぶりでおにぎりが食べたくなった。原田マハさんはご自身も米作りを経験されているとあとがきで読み、美術にも造詣が深く本当に多才な方だなと改めて実感した。

    • りまのさん
      IKFさんへ はじめまして。
      おはようございます。いいね と、フォローのお返しを、どうもありがとうございます♪
      とっても嬉しかったです。
      そ...
      IKFさんへ はじめまして。
      おはようございます。いいね と、フォローのお返しを、どうもありがとうございます♪
      とっても嬉しかったです。
      それにしても、IKFさんの本棚、ステキですね。選本のセンスが、とても良い方だなあ、と、感じ入りました。原田マハさんの
      「生きるぼくら」、今日、書店で入荷しました。読む本が、たくさん溜まっているので、ナンですけど、必ず読もうと思っています。私、レビューが、苦手とするのですが、IKFさん、レビューお上手ですね!尊敬します。
      これから どうか 宜しくお願いいたします♪

      りまの
      2022/03/10
    • IKFさん
      りまのさん、はじめまして!
      こちらこそ、たくさんのいいね!とフォローをどうも有難うございます。
      また、直のメッセージでお褒めの言葉を頂き、と...
      りまのさん、はじめまして!
      こちらこそ、たくさんのいいね!とフォローをどうも有難うございます。
      また、直のメッセージでお褒めの言葉を頂き、とても嬉しかったです。
      多くの方にフォローされているりまのさんの本棚&レビューも素敵です。これからたくさん参考にさせていただきますね♪
      どうぞよろしくお願いいたします!
      (『生きるぼくら』は大自然が舞台で清々しかったです。よければ是非読んでみてください。)
      2022/03/10
  • 高校で酷い苛めにあい、引きこもりになった24歳の人生は、母子家庭で育ち、ネットの合間に母の置いていく食事を食べて暮らすような日々を送っていたが、ある日突然、5万円と10枚ほどの年賀状だけを残して出ていってしまう。
    途方に暮れた人生は、祖母からの年賀状に、"余命数ヶ月"とあるのを見て、いてもたってもいられず、祖母の住む蓼科に向かうが、十数年ぶりに再会した祖母、マーサばあちゃんは認知症を患っていた。
    一方、人生の父が再婚した相手の娘、つぼみもその父と実母を亡くし、祖母の元に身を寄せていた。

    二人は、親切な近所の人たちに助けられながら、マーサばあちゃんの"自然の田んぼ"で米作りをすることを決意する。ばあちゃんの認知症がよくなることを祈りつつ、ばあちゃんの世話をしながら、非常に手のかかる米作りに取り組む。
    米作りに手を貸してくれる人たちと交流しながら、次第に生きることに対して前向きになっていく。
    そして、稲も実った頃、ばあちゃんが突然人生を認識できるようになり、子供の頃、ばあちゃんがじに母との仲直りの仕方を教えてくれたのと同じように、母に対する感謝と謝罪の気持ちを伝えるように言う。

    都会で疲れ果てた若者たちが、スローライフのなかでの米作りや、その仲間やばあちゃんとの交流を通じて、前向きに生きる力や希望を得ていく物語。

    認知症の人に対しても、こちら基準ではなく、相手の尊厳を大切にしながら接していくべきこと、改善する場合もあることなど、参考になった。

  • 何度も読み返したい1冊。もともと東山魁夷が好きで、図書館で「ジャケ借り」した初めての原田マハさん作品でしたが、読み終えたときに返すのが惜しくて惜しくて、その場でAmazonでポチりました。

    自分1人で生きる力0だった人生とつぼみが、蓼科で認知症のばあちゃんの介護とコメ作りを通して生きる力と人との絆を取り戻していく話。
    ばあちゃんが認知症でつぼみのことをとうとう認識できなくなったとき、すかさず人生がつぼみのことを「自分の大切な家族」だとばあちゃんに説明した場面に、涙腺崩壊。それまで面識もなく一緒に暮らしたこともない異母兄弟の人生とつぼみが、ばあちゃんを通じて出会い、一緒に暮らす中で2人の間にも絆が生まれた。三角形に繋がった絆はどこかがふいに切れたとしても、どこかが必ず繋がっている。そうやって二重に三重に重なった絆は強い。

    折しも、今年東京から長野に移住予定なので、ふるさとについても考えさせられた。後半1/3は涙が止まらず、カフェで読んでいたにも関わらず、ボロボロ泣きながら読みました(マスクしていて良かった)。そして図書館からの帰りにスーパーで梅干しを買った。久々に梅干しおにぎりを作ろう。

  • 壮大な自然や作物の「命の味」は、生きていることを感じさせてくれる。そして、周りの人への感謝を気づかせてくれる。
    そんな、人に支えられ、その感謝を生きていくことへのパワーに変えられる、純粋な心を持っている人たちの前向き作品だった。

    途中耐えきれずおいしいおにぎりを食べました。

  • 今年亡くなった大好きだった祖母を思い出してしまい、何度も泣きながら読みました。
    両親が離婚して、祖母に会いに行けなかったっていう主人公の境遇と、私も同じ経験をしたのですごく共感。縁あって久しぶりに祖母に会った時は抱きしめてくれたなぁとか色々思い出しました。
    こんなに感動する小説は久しぶりです。

    この小説はストーリーももちろん素晴らしいですが、登場人物、特にマーサおばあちゃんが懐が深くて素敵でした。
    村の人々も助け合って生きていて、みんな他人に優しい。
    読み終わった後、心がすごく暖かくなる物語でした。

    改めて、周りの人に優しくしてあげよう、マーサおばあちゃんのようにいつも笑顔でみんなに親切にしたい、と思いました。

  • 一歩踏み出す勇気と行動で、人生は変わる可能性がある。
    引きこもりの主人公、麻生人生さんの思い立った行動力により自らが閉ざしていた道を再び進みだす。
    素直な気持ちと一生懸命な行動が自分と自分の周りの人を動かしていく、読み進めていくにつれ自分の心も澄んでいくような感覚になる作品。

  • 良い小説を読んだ後の、心に灯がともるような心地よい充足感。この作品も、そんなひとときを与えてくれる。
    引きこもりやいじめの話かと思いきや、認知症問題も絡んで、最後はコメ作り。
    読み進むにつれて、読み手の心がだんだん温かく膨らんでゆく、そんな物語。
    『生きるぼくら』とは、けっして人間だけではなく、「自然と、米と、人間とーぼくらは、みんな、一緒に生きているんだ」と、題名に著者の思いが込められている。
    そして、困難な局面に立たされたとき、「・・・具体的で、現実的な希望を一つでも持つことが大切なんだ。どんな小さなことでもいい。」と、著者は作中人物に言わせている。
    原田マハのこの小説は、『風のマジム』とともに、人生の入り口に戸惑っている人への応援歌と言ってもいい。

  • 図書館の「今日返却された本」コーナーから反射神経でサッと差し出した1冊。原田マハの著者名は見えていたので安心感はありましたが、期待を裏切らない良作でした。
    24歳の引きこもりが母に出ていかれ、辿り着いたのは祖母のいる蓼科。そこで自然農法での米づくりを始めることになり…という話。

    少々ステレオタイプ的なキャラ、展開もあるものの、楽しく読める範疇でした。むしろ結局終盤には泣いてるという(笑 いやあの伏線回収はずるいでしょう。。
    主人公の「いまの自分は『カッコいい大人』に恵まれている」という記述を読みながら、もはや主人公たちよりは大人たちの年齢に近いんだよなぁ…と思いながら、カッコいい大人たり得ているか…なんて(考えるだけムダな)コトをつい考えてしまいました。
    悩ましいなと思ったのは、「家族のかたちにはほど遠い三人。それぞれに何かが欠けていた。」という表現。ストーリーのために欠けさせられたんだよなぁとも思いつつ。。あと、序盤のいじめ描写も主人公のトラウマに必要ではあったんでしょうが、ここまでか…という感覚がありました。

    本著を読了して思ったのは、①稲作と日本気質の結びつき、②稲作のサステナビリティの2点です。

    ①稲作と日本気質の結びつき
    人の手をかけるほど収量が増える稲作、だからこそコミュニティで集まって作業をして、まるで人のように稲の成長を見守る。脱穀後にはみんなで「豊穣の宴」を開く。
    稲作文化では人と人の協力は当たり前ですが、種だけ飛行機で撒いて(あるいは自然に落ちた種で種まきもせず?)放置しとけば育つ小麦+牧畜文化とは違うんだなぁと。。

    ②稲作のサステナビリティ
    本著では自然農法に取り組んでおり、まずまずの収量を上げていましたが、上手くいったケースが描かれているんだろうなぁと。加えて、天然記念物みたいなモンだから守ってあげようという周囲の協力があって成立しているので、なかなか難しいなと。。
    ただ、地方の土地はもはや余っている訳で、人手をかける部分を上手く工夫すれば、農薬や化石燃料の使用を抑えながら自然農法でも総収量を高めるコトはできるんじゃないかなと思いました。
    (自然農法のお米が間違いなく美味しくて、多少頑張っても産業として育てる意義があるならですが…。)
    環境面のサステナビリティと、"苦労"面でのサステナビリティを上手く両立させるなら、ドローンなりパワードスーツなり導入するんですかね。。

    ちょっと完全に脱線してしまいましたが、スーッと読めてあたたかい気持ちになれる良著でした。短編なんかで主人公たちのその後を読めたら素敵だなぁ、なんて思ったくらいです。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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