昭和十八年 幻の箱根駅伝: ゴールは靖国、そして戦地へ

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309277547

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  • 【スポーツを愛する者の魂の集約が昭和十八年の箱根駅伝だったのです】(文中より引用)

    戦争の影響で中断を余儀なくされた箱根駅伝。しかし、昭和十八年に一度だけ、靖国神社と箱根神社を往復するという条件付きで箱根駅伝が開催されるに至る。関係者の開催に向けた尽力と、箱根後に戦地へと向かうことになった選手たちの証言等を記録した一冊です。著者は、スポーツ・ノンフィクションライターの澤宮優。

    箱根駅伝の見方を一層深くしてくれるだけでなく、戦争や政治とスポーツの関係について考える糧を与えてくれる作品でした。また、悲壮感が漂う大会であったはずにもかかわらず、溌剌と走り抜く選手たちの様子をしっかりと記録する澤宮氏の筆に、何がなんでも書き残さなくてはという強い意志を感じました。

    幻となったその理由も考えさせられるものがあります☆5つ

著者プロフィール

澤宮優(さわみや・ゆう) ノンフィクション作家。1964年、熊本県生まれ。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。主な著書に、『バッティングピッチャー』、『炭鉱町に咲いた原貢野球』、『昭和十八年 幻の箱根駅伝』(以上、集英社文庫)、『世紀の落球』(中公新書ラクレ)、『イップス』(KADOKAWA)、『戦国廃城紀行』(河出文庫)、『暴れ川と生きる』(忘羊社)、『集団就職』(弦書房)など多数。

「2023年 『「二十四の瞳」からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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