おやすみなさい、また明日 (キャラ文庫 な 2-3)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199007392

感想・レビュー・書評

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  • 売れない小説家つぐみと大家の孫朔太郎
    好きなのに一緒にいられないというきもちがすごく伝わってきて切ない話でした。でもラストはいい感じです。
    切ないけど、幸せだったんだろうなあと思う素敵な話でした。じわじわ来て、涙が止まらなかった。

  • 凪良センセだからこそ書けた話ですね。男同士で好きになっていろんな障害を乗り越えて、やっと幸せになれてよかった…!という萌えがあるのがBLの良さでもあり、お約束でもあり。その後どうなった?と気を揉むと、今度は後日談的ショートで安堵させられるってのがいいところなんですよね。

    でも、ほんとのところの終着点はそこじゃないよ、ということを訴えてくるのがこの作品。
    わかってるつもりなんですが、あえてそこは考えずに妄想のみに浸りきってるんですよね…
    しかし、この話では読者が無視してる部分をがっつり描ききっていて、びっくりしました。

    晴れて恋人同士となって幸せに暮らしていたはずの、その後。障害を乗り越えて結ばれた、その後。
    二つの恋の顛末は痛かったです。世間体から外れることができない相手に突然捨てられることも、病のせいで徐々に想いを伝え合うことができなくなることも、理不尽すぎて悲しくて、ほんとにつぐみは不憫だと思ってしまったのですが。
    SSを読んで、そうじゃなかったということがはっきりわかりました。相手を想う気持ち、愛する気持ちで生涯つぐみは幸せだったのだなと気付かされました。
    別れと、出会いと、そしてまた別れがある人生だけど、そのなかでつぐみが孤独から救われたのは、絶対朔太郎が側にいてくれたからですよね。朔太郎のおかげで、つぐみは人として成長できて強くなれたのだと感じるし、朔太郎もまたつぐみを生涯愛し愛されることで、穏やかな気持ちで生き通すことができたのだと思えました。
    最後まできっちり書いてくれて、感動もいっそう大きくなったと思います!
    人生というものを深く考えさせてくれる、大人のためのBLかも。

    ヤコ先生が登場していて、相変わらずの気風のよさが爽快でステキでした!

  • 号泣した。
    BLを読んでこんなに泣いたのは初めて、ってくらいに泣いた。
    とにかく切ない。どう切ないのかは、タイトルの意味がわかる辺りまで読んでいただければわかると思う。そこから先からは、私は涙で読めなくくらいに泣いた。
    最後のSSは、人によって評価が分かれるとは思うけど、私は有りだと思う。あれがあることによって、想いの重さが違ってくる。


    まあ、ひとつ、萌え的な部分も。
    ヤコ先生登場して、ちょっと嬉しかった。木村良平声で脳内再生してニヤニヤしつつ、だったら、イラストはあっちの人と同じにして欲しかったな……。と、思うであります。

  • なんでも屋×小説家

    よくあるアパート物で、個性的な隣人とちょっと訳あり大家に囲まれて。
    って、簡単に書けばそうなんだけど。
    そこは、さすが凪良氏。重みと深みがあって読ませてくれました。

  • 降り積もる雪を眺めているみたいな気持ちになりました。

  • 胸がしめつけられるようなお話でした。
    ★の評価もちょっと今はつけられない…かな。

    最後のSSは、担当さんが仰るように桃の話で終わってもよかったかなとも思いますが、凪良先生の言うように最後まで書ききったのもありだと思います。どちらがいいか、と言われるならば、担当さんの方に同意するかも。あの終わり方は、残された朔太郎さんの『こころ』の哀しみを寄り添って感じることしかできないから。凪良先生の想いも気持ちも分からなくない…というか、書ききりたいという気持ちもすごくよく分かるんだけど、なんというか……うーん、むつかしい!評価難しいです。あれですね、朔太郎さんに病状の救いがない分、読み手としては読み進めるのが辛かったかな。それだけは言える。でもそれはお話の良し悪しではなくって。ただただ切なさだけが残りました。おやすみなさい、また明日、という言葉は本編のつぐみさんと朔太郎さんのやり取りでもあるし、あのSSを読むと、つぐみさんに会いに行けなかった、だから今夜はおやすみなさい、また明日…にも取れました。うーん、大好きな凪良先生の作品だけど、今回は評価つけがたい。
    ただひとつ個人的に残念なのは、パラドルのヤコ先生とのやりとりがあるならば『恋愛前夜』の作画の穂波ゆきね先生が作画担当されたらよかったかな。小山田先生の作画は好きだけど、他作品と繋がりがある分、絵のギャップがあって脳内妄想が難しかったです。

  • 読んでいて、つくづく「伴侶が欲しい」気分になりました。

    あとがきに、本編のその後のSSについて、読者は賛否両論だろう・・という作者の言葉がありましたが、私はあれがあってこそ、生きる作品かなあと思いました。

  • 終始ボロ泣きだったが、タイトルの意味を理解して涙腺崩壊。
    朔太郎の、どうやっても抗えない事になんとか折り合いをつけようとしてもうまくいかない。
    苦しさに変わりは無いというのに胸がキリキリしました。
    またつぐみの孤独も悲しかった。
    世の中にはこうした外側からは誰も解らない苦しみを抱えている人がいるんだろうな。
    最後のお話はあって良かった。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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