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- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309225425
感想・レビュー・書評
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関羽、孔子廟、三韓征伐、力道山、芝山岩、金剛山、桜、指紋など「東アジア」という空間を彩る様々な「記憶」が境界を越えて交差し、響き合う。近年つとに注目される「国民国家」という従来の枠組みを縦横無尽に越え、広がる「記憶の場」を探求する領域・国家横断的研究における意欲的試みである。
まず本書を繙く上で驚かされることは、「記憶」を想起させるものである「トピック」の豊富さかつその奇抜さである。時空間を縦横無尽に行き来し、どれもが、従来の一次資料という権威的価値観に支えられた「アカデミズム」によっては、到底捉えきれない射程の広さを示している。またどれもが、事物の一元的在り方を前提とした「アイデンティティー」という思考の枠組みの再考を促すに足るものであると言えよう。
本書にて展開される多くの「記憶」は、総じて何れも大きな知的興奮を与えてくれるものであった。だが編者も自己批判しているように、「東アジアの記憶の場」が韓国・朝鮮・日本の関係に偏りすぎているという不満もあるだろう。とはえいえ、「東アジア」という巨大かつ複雑な歴史空間を記述対象とした壮大なプロジェクトの第一歩としてはいたしかたないといえよう(ピエール・ノラ「記憶の場」はフランス一国のみで500ページ近くの大本三巻にもなった)。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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