アカガミ

著者 :
  • 河出書房新社
3.19
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本棚登録 : 788
感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024608

感想・レビュー・書評

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  • 見える世界の色がグレーから虹色に変わっていくのと、
    心と体の温かさ、冷たさ
    いろんなベクトルで物語が展開していく本

  • 面白かった。性的な事に嫌悪感さえ抱いていたのに、まぐわいたいと思うようになる過程とか、微笑ましいと同時になんだか感動しました。
    強制的に相手をあてがうのは、チェンジもありなら結構いい制度かも、生活費も必要ないならスペックもあまり気にしなくていいし。
    でもラストには、まだ何人も産むかもしれないのに非効率的な事するなぁ、この世界の日本は金持ちなんだな、とかくだらない感想を持ってしまいました。こういう事を大真面目に考えるお偉いさんはいそうで怖い。

  • 久しぶりの窪さん。アカガミのタイトルが意味する通り生まれた子供はきっと……。不適合になったあとは、庇護がないが果たして幸せになれるのか。

  • 続きが気になって、あっという間に読みきってしまった。でも、最後のオチはなんだか尻切れトンボで。もう少しこのカップルがどうなっていくのかを読みたかった。

  • 窪美澄さん、最近のヒット。どれ読んでも面白い。性離れに対して国が設立した支援制度。結局子どもがどうなるのかわからなかったけれど、物足りない終わり方がまた想像を掻き立てられてよかった。わたさはを離さないでのドラマと少し被った

  • 2016/9/21 読了

  • 近未来の日本では、若者は自殺を繰り返し、結婚もせず子孫を作ることもしなくなった。
    国が「アカガミ」という制度を作り、希望者のうち選ばれた男女のみでカップルを作って国の保護の下で同居させ結婚させて子どもを産ませる。

    草食系男女が多くなってきていると言われている今日(実際に恋愛に興味が無い人が増えているとか)ぞくっと来る話だった

    最初は抵抗を持ちながらも、愛し合って子供が生まれたカップルの行く末が幸せなものであって欲しかった

  • さすが窪さん!
    草食系が国に支配されるお話。
    2030年の設定だけど、今でも水面下では進んでいるんじゃないか?
    国が少子化晩婚化をやたら気にしだし、お役所認定の婚活をやりだし……。
    大きなお世話だっちゅーの!
    といっても、この少子化云々の流れはもう止めようもなく、手をこまねいて見ていられなくなったんだろうな。
    不適合者は論外とする想定はゾッとするけど、今でも充分あり得る。
    「まぐわい」マッチングリストが、産まれてから早々に作られても不思議じゃない世の中になりそう。
    いやー、面白かった。
    SF的ブラックユーモア的。背筋がゾッとするお話でした

  • 読後のなんともいえない泣き笑いが止まらない。
    近未来の話なのに、なぜかもう経験したことのような錯覚に陥る。
    静かで、優しくて、幸せで。
    そんな都合のよい場所は小さな穴も見逃さない。
    ありえる?ありえるな、この国なら。

  • 「アカガミ」というタイトルからして、戦時中の話かなと思いきや、近未来、2020年東京オリンピックの年のお話。しかもフィクションなのに凄く現実味があり、将来的にはそうならないとは限らないような気がしてくる。
    内容は、2000年以降生まれた若者の寿命は40歳までもたないかもしれないという論文に影響され20代~30代の若者の自殺が増え40代以上の人間の比率が飛躍的に増加しつつある日本国は「アカガミ」という制度を発令し、若者のカップリングと子作りを国家が管理しようとしていた。
    アカガミに志願した「ミツキ(妻)」と「サツキ(夫)」はそれぞれ、カップルとなり、それなりに愛をはぐくみ、妊娠までに至るが・・・・。それまで、このシステムは凄く素晴らしい制度だと思っていた二人が、ラストでは思わぬ展開になってしまう。これからどうなるのかという余韻を残し終わってしまったので、何故かちょっと物足りなさも感じる。
    設定も、素晴らしいし、内容もいいのだけど、終わり方にもう少し工夫が欲しかった気がする。この夫婦が幸せになったのか、不幸になったのかは謎である。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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