魚たちの離宮 (河出文庫 な 7-5 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1088
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403793

感想・レビュー・書評

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  • これぞ、初期の長野まゆみ文学!文体、情景、登場人物、全てが冷んやりとしていて美しく幻想的。

  • 文体が古くて良い。
    話は曖昧に思えるが、その淡さが良いような気もする。

    弟君の異常な嫉妬や最後の展開にはぞっとした。

  • 魚たちの離宮読了。ホモすぎる。なんだこのホモ。狂桜記はひたすら肉体的に生々しいホモでしたが、こちらはひたすら精神的にえぐいホモです。すごいなー。それはともかく話が夢の中にいるみたいに掴みどころがなくて、これは作家さんにハマる人がいるのよくわかるなーという感じです。

  • 色調が抑え目でよかったです。

  • ふらっと寄った古本市で150円で買った。
    「盂蘭盆」この季節に出会えて良かったと思う。

    冒頭から本当に幽霊であるのか、誰が真実なのか、考えをめぐらせながら読み進めていった。

    透明度の高い清涼感、薄暗さ、田舎の家にいて見知らぬ場所・見慣れないものたちに囲まれ
    落ち着かないようなわくわくする気持ち
    汗がにじむ暑さ、幻想的な描写、現実味のない曖昧な四日間

    兄を池に落とした弟
    現れた死んだはずの兄
    弟に、促したのはピアノ教師なのか

    弥彦と市郎は夏宿と供にいってしまったのだろうか

    池を埋めてしまうのであれば
    死んだ人が死んだ場所に現れるのであればどうなるのだろう
    市郎が池であった夏宿と、家にいた夏宿はどうなのだろうか

  • ホラーです。
    が、独特の世界観があるのでおどろおどろしくは感じない。
    市郎は盂蘭盆の時期に、親友の夏宿とその弟・弥彦の住む家に遊びに行く。
    そこで、彼は決して受け入れようとしなかった真実を受け入れざるを得なくなる。

    それを匂わせるキーワードがいくつも出てくる。
    葬式の列、盂蘭盆、狐火、迎え火、送り火、ほととぎす・・・。
    死んだ少年、死を受け入れようとしない少年と、幼すぎて死の意味がわからない少年。
    結局は死んだ少年のことが好きすぎてその死を受け入れられなかったために、連れて行かれてしまったということだろう。
    あのピアノ教師は一体何者なのだろうか?
    この結末を分っていて、それをただ見守っていただけ。
    彼はもしかして死神とかそう言う類の人なのだろうか?

  • 大好きな一冊です。あまりにも好きすぎて、ハードカバー版と文庫版の他に、もう一冊持ち歩き用を買おうかと思ってしまうくらい。

  • 2010/01/13

  • 庭の静謐で湿った描写が良かった。
    雨や木々のこすれる音がこちらまで聞こえてくるような。田舎の祖母の家もこんな感じだったなぁ…。


    ひとつひとつ噛締めたくなる、この時の文体もやっぱり好き。

    夏にもう一度読みたい。

  • 綺麗だった。さーっと血の気が引いていくような恐怖を感じた。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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