- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309204642
感想・レビュー・書評
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物語としての面白さはもちろんの事,人間心理,感情の揺れ動きといった細かい描写が素晴らしく,親子間であれ友情であれ恋愛であれ敵への憎悪であれ生々しく読み手に迫ってくるので,こちらも一緒にイラついたり喜んだりホッとしたり忙しい.そして少年(オレック)が成長していくところがやはりいい.
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私の大好きなル=グウィンさんです。
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大人になるってこういうことですよね。きちんと親離れして自分の意志で生きていく。ギフトのプラスとマイナスに対する考え方、やっぱりそういうことだよなあとすごく納得しました。作者の人に対するあたたかさをとても感じました。
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名前で売れるから、このくらいの地味な導入でも許されるのだろう。ル・グインでなかったらきっと途中で読むのをやめただろう。物語の基本テーマが出てくるまでが長いし、ひとつのテーマをやたら長くひっぱって、これでおしまい? という感じ。それでも続きも読んじゃうんだろうけど。
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ハリーポッター以降に量産されたファンタジーとは格が違う。やっぱり彼女の作品は期待を外さないなぁ。こういうの、読みたかったんよね。
描写から頭の中に広がる風景は、緑と灰色を基調とした山々や空気、集落。
登場人物の心情は、ただ文章を目で追って頭の中で理解した以上に、私の心に色濃く滲み出てきた。時に強く燃え上がり、全てを冷たく拒み、温かくも弱々しい。人間らしいって悲しくもこういうことだ。
主人公のお母さん、いいな。 -
「いまファンタジーにできること」を読んで内容に共感したが、「ゲド戦記」「闇の左手」の著書であることも分かり、グウィンに興味を持った。
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世界観をある程度つかむまで、結構難解だった。
ピンと来ないことが多くて、挫折するかと思ったのだけど、
おぼろげに分かってくると、やっぱり引き込まれてくるものがる。
3部作で、ずっと、オレックが主役で進んでいくのかと思ったら、
彼の話は、1で終わりみたい。
彼の人生の「序章」的な感があったので、すこし肩すかし。
しかし、次の「ヴォイス」では、大人になった彼と彼女がより魅力的になって登場。 -
すごくリアルな世界観。
本を読み終わっても、登場人物たちの物語はまだ続いていくことが感じられるから、え、ここで終わっちゃうの?この続きはどうなるのか知りたい、と思える。
ギフトをめぐる葛藤。期待される役割と、自分の本質について。余韻のある物語だった。