ギフト (西のはての年代記 1)

  • 河出書房新社
4.15
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本棚登録 : 290
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204642

感想・レビュー・書評

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  • 「ギフト」と呼ばれる特殊能力を持つ民族を描く。
    主人公は強すぎる力を持つとされる少年。
    その力に対する葛藤をベースにして話が進んでいく。

    面白そうな書評があったので読んでみた一冊。
    全体を通してのリズムが面白い。
    また、自分が考える「最悪のシナリオ」とは
    違った結末へ進んでいく過程も面白かった。

  •  作品にただよう素朴で静かな空気感が心地いい。
     穏やかながら物語は雄弁で、登場人物の生活のすぐそばまで分け入って見ているような親近感と説得力がある。
     ル=グウィンのファンタジーには不思議なリアリティがある。魔法や超能力的なものは一つの才能として描かれ、スポーツが得意、料理が得意、といったことと違いはない。物語の中に、実際にはないものが1つ、2つ出てくるというだけのことで、現実世界と確かなつながりを持っている。

  • ゲド戦記のル・グィンが再びやってくれました!
    西のはての高地に住む人たちは、それぞれ何らかの力を持ち、その力をギフトと呼ぶのです。ギフトをうまく操れるようになるまで目かくしをして力を封じられた少年オレックは、自分のギフトに悩み苦悩します。
    「西のはての年代記」3部作の開幕。オレックはその3部作のキーマンです。
    少し暗い色調の絵画のような独特の物語世界はル・グィンの真骨頂だと思います。そして実にリアルに設定された世界観は、民俗学の域に達しています。
    とってもオススメ!!

  • ル=グウィンの新作だ〜っ。しかし、実をいうと始めはあんまりおもしろくないなあっと思いました。当たり前だけどカタカナの一族とかの名前が一杯でてきてなにがなんやらって感じで、これは途中で読むのやめるかも、と。でも、ギフトとはなんなのか、この世界はどうゆう人が生きているのかというのがみえてくるにつれてだんだんだんだんおもしろくなっていった。悲しい結末だったけれど、悲しいまんまじゃなくて。新しいスタートをきった二人はどうなるのだろう?

  • 自分のギフトはなんだろうか?

  • ていねいな物語。この巻の舞台になっているのは、「西のはて」のうちでも、まだ狭い地域に過ぎないけれど、大きな広がりを感じさせる。周りから期待されることではなくて、自分のやりたいこと、できることを選び取ってゆく登場人物たちに拍手。

  • 児童文学の域を超えた、人間の陰をも取り込んだ心理描写。ファンタジーと言う架空の世界を舞台にした、シビアな物語。

  • ゲド戦記に引き続き。
    ほほー。そういうルールですかぁーと。
    最後、何が正しくて正しくないのか考えるけど、2巻以降で判明するかな。

  • ぼくは「母さんはまるで井戸だね」と言ったことがある。母が自分の中に釣瓶を落として引き上げると、いつも桶が物語でいっぱいになっている。

  • 上質なファンタジー。主要人物たちの最終判断がとてもアメリカ的。
    なんか、お父さんがかわいそうでした。そして固有名詞が覚えづらいです。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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