カツラ美容室別室

著者 : 山崎ナオコーラ

• 河出書房新社 (2007年12月7日発売)

作品紹介・あらすじ

こんな感じは、恋の始まりに似ている。しかし、きっと、実際は違う。カツラをかぶる店長・桂孝蔵の美容院を舞台に淳之介とエリ、梅田さんたちの交流を描く各紙絶賛の最新作。

感想・レビュー・書評

[hollyさんの感想 · 2021年11月8日]

半年前にあったやなことの正解を貰った気がした


男女の友情はある
けど単純明快な物じゃないともおもう

[ごぶさんの感想 · 2020年9月17日]

物語にすっと引き込まれていき、児童書でもないのに一気に読んでしまった。
人間模様も自然で読みやすかった。

[whitehead0511さんの感想 · 2020年9月12日]

初めて読む作家。芥川賞候補だった作品。深そうな雰囲気はある。しかしそれだけのような気もする。気に入った表現はある。「風邪をひいたときのように頭が半分冴えたまま眠りに落ちて、光るアルファベットが頭の中を移動して無意味な文書を作りまくっている夢を見て見た。」「他人と会わないでいたら、オレはゲル状になるだろう。」「友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。」

[皿田わかめさんの感想 · 2020年2月1日]

学生の時にも読んだ記憶はあったけど
当時は、人のセックス〜のイメージが強くて
それと比べると起伏が少なく面白くないな、
と思った覚えが…。

大人になって読み返すと、
新しく人に出会って
好きになれそうな予感にときめいたり、
それが持続して上手くいくはずって
勝手に舞い上がってしまったり、
向こうとの温度差や仕事の忙しさで
やっぱり感情が薄くなってしまったり、
そういうのあまり意識せずに生活に溶け込んじゃってるけど、あるあるだな。
って思って、
そういうところをきちんと書いてくれた
ナオコーラさんに少し感動してしまいました。

友情と言ってしまうにはには下心や警戒心やプライドなんかがあって割り切れなくて、でも恋愛とは違うくて、っていう妙齢の男女の関係性、こういうのもアリだよねって納得。

再読して良かったです。

[soniagandhiさんの感想 · 2018年10月22日]

他人と他人が分かりあうのは、簡単じゃない。

考え方が違うのだから衝突することもあるだろう。それが当たり前であって、それを怠ったら結局何もわからなくなるんだろう。でも、それでも分かり合えたなら、きっとソウルメイトになれるんだろうな。

争いを避けて簡単なほうに進んでいたら、得るものは自分の思ってたよりもはるかに少なかったりするんだろうな。

[poconpoconさんの感想 · 2018年8月10日]

男女でも友達になれるってことなのかな。
同性同士とは、ちょこっと違うのかもしれないけど。

[ヒロシさんの感想 · 2017年12月6日]

なんとも言えない日常的な物語

[hito-kotoさんの感想 · 2016年12月15日]

山崎ナオコーラさんの「カツラ美容室別室」、２００７．１２発行です。１９７８年生まれのナオコーラさんですから２０代最後の頃の作品ですね。登場人物は数人ですが、その人間模様、人間関係がとてもシックな感じで、私が過ごした昭和はこんな感じだったなと懐かしさを覚えました。美容室の樺山エリコ２７歳と客の佐藤淳之助２７歳の雰囲気、私は「いいな」と思いました(^-^)

[カフェで本とピアスさんの感想 · 2016年11月1日]

山崎ナオコーラさんを初めて読んだ。
はじめの5行が面白くて図書室で借りた。
日常を切り取ってみるといろんなことがある。
エリのように髪の毛を坊主にすることはないかもしれないけど、自分も何かモヤモヤしたい時は髪を真っ黒に染めたり、ぱっつんにしたりしていたな…とか、ありふれた日常のなかでも、切り取ってみるといろんなことを考えたり体験・経験している。
そういう毎日の繰り返しを見逃さないように記録していきたいなと改めて想った小説だった。

[いるかさんの感想 · 2016年5月10日]

16/05/09
一年間てあっという間だねえて思う。これ読んでとくに思った。美容師のエリちゃんとの恋なのか恋じゃないのか微妙な距離感、くー！

P41
エリが振り返って、
「おかえり」
と言う。オレも、
「おかえり」
と言った。
帰り着く際に会って、「おかえり」「おかえり」と言い合う夜だ。

P124
結局のところ、この食事会は火に油を注いで幕を下ろし、カツラさんとエリの間はガサガサに乾いたままで、オレはメンタムを塗ってあげることは出来なかった。

著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』（河出書房新社）、『論理と感性は相反しない』（講談社）、『長い終わりが始まる』（講談社）、『この世は二人組ではできあがらない』（新潮社）、『昼田とハッコウ』（講談社）などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」