- 乳と卵 (文春文庫 か 51-1)
- 川上未映子
- 文藝春秋 / 2010年9月3日発売
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文体が独特で、ずっと話し言葉というか、主人公の思考の中に入っているような感覚だった。
胸がしぼんでいくことも生理も妊娠も、自分でコントロールすることはできなくて、自分の身体だけど分からないことばかりで。でも自分の身体だから逃げることはできない。
「だいたい本に書かれてる生理はなんかいい感じに書かれすぎてるような気がします。」
そうだよなあ、ハッピーを感じることよりもやもやを産むことの方が普段断然多いよなあと思った。
2024年4月19日
- マンガでわかる 今日からしつけをやめてみた
- 主婦の友社
- 主婦の友社 / 2018年3月7日発売
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普段、結構子どもに命令しちゃってるかもなあと思った。
「絶対に折れようとしないのは、子どもではなくあなたでは?」まさにその通り!
「親の思い通りに動く子を育てることが、子育ての目標ではないのです。」
親がここは譲れないという芯を決めて、それ以外は子どもが自分で考えられるよう導いてあげることが必要。
親のためのいい子ではなく、1人の人として気持ちを尊重して接していこうと思った。
こうして文章にすると当たり前のことなんだけど普段の生活ではついつい忘れてしまうことを考えさせてくれた。
2024年4月19日
言葉にするのがとっても難しい。
序盤からずっと加賀美が嫌いだった。
ニキの邪魔をしないでって思っちゃって、ニキが傷つくのが怖くて読み進むのにためらってしまうほど。
ニキは他人からは1人の人として扱われたくて、でも彼氏にだけは女として扱ってほしかった。
これって働く男性は特に意識しない感情だよね?
頑張って虚勢を張って強く見せようとするニキが痛々しくて苦しくなった。
実績もお金も手に入れた後の加賀美がニキのことを"ニキ"と呼び捨てにしていて、ぞっとした。やっぱり嫌いと思った。
2024年4月19日
くどうれいんさんの食にまつわるエッセイ集。
おいしそう!食べたくなる!という感じではなく(そう思うのももちろんあったけど)その時の感情がメイン。そしてその感情がおもしろい。
たくあんの話で、東北在住れいんさんの実体験の俳句を東京の句会で詠んだら「いかにも日本の昔の風景でやや演出がすぎる」という感想を言われたという、地域によって歌の受け取り方が変わるって話は面白かった。
瓶ウニ、めちゃくちゃ食べてみたいな~!
2024年4月6日
めちゃめちゃよかった。
有名な表題のサラダ記念日の歌も、恋愛の歌も、日常の歌も。
読むとその時の万智さんの心情がすっと入ってくる感じ。
どうしてこんなにきれいに31音にまとめられるんだろう。
今作は俵万智さん20代前半の作品だったから、
次は今の私と同じくらいの歳に作られた作品を読みたいと思った。
2024年3月26日
- [図解] アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング
- 安藤俊介
- ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2018年9月26日発売
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- 子どもも自分もラクになる 「どならない練習」
- 伊藤徳馬
- ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2020年11月20日発売
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- 寂聴さん最後の手紙 往復書簡「老親友のナイショ文」
- 瀬戸内寂聴・横尾忠則
- 朝日新聞出版 / 2022年3月7日発売
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この事件が他の同様の事件と違うところは、加害者が東大生であること、レイプではないこと、そして事件後にあった被害女性への誹謗中傷だと思います。
結局私たちは普段ニュース記事を読むとき「東大男子学生」や「女子大生」という記号でしか見ていないんだなと思った。
そこに至るまでの経緯とかそういうのはこちらには分からないし、分からないから自分や他のコメントから情報を勝手に補完して「東大生狙いの女子大生が~」とか「もう一人の女がちやほやされたから悔しくて~」とかの発想になっちゃうんかな。
私はもちろん誹謗中傷なんてしないけど、そういうカテゴライズとか無意識にやっちゃってるなと思った。
この事件って男女逆だったらどうだっただろう?東大生女と低偏差値男子大学生で男が被害を訴えたら?
それでも女が叩かれそうと思ってしまった。
2024年3月26日
- ([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫 も 3-1)
- 森見登美彦
- ポプラ社 / 2011年4月6日発売
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森見さんの本はいろいろ読んできました。こちらも森見節で面白かった。
ずっと主人公守田の書簡で話が進んでいきます。
同じ話でも相手によって内容を変え態度を変え手紙を書いている様に、よくできた主人公ではないけれど愛着は確実に湧いてきます。
本人は悲観している将来だって、伊吹さんとの恋愛だってこんなに周囲から愛されている主人公なら上手くいきそう、と外野は思うけど。まあ外野だから面白いのであって、本人にしたらどちらも大きな問題。
森見さんの描く男子大学生はいつも、こんな大学生活を送りたかった、いや送りたくないか・・という気持ちにさせてくれます。
2024年3月2日
- 名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫) (文春文庫 な 58-4)
- 中野京子
- 文藝春秋 / 2016年3月10日発売
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女性画家アルテミジア・ジェンティレスキによるユーディト像『ユーディトと侍女』。
本書の中ではこれが一番気に入りました。
ユーディト図像はいろいろ見たことありますが、初めて出会った、若い侍女と頼りになりそうなユーディト。緊張感のある絵ですが二人の間には他の絵には無い、シスターフッドを感じます。
聖書における男尊女卑の繰り返しに辟易していた中、1600年代に女性がこのかっこいいユーディトを描いていたことに驚きました。しかもカラヴァッジェスキとは、推せる。
2024年3月5日
- 好きか、嫌いか、大好きか。 で、どうする?
- 夏木マリ
- 講談社 / 2018年2月23日発売
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当たり前のようですけど、やっぱり自分が動かないと自分の思うような人生には近づけないよなあと思いました。
何もせず受け取れる人生なんてなく、結婚とインプラントって同じ、のところの話でもあったようにやっぱりスタートしてからの手入れが大切。
2024年3月2日
- 江戸POP道中文字栗毛
- 児玉雨子
- 集英社 / 2023年9月26日発売
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私は作詞家、児玉雨子さんのファンです。
雨子さんの歌詞はいつもフラットで、偏ってない。でも私たち女子に(きっと男子も)明日からも生きていくエネルギーを与えてくれます。
本書は全く前知識なく読んだので、古典文学の話と思っておらず日本史超苦手な私はひるみそうになりました。
でも、いつもの歌詞のようにフラットな目線で語られる江戸時代文学に「へ~知らなかった」と興味深く読めました。
「ありがた山のとんびからす」っておもろ(泣きながら笑う絵文字)
本の中で何度も触れられていますが、江戸時代という時代的に女性蔑視な世の中で生まれた作品たちだから私は結構内容に引く部分も多かったです。
昔の作品だから仕方ないけど、私は結構引いてしまうタイプ。でもちゃんとその部分に触れて解説してくれてるから楽しく読めた。
女性蔑視を無視した書き手だったら最後まで読めなかったかも。
シスターフッドの物語に生まれ変わった山東京伝『青楼昼之世界錦之裏』は特によかったです。
2024年2月22日
- 教養としての近現代美術史
- 三田晴夫
- 自由国民社 / 2019年12月27日発売
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以前ドキュメンタリー映画で初めて出会った絵画、ジャコモ・バッラ「鎖につながれた犬のダイナミズム」。
犬の足の動きと、女性の足元でスカートのフリルの揺れる動きが呼応して、まるで犬の吐息や衣擦れの音が聞こえてきそうな絵でとても惹かれた。好きになった。
後に調べるとその絵は未来派という括りに属するということを知った。
でも未来派の詳細は知らず、その絵を好きで居続けた。
今回この本を読んで(全ては読んでないけど)未来派とはどういう思想でどういうことを表現していたか初めて知って本当に衝撃を受けた。
「速度の美」に着目して、男性優位的な思想と男性的なモチーフを好み、女性蔑視を賛美していたなんて!
好きだった絵を見る目が変わった。でもネットで調べるとバッラは「他の未来派とは違って、機械や暴力的な要素からは距離を置いた作風が特徴」とも書いてある。
もっとバッラのことを詳しく知りたい。
知ると知らないとではこんなにも絵の見え方が変わってくるなんて、知らないって怖いとそれからずっと考えている。
2024年2月2日
- しなさいと言わない子育て
- ボーク重子
- サンマーク出版 / 2022年6月15日発売
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子育てで自分が一番難しいなと感じているのは、私自身の感情のコントロールです。
つい感情的になって子どもにイライラをぶつけてしまう。感情で、恐怖で「何かをやめさせる」ことをしちゃってる。
子どもに一番なってほしくないのは、今の自分のような大人です。
"感情というと「抑える」とか「コントロールする」という風に考えがちですが、「感情のコントロールとは抑えること」から「感情のコントロールとは発散させること」とマインドチェンジをします。"と本書の中にありました。
コントロールではなく、害のないところで発散させる。これを繰り返し思い出していきたいです。
子どもとの向き合い方もそうですが、自分との向き合い方の参考にもなりました。
2024年3月2日
- ぜんぶ運命だったんかいーーおじさん社会と女子の一生
- 笛美
- 亜紀書房 / 2021年7月20日発売
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笛美さん、この本を書いてくれて本当にありがとうございます。
これまでどれだけ自分の中に女性蔑視があったか、考えると恐ろしくなります。そしてそれは今もあるかもしれない。
でも私は"フェミニズムを知って自分を変えることができた"それを誇りに思っていきいたい。
何か自分にできることをしたい、そう強く思いました。
2024年2月22日
- 女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4)
- 有吉佐和子
- 河出書房新社 / 2023年1月10日発売
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めちゃくちゃ面白かった!
過酷すぎるニューギニアのヨリアピ滞在期。
私も出不精で運動不足の運動嫌い、ヨリアピには絶対に行けないし行きたくない。こうやって本にしていただいて知れることに感謝。
2023年12月4日
- ダイオウイカは知らないでしょう
- 西加奈子
- マガジンハウス / 2010年10月28日発売
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- 君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)
- 吉野源三郎
- 岩波書店 / 1982年11月16日発売
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同名ジブリ映画を観たことがきっかけで手に取りました。
一番印象に残ったのは、上級生たちの行動を言い表した言葉たちでした。
上級生たちは学校のためにという大義名分をもって、自分が気に喰わないイコール間違った奴だと頭から決めつけてよくない行動に出ます。
「大きな誤りは、この人々が、他人の過ちを責めたり、それを制裁する資格が自分たちにある、と思いあがっていることです。同じ中学生に、そういう資格はないはずです。」
わかる、自分と違う考えの人ってなかなか受け入れられません、
そして自分の間違いなんて本当になかなか認められません。
そして自分が正しいから正しくない人を攻撃してもいいような気になってしまう。
私はコペル君たちより上級生の考え方に近い大人になってしまった。(最悪)
でも、
「僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから誤りを犯すこともある。
しかし―
僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。 」
私はもうすっかり大人になってしまったけど、変わることもできる。
この本はどの章でも一貫して気付くことが大事と教えてくれました。
2023年12月14日
- 精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方
- 樺沢紫苑
- きずな出版 / 2022年3月12日発売
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映画、読書、美術鑑賞どれも大好きで遊び時間をこれらに費やすことは多い。
けどインプットするばかりでアウトプットが足りていなかったなと思った。
映画や読書で感じたことはなるべくブクログやFilmarksに残そうとしているけど感情を整理、言語化できずに諦めることも多々ある。
当たり前のようだけど、それでも書いてみないとそういう力は向上しないよな、と著者の体験を読んで改めて思った。
無目的なスマホ時間に時間を消費せず、自分のリフレッシュと向上のために遊び時間を使っていきたい~と思うけど意志を保つのはとっても難しい。
幸せな人生にするには今を楽しむことを積み重ねていくしかない
仕事以外の時間イライラして過ごすなんてもったいない!
本を読んだら感想と3つのTO DOを作成。これは今後やっていこうと決めた。
2023年9月15日
- 銀座界隈ドキドキの日々 (文春文庫 わ 2-4)
- 和田誠
- 文藝春秋 / 1997年1月10日発売
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とっても面白かった。
私は生まれてもない時代の話だけど、著名な人がどんどん出てきてわくわくしながら読み進めた。
中でも私は特に横尾忠則さんのファンなので、横尾さんとのエピソードはどれも面白かった。
当時の和田さんは横尾さんに対して嫉妬の感情がなく、純粋に友だちが売れていく、評価されていくことをうれしいと感じれていてそんな二人の関係性がとても素敵に思った。
2023年9月1日
- 短歌ください そのニ (ダ・ヴィンチブックス)
- 穂村弘
- KADOKAWA/メディアファクトリー / 2014年3月20日発売
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「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし」この歌を最初に見かけたのはどこだったか覚えていない。でも、読んだ瞬間からこの歌が頭から離れなかった。
今回私は短歌の純粋な歌集を初めて読みました。
私はぱっと情景が浮かぶ歌が好きなんだと気づいた。
2023年9月1日
- 上機嫌な言葉 366日 (文春文庫 た 3-58)
- 田辺聖子
- 文藝春秋 / 2019年10月9日発売
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