アキラとあきら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942304

感想・レビュー・書評

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  • 池井戸さんの本は読みやすく、ストーリーも面白いです。個人的に文章がそこまで好みではないというところですかね。

    育ちも性格も違う2人のアキラ。そんな2人は同じ銀行に新卒で入る。当初からぶつかる2人だが、親の会社の窮地に立たされた時、現れたのはアキラだった。

    少し思っていたストーリーとは違いましたが、面白いストーリーでした。2人のアキラはライバル同士でバチバチかと思いきや、思いの外絡みが少なかったですね。
    池井戸さんはドラマで観るのが一番かもですね。ちょい真伸びするストーリーが読む速度落ちてしまったり。そこまで伸ばすほどではないかなと思ったり。
    でもまだ読みたい作品もあるので手に取る本はあふかなと思ったり。

  • 初めて池井戸潤読んだ。
    どちらも社長の息子として育った2人のあきらが同じ銀行に入って、結果的には協力して片方のあきらの会社を救う話。
    小さいころ父の会社がつぶれて苦労した経験から銀行員になり、「銀行は金のためではなく、人のために金を貸すべき」という信条に強く共感した暎と、親せきのしがらみの多い父の会社を継ぐのが嫌で銀行員になった彬。
    二人のあきらは、入社時の研修?で一瞬対決して、そこでお互いを認め合う。
    そして家族の会社を救うために銀行をやめて社長になった彬の会社を暎が一緒に救う。

    分厚い上に都合よく、または都合良く悪いほうにストーリーが進むので、途中辟易した。例えば暎の父の会社が破たんするまでの紋切り型の転落。または彬とその父以外の親族がとことん愚鈍に描かれてて、リゾート経営とか絶対失敗すると周りが言うものを強引にどんどん進めて行って、案の定サクッと窮地に陥ったのに、経営者が彬になったら、「救えない」と言ってたのにサクッと黒字化したり。なんじゃそら。
    特に前半の数百ページの子供時代は、2ページくらいで終わらせてもよかったのではないかと思った。もちろん暎の前半の苦労が銀行員になってから、暎が「どうしてそこまでして会社をつぶさずに、なんとか救おうとするのか」という理由の後ろ盾になっているのだけど、それにしてももどかしい。だってもう最初からストーリー的に、お父さんの町工場をつぶす気満々なのだもの。
    夜逃げした後に夜逃げ先の親戚の家まで、連れて来れずに置いてきた犬がたどり着くエピソードとか、「?」と思いながら読んでた。

    さらに、これは自分に経営とか会社の売買の知識がないからだけど、クライマックスのウルトラC的借金返済と不採算会社の売却劇がいまいち「すげー!」ってならなかったのも、なんのこっちゃだった。それまでこの浅い人情劇に感動して読んできた人たちは、このクライマックスの理屈ってわかるんでしょうか?

    でも、ひたすら続くご都合主義の割りに文章が読みやすいし、後半は続きが気になってサクッと読み切れたのはよかった。色々言いつつも長い本を最後まで読ませるのはすごい。まあ、終盤は暎と学生時代の友達がいきなり結婚してたり、色々全部丸く収まってたり、と、迅速かつ強引な伏線回収で内容自体もスカスカになってたので、サクッと読めたというのもある。
    ただ、半沢直樹とかノーサイドゲームのドラマを見たあとと読後感は変わらないので、ドラマが良くできてるというか、本読む必要ないというか。
    エンターテイメント小説ってあんまり読まないのだけど、こういうものなのだろう。

  • テーマ 宿命

    アキラ無双。

    中尾彬ではない。なので首に巻くやつもでてこない。

  • 池井戸潤 2006~9の連載小説

    町工場 倒産の悲劇を幼少に受けた瑛、
    海運会社一族の御曹司 彬

    育ちは違うが、幼少期の生活の中で出会った銀行員や仕事への想いから バンカーへの道を進む。

    人気が出た半沢直樹や空飛ぶタイヤ、下町ロケットのような緻密で組み上げられた盛り上がりは弱かったように思うが、其々の仕事に向ける情熱は面白く描かれていた。

    生まれが違う`あきら‘は対立するのは 入社の研修だけだったけど、私はそこが一番面白かった。
    大学でのライバル要素ももう少し欲しかったです。

    でも 粗削りな池井戸潤 面白かったです。

  • 人生初の池井戸潤作品、ということで、知人から借りて読んでみました。かなりの分厚さですが、文体は読みやすく、サクサクと読み進められました。綺麗で読みやすい文章、という印象です。

    で、すみません、肝心の内容なのですが、、、うーむ、すみません、あまり、そこまで、ハマれませんでした、、、単純に、好みではないなあ、という感じでございました。ごめんなさい、、、うう、肌に合わなかった、ということだと思います。

    「アキラとあきら」というタイトル通り、山崎 瑛(やまざき あきら)、階堂 彬(かいどう あきら)という二人の、同じ名前の人物が主人公でして、物語の最初と最後には瑛の方の描写なので、どっちかゆうたら、ホンマのところは、瑛の方が主役、と、池井戸さんは考えていたのかなあ?とか思いましたが、

    なんというか、どっちかゆうたら、彬の方が物語のメイン?というか、東海郵船グループ企業?の話がメイン?というか、なんだか、焦点が、よお分からん、、、銀行モノなのか?どうなのか?企業モノ?むう、なんだか、ちょっと、焦点がわからない、、、感じでした。個人的には。まあ、人間ドラマ、ということなのでしょうかね、うん。

    登場人物が、ちょっと、紋切り型かなあ?という感じは、しました。悪役は悪役だし、主人公たちは頑張りタイプだし、女性キャラは、、、あんまり目立たない?感じ?分かりやすくて良い感じもしますが、ごめんなさい、そこまで、こう、魅力的に感じられる人物が、、、いなかった、、、単に自分の好みの問題なのだと思います。

    瑛と、マドンナ?的存在の亜衣の関係も、なんだかよお、わからんかった、、、いきなり最終章で結婚しとるがな。どこで再会してたんだ?あと、ガシャポンの再登場も、なんだか唐突だね、みたいな。あと、もと工場で働いてて、その後神父さんになっていた?保原のお兄ちゃん?も、なんだかもっと出番あってもええんでは?とか思ったり。

    うーん、という感じというか、どういう感じだ?という感じですが、あんまり自分には合わなかった。池井戸さん、ごめんなさい、、、という感じの小説でした。好みって、難しいですね。

  • 文章は軽く明快ですいすい読めちゃう感じ。

    池井戸さんらしく、重たくなりがちな経営や金融の流れをわかりやすく、くどくなくストーリーが理解できるよう話を進めてるのはさすが。

    ただ、タイトルと設定の回収が甘すぎる。ページの割に最後を巻きすぎたせいか物足りなさが半端ないな。。

    続編を構想してるのか?もしくは、タイトルの期待が過ぎたか。

    あきらとアキラの掛け合いや触れ合いが少なかったことが残念。

著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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