- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309004709
作品紹介・あらすじ
万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生。
感想・レビュー・書評
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短歌好きで、いろいろ集めて、読んできたけど、
なんか、ようやく、本当のところの良さがこの本でわかった気がする、すごいなあ、名作で良作です。
文字を目で追って、頭の中で短歌の音と一緒に読んでみて、無駄を限りなく削ぎ落として伝えてくるものに、胸がぎゅーとなって、素敵だなあってしみじみなる。
思い出はミックスベジタブルのよう
けれど解凍してはいけない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃめちゃよかった。
有名な表題のサラダ記念日の歌も、恋愛の歌も、日常の歌も。
読むとその時の万智さんの心情がすっと入ってくる感じ。
どうしてこんなにきれいに31音にまとめられるんだろう。
今作は俵万智さん20代前半の作品だったから、
次は今の私と同じくらいの歳に作られた作品を読みたいと思った。 -
2023.12.26
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著者、俵万智さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
---引用開始
俵 万智(たわら まち、1962年〈昭和37年〉12月31日 - )は、日本の歌人、エッセイスト。本名同じ。結社「心の花」所属。所属事務所は東京コンサーツ。父は希土類磁石の研究者の俵好夫。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生。
---引用終了
本作は、1987年5月8日 初版発行です。
そして、手元の本作は、1987年8月1日 六十版発行です。
当時、売れに売れた歌集であったことが想像されます。
私も書店で手にとった記憶があります。
本作の最初の短歌は、
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この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」
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そして、本作のタイトルのもとになったと思われる短歌は、p125にあります。
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「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
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短歌好きになった。
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表題作や有名な作品はもちろん知っていたが、歌集として読んだのは初めて。
ままごとのような可愛らしい恋もあれば、達観したような視点にドキリとさせられる恋もある。
恋愛の歌だけでなく、不器用ながらも愛情あふれる父と娘の歌、教師の目線から詠んだ歌なども、おもしろい。
おそらく詠み手のリアルな実体験に、ほんの少しのフィクションを効かせたのであろう匙加減が、言葉のみずみずしさを引き立てていて、こういうところが当時の若者にウケたのかなあ、などと想像しながら読んだ。
まるで、カメラのシャッターを切るように、一瞬を31音に閉じこめて、そのまま真空パックにしたような。
それくらい、時を超えても鮮度の高い作品だと感じた。 -
2018/01/16 読了。
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当時、私が好きだったのは
線を引く ページ破れるほど強く
「信じることなく愛する」という
揺れ動く気持ちや
情景を鮮やかに切り取るような表現が素晴らしく
天才だと思った
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30年ぶりに読み返したけど、やっぱりいいね。携帯電話がなかったあの日に帰りたい。あの時代に生きた人にしかわからないかな。
こういう本が何百年後かに万葉集みたいに、あの時代の人の生きざまを伝える古典になっていくのかな。