朽ちないサクラ (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198943233

感想・レビュー・書評

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  • 虎狼の血シリーズが好きなので、こちらも。

    はじめの衝撃的な事件で一気に引き込まれましたが、途中公安やカルト宗教の話が出てから段々と盛り下がり、最後は惰性で読み切りました。

    この作品はあまり印象に残りませんでしたが、柚月裕子さんは好きなので、次の作品に期待。

  • 公安やカルト教団という陰謀論的な要素もありつつ、話の筋はしっかりしているので、続きが気になり読んでいると時間を忘れてしまう。毎回書いているが、人物を魅力的にみせるのが上手いので、読みおわってからまたすぐにこの登場人物たちのその後の物語が読みたくなる。

  • 米沢県警広報広聴課に勤務する入社4年目
    29歳の森口泉が主人公
    ストーカー被害を警察に訴えたが
    女性は殺害された
    当時警察は慰安旅行
    泉は親友の新聞記者の津村千佳に
    慰安旅行の件を話してしまう
    その千佳も殺害された
    泉は同期の礒川刑事と事件を独自で調べる

    真相がなかなかみえない
    最後の最後まで真犯人が分からなかった
    真相にたどり着いた泉の決断にエール
    たくましく正義に溢れた泉、頑張れ!!

  • 面白くて一気に読んでしまった。
    最後まで真犯人がわからず、面白かった。
    まさに「公安の闇」だった。
    もし本当にこんなことが曲がり通っているなら信じられない。

  • 単行本で読了していたが、文庫本で再読。
    単行本の方に感想を書いてなかったので、この機会に。

    ストーカー殺人事件、カルト教団によるテロなど、実際にあった事件を思わせる事件を主軸に、警察不祥事、新聞記者、公安警察とのせめぎ合いなどをからめた物語。

    県警所属ながら中途採用の広報職員という捜査権を持たない立場の女性・泉の視点から物語が進む。
    だからこそ、命を落とした女性たちの無念に心を寄せ、真相に迫ろうとする思いは強い。
    逆に、捜査権や人事権を持つ強い立場の男性たち、公安という巨大な組織の、ときに個人の思いを顧みない非情さが対照的。

    真相に限りなく近づきながら太刀打ちすることは叶わなかった泉の、『警察を辞めて、もう一度警察を受ける』という、打ちのめされても前を向こうとする決意が、清々しい。

    近作を読んだあと読むと、殺される女性たちが揃いも揃って不倫してたりして、女の秘密の悩みってそれしかないのかい!…といくらか物足りなさも感じたが、ストーリー展開や緊迫感、登場人物それぞれの正義のあり方など、柚月作品の魅力はしっかり楽しめた。

  • 面白かった
    警察を舞台にしたミステリー

    警察官ではなく、広報職員の泉が主人公

    ストーリとしては、
    ストーカー殺人事件が発生。しかし、その被害者は家族と共に何度も警察に訴えていました。
    しかし警察はなかなか受理せず。
    なぜ、警察はその訴えを受理していなかったのか?
    そんな警察不祥事のスクープ記事が出てしまいます。

    その一部を親友の新聞記者にしゃべってしまっていた泉。口止めいたはずがスクープ記事が出たことによって、親友に裏切られたと思い、詰め寄ります。
    しかし、親友は自分ではないと、そのスクープの真相を明らかにしようとしていた折に、死体で発見されます。

    誰が彼女を殺したのか?
    泉は警察学校の同期の磯川とともに、独自に調査を始めます。

    そして、次第に明らかになる事実。
    公安やカルト教団など、さまざまな登場人物も出てきます。
    最後、明らかになる真実。
    それは、警察の闇でした。

    サクラの意味も分かりました。
    そのうえで、泉の最後のセリフがいい

    「警察を辞めて、もう一度警察を受ける」
    「私、警察官になる」

    お勧め!

  • 社会の矛盾、理不尽さを感じる人間社会は複雑だ。この小説では警察と公安での立場の違いから「守る」立場が違い、国民一人一人に対して国家的概念の違いが犠牲を招いてもそのまま葬ることになる。未解決の事件事故などその両者が絡むものは「地位」「権力」における格差は見た目以上に深く、巨大なもので、無已やにされているのも多いのではないかと疑問を持たせる。。

  • 序盤の展開は一気読みでした。中盤からはなかなかページが進まず読了に時間がかかりました。
    ラストは先が読めてしまい、終わり方もちょっと物足りないとゆう印象でした。シリーズ化されているみたいなので、次作に期待したいです。

  • 続きもの、ということであれば、こういう感じの起伏とエンディングとするのが、普通の考え方かな・・。構成の妙を楽しむというよりも、主人公の成長を追うような感じ。

  • Amazonの紹介より
    警察のあきれた怠慢のせいで
    ストーカー被害者は殺された!?
    警察不祥事のスクープ記事。新聞記者である親友に裏切られた……口止めした森口泉は愕然とする。情報漏洩の犯人探しで県警内部が揺れる中、親友が遺体となって発見された。警察広報職員の泉は、警察学校の同期・磯川刑事と独自に調査を始める。次第に核心に迫る二人の前にちらつく新たな不審の影。事件の裏には思いも寄らぬ醜い闇が潜んでいた……。



    映画化されるということで読んでみました。この作品の続編「月下のサクラ」を読了していたので、個人的にはいかにして「警察官」になったのかが描かれています。

    ストーカー事件を皮切りに友人の裏切り?や警察の闇が明らかになっていくのですが、特に警察における闇事情にはため息をついてしまいました。少数の犠牲よりも大勢の命を守るということになかなか闇すぎるなと思ってしまいました。
    友人が殺されたことで、独自に捜査していくのですが、刑事ならではの感といいましょうか、男性警察官とともに捜査する描写は、普通の刑事じゃん!と思ってしまいました。
    記者が殺されたということで、単純な事件ではないと予想していたのですが、意外と根深いものになっていただけでなく、先の読めない展開だったので面白かったです。まさかあの人が⁉といった衝撃の展開もあって楽しめました。

    題名の「サクラ」ですが、桜のほかにも別の意味があります。これを知ると、また違った題名の解釈が生まれるのですが、なかなかの骨太になっていました。

    作品では、それぞれが思う正義が描かれています。共通するのはみんな正しい方向へ貫こうと奔走しているのですが、いかんせんベクトルが違います。
    目の前の人よりも背景にいる大勢を優先することに複雑な気持ちになりました。

    なので、結末はスッキリと終わらないのではと思っていたのですが・・。やはりなんとも言えないモヤモヤ感はありました。犯人が分かっていても、どうすることもできない。その辺りは現実的でもあり、無性に腹が立ったりもしました。
    ただ、最後の泉の決断に、なにか光が射したように感じ、応援したくなりました。
    これで「月下のサクラ」に通じるんだといった個人的なスッキリ感があって、楽しめました。

    ただ、正義って何だろうと思ってしまいました。何が正解なのか?この先もわからないと思います。なかなか難しいところですが、騒動に巻き込まれないよう、十分注意して頑張ろうと思います。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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