消滅世界

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 2172
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024325

感想・レビュー・書評

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  • 初めての村田沙耶香の本。独特な恋愛観。この人の恋愛の本質は一言でいうと狂気なのかと感じた。潔癖であり狂っている。他の本も読んでみたいけど、当分時間を置かないと読む気にはなれなさそう。

  • 人工授精が発達し、快楽は遠退き特に夫婦間の場合は近親相姦と忌避され、恋の対象は外の恋人や漫画やアニメのキャラになったもう一つの日本。男性も人工子宮によって妊娠が出来る実験都市では「おかあさん」と「子供ちゃん」に個がない。直接的且つ科学的。正常という名の発狂に飲み込まれた人と回避した人。引き込まれた。

  • 家族、性行為、恋人、恋愛…。
    世の中のシステムといった人工物だけでなく、本能に分類されるものも含めて、その前提が問われる世界。
    本能、本質て何なのか、そもそも存在するものなのか、そんな感想を持った。
    あと、作者はこの世の中で生活しづらくないのかな、と思った。

  • もし人工授精が発達していたら、というパラレルワールドの話。

  • ぼんやりと考えていた「こうなったらいいのに」という世界が体現されていた。何よりも自分の中で「こうなつたらいいのに」と思っていたことが暴かれたことに、薄ら寒い思いをしながら読み進めた。
    「だって 、皆が何で家族が欲しいのか 、正直よくわかんないもの 。生きていくのに合理的だからってだけでしょ ?子供がいない場合は特にだけど 、いないほうが合理的だもの 。私たちはどんどん進化しているのに 、家族っていうシステムだけが残って 、宙ぶらりんになってる感じ 」

  • どうかしてる。まいった。

  • 村田沙耶香は人間のタブーにどんどん踏み込んでいくなーと思う。今回もまた。最後はある人にはユートピア。でもこれディストピア小説だよねって。

  • 読んでいる間ずっと不快感があったのは、それだけ私が現在の家族観に囚われていることの裏返しなんでしょう。
    かつての「家」制度が徐々に薄まりつつある現代のように、また同性婚が認められつつ現代のように、家族観とは固定的なものではなく、変化しうるものであることは当然。
    そうした中で、多様性を認めなければとわかっていても、あるいは認めているつもりでも、本書のように真っ向から自身の家族観とは対立しているものをみてはじめて、自身の「正常」な家族観を改めて問いただすことができるのですね。

  • 男が出産できたらいいのにー
    ってなんとなく思ったことはあったけど、
    実際そんな世の中はやっぱり変なのだと。
    恋愛、結婚、性交、繁殖、すべてがいらない世界はやはり世界の終わり。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「セックス」も「家族」も、世界から消える。日本の未来を予言する圧倒的衝撃作。

    人類の進歩と生き物としての劣化はどの時点においても現在が最新で、未来に関してはいつも懸念が尽きないものでありますが、ここにきて近未来的SF的なものが続々と実現しているのも事実。空飛ぶ車はまだですが、それ以外のコンテンツについてはどれもこれも異常な進歩を遂げているのもまた事実です。晩婚化、少子高齢化も顕著だし、人の仕事を機械が受け持つ未来もすぐそこまで来ていて待った無しの状態です。確かに世の中の命の在り方や家族の在り方に変容が起こっていて、この小説のような事が起こってもおかしくはないかもしれません。
    そんな中でこの本なのですが穴が多い小説で、ディティールに拘るのであればもう少し国の施策の根拠となるものもしっかり描いて欲しいし、性的なものからの脱却を人類規模で進んで行く趨勢であれば、避妊手術を義務化しているというのもなんとなく頷けない部分です。他にも沢山の突っ込みどころは有りますが、薄気味の悪さと尻の座りの悪さという点で及第点を取っていると思います。もう一回読む事はまずない本でもあります。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』などがある。

「2021年 『変半身(かわりみ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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