ベーカリーは罪深い ダイエット・クラブ1 (ランダムハウス講談社文庫 ス 5-1)
- 武田ランダムハウスジャパン (2009年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270102985
作品紹介・あらすじ
とうとう体重125キロを超えた図書館長ジェイムズ。バツイチでデブ。そんな負け犬はもう嫌だ!思い切って、誘われたダイエット・クラブに入ってみることにした。その名も、"デブ・ファイブ"。ところが、敬愛する町一番のベーカリーで殺人事件が起こったものだから、みんなで犯人探しへ乗りだすことに。なんとも美味しそうな事件現場のケーキにクッキー、焼きたてパン。甘い誘惑にも負けず、みごと事件解決なるか!?コージーミステリ・シリーズ第1弾。
感想・レビュー・書評
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ダイエット仲間が事件に巻き込まれるコージー・ミステリ。
珍しく男性が主人公ですが、楽しく読めました!
ジェイムズ・ヘンリーは図書館長で、35歳。
故郷の田舎町クィンシーズ・ギャップに帰ってきたが、気難しい父親はほとんど自室にこもりきり。
妻とは離婚、大学教授の職も失い、気づけば125キロになっていた!
デブでバツイチの負け犬とがっくりしていたところ、ダイエット・クラブに誘われ、5人でダイエットに取り組むことになります。
その名も<デブ・ファイブ>!
高校の美術教師で元気なリンディ。
保安官事務所に勤めるルーシー。
郵便配達の黒人男性ベネット。
<セレブなワンちゃん>という店をやっているトリマーのジリアン。
みんな性格が良くて、それぞれ一番好きな食べ物の誘惑にどうしても勝てないのも、ユーモラス。
ジェイムズは中でも、綺麗な青い瞳のルーシーに一目ぼれ。といっても、内気なので、なかなか気持ちを伝えられないのですが。
図書館員の双子の青年がとってもいい子達で、ジェイムズは前の館長が許さなかった企画を通してやったり、気も合って、だんだん人生が楽しくなり始めます。
そんなとき、町一番のベーカリーで事件が!
ジェイムズも知っているダイナーのウエイトレスに容疑がかかります。
事務員のルーシーが保安官代理になりたがっているのを応援したい気持ちもあり、みんなで推理を働かせていると‥?
地元に根をはる職業人なので、それぞれの知識もあり、どたばた素人捜査もそれなりに無理なく展開。
田舎町らしい催し物も楽しい。
ダイエットはなかなか上手くいかないようですが~レシピはけっこう美味しそう。
何よりもジェイムズの暮らしに少しずつ光が見えてくるため、気分よく読み終われました。
続きも楽しみです☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学で教授をしていたジェイムズは、母親の死を機に職を辞め図書館長として故郷に戻ってきた。地元のダイエットサークルに誘われ参加したジェームズは、お気に入りのベーカリーで人が死に、その容疑者がその店員だったことから仲間と共に捜査を開始する。その店員は釈放されるが、まもなくひき逃げに合いそれをジェームズが発見する。
キャラクターたちはどれも個性的で、出てくる食べ物はいかにもアメリカ的。サスペンスとしてはいささか場当たり的な感も否めないが、素人探偵たちの行き当たりばったりには合っているともいえる。 -
1年振りに恐る恐る乗ってみた体重計が示した数値は125㎏!!
三年前から別居していた妻から離婚訴訟を起こされ、母を亡くし、気難しい父の面倒を見るため田舎町へ戻ってきたジェイムズ。
デブでバツイチの負け犬な自分をどうにかしないとー
一念発起してダイエット・クラブへ入ってみて、励ましあえる4人の仲間と出会う。
そんな日、町一番のベーカリーで殺人事件が!
ダイエット仲間のルーシーが保安官代理を目指していることもあり、皆で捜査を始めるが…
捜査にもダイエットにも困難がいっぱい!
コージーミステリ・シリーズ第1弾。
ダイエット・クラブの名前が〈デブ・ファイブ〉!
いつの日か〈ナイス・ファイブ〉を目指す仲間は
主人公で図書館長ジェイムズ
高校の美術教師のリンディ
トリマーのジリアン
郵便配達員のベネット
保安官事務所の事務員ルーシー
の5人。
殺人事件としては、被害者が酷い奴なので、疑われた善良な娘を救うためと、ジェイムズはルーシーに一目惚れなのでそれで張り切っちゃう部分も有り…
でも読んでてもルーシーってあまり魅力的だとは感じないんだよね…
個性豊かな人物が脇を固めてるから、なんだろうケド。
なんといっても双子の図書館員フランシスとスコットが良い味出してると思う。
気難しい父との確執も、父の秘密の作業(素敵な秘密!)が明らかになって和らいで良かった。
しかし125㎏とか日本人だとあまり居ないよね?
体質的にそこまで太る前に糖尿病とかになっちゃうんだろうけど…
物語の終盤にダイエットの報告もあるのですが、あまりの結果に愕然★
私も昔は太ってて大幅ダイエットしたけど‐こいつらやる気無いだろ…な結果だと思。
100㎏越えの4~5㎏なんて誤差みたいなモノでしょ?
本人達は喜んでるけども!
そんなおデブが揃ってるので、美味しそうな描写も盛り沢山でした~特にハロウィン関連楽しそうだし♪
気楽に読めて、〈デブ・ファイブ〉のダイエット状況も気になるし、食欲の秋に丁度良い感じなのでシリーズ続けて読んでみようっと☆ -
カレン・マキナニーの本にこのシリーズのことが書いてあって、面白そうだったので。
ともかく、色々と美味しそうだなぁ。日本ではあまり馴染みが無い料理やお菓子が多いですけれど、それを差し引いても美味しそうでなごなごします。
割と犯人は唐突な感じですが、すらすらと読めて楽しかった。ミステリ要素よりも、デブ・ファイブの面々のキャラが面白くて。彼らはホントに瘠せたいのかしら…w -
コージー・ミステリーのうちの、ミステリーよりはコージー(居心地のいいという意味)色の強い作品。ちょっと(?)おデブな主人公が、同じような体型の人達でつくるダイエットを目標とする「デブファイブ」に参加する。このグループごと、ちいさな町で起こった殺人事件に首を突っ込んでいき、さらには命の危険まで。。。ダイエットと言いながら、美味しそうな食べ物がいろいろ出てくるので、読んでいるほうはダイエットできません(笑)。
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面白かった!!(#^.^#)コージーには珍しい「男性が主役」のシリーズ第一作。元々太っていたのに離婚や転職であっという間に125キロになった図書館長のジェイムズ。偶然、ダイエットクラブのメンバーになり、仲間と励ましあいながら少しずつ減量していくのですが、時には欲望を抑えきれずに・・・なんて、わかる、わかる。アメリカの肥満って日本とは規模が違うなぁ、と思いつつ、みんな「ゆさゆさした」肉体をなんとかスリムに、と、前向きに頑張るところが素敵だし、図書館の部下の双子とか、町の人たちとか、好ましい人物がたくさん出てくるのがとても嬉しい。もちろん殺人事件はあるわけですが、その謎解きもなかなか凝っていて面白く読めました。始まったばかりのこのシリーズ、第二作の翻訳発行は来年の二月だとか。ジェイムズとお父さんの関係も興味津々だし、恋の行方も気にかかる。そして何より、口下手で友だちがいなかった・・と自らの青春時代を振り返るジェイムズを、新しい角度から認めてくれる仲間に巡りあえた嬉しさが伝わってくるのが一番よかったかな。次回も楽しみです。(#^.^#)
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おもしろかったー!ダイエットクラブの太った面々が事件を解決するという新シリーズ。母が死んで、ひとりになった父と同居するために、田舎に戻ってきたジェイムズ35歳、バツ一、田舎の図書館長、太りすぎ。この先いいことなんかなんにもない、という雰囲気ではじまったところもなんだかすごくよかったんだけど、わりにすぐ、ダイエットクラブに入って友達や恋人候補に出会って。(ダイエット以外は!)とんとん拍子すぎて、ありえない、と少し思いつつ、現実もこんなふうだったらいいなー、と楽しい気持ちになる。ときどきジェイムズが寂しかったりつらくなったりすると、だれかから慰めを得られるってところもよくて。食べちゃいけないと思いつつ、ストレスがかかると好きなものをドカ食いせずにいられない、って感じもなんか共感させられるような。チートスが食べたくなる(笑)。いろいろな店がアイデアを凝らしたハロウィーンの山車だとかイベントだとかの細部がすごく生き生きと描かれていて楽しい。(コージーの神も細部に宿るのですよ)。あと、図書館長だけに本の話がけっこう出てくるのもいいなと。
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バツいちでデブ。負け犬になって故郷に戻ってきたジェイムズが、ダイエットに励む仲間と殺人事件の犯人捜しに乗り出す。
まずジェイムスが参加するサパー・クラブの名前がいい!
デブが5人で「デブ・ファイブ」。
語呂もいいし、クラブの内容が一目で分かる。そして笑える。
デブ・ファイブのメンバー5人も男女揃って個性的で、それぞれが自分の能力や立場を生かして事件の謎を解いていく。
引っ込み思案で自信をもてないジェイムズがダイエットに恋に、さらには犯人捜しに頑張る姿を見ていると、自然と応援してしまう。
欠点もあるし、ダイエット中なのに大好物のチートスを食べてしまったりするあたりも好感を持たせる要因かも。
ミステリ部分もそれなりにきちんとしていると思う。
最後まで犯人が分からないということはないけれど、それまでに怪しい者を登場させたりしてきちんと定石を踏んでいる。
少なくとも事件をきちんと書こうとしている姿勢はいい。
後日談のオチもよくあるけれど、この話には合っていた。
デブ・ファイブが痩せてしまったらシリーズが続かないだろうから、少なくともジェイムズは当分ダイエットに励んでいくんだろうなぁ。
次作、どんな頑張りを見せてくれるか楽しみだ。 -
J・B・スタンリーの「ダイエット・クラブシリーズ」の第1弾!
大学教授のポストを捨て、生まれ故郷で図書館長の仕事に就いたジェイムズ・ヘンリー。
母が亡くなり、世捨て人のように心を閉ざす父との暮らしに閉塞感を感じていました。
ある日ダイエット・クラブに勧誘されたジェイムズは、思い切って参加してみることに。
同じ悩みを持つ仲間と出会い、久しぶりにワクワクする気持ちを味わいますが、街でめったにない殺人事件にクラブのメンバー全員で関わっていくことになります。
ミステリの面では、クラブのメンバーそれぞれの仕事を活かした積極的な聞き込みや、第二・第三の事件など動きがあっておもしろいです。
特に読者が推理できる要素はないのですが、大きな展開が多いので飽きません。
何よりの読みどころは、やはりダイエット・クラブのシーン。
毎週末メンバーの家で開催するのですが、メンバーの住まいから感じる個性や暮らしぶり、毎回登場するダイエットメニューも勉強になります。
食べ物大好きなメンバーの語る料理やお菓子は、本当においしそうで食べたくなります。
ストレスを感じるとついつい好物に手が伸びてしまうという、ダイエットあるあるも共感でき、メンバーそれぞれのエピソードは微笑ましいです。
こんな楽しい雰囲気のクラブがあったら入りたい。
同じ目標を持って励まし合いながら頑張れるっていいですね。
◇おすすめポイント
・楽しげなダイエット・クラブの描写
・おいしそうなダイエットメニューの数々
・ダイエットあるあるが微笑ましい
◇こんな方におすすめ!
・ダイエットを楽しみたい
・新しい挑戦をしたい
・自分の人生に閉塞感を感じている