なめらかな社会とその敵: PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326602476

感想・レビュー・書評

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  • 「複雑な世界を複雑なまま受け入れることは、あまりにも難しい」
    コンサルワークで因果関係を明らかにする際には、ある程度の単純化を伴う。どこまでの単純化すなわち

  • 2019.06.13 EGMフォーラムで紹介を受ける。

  • 大上段に構えた書きぶりではあるが、そんなに新しいことを言っているわけではない。ただ、様々な知見を畳み掛けるように示しつつ、才気走った筆で自論をわかりやすく展開するその手際はすごい。著者に続く世代に本書が与える影響は大きいのではなかろうか。限られたコミュニティでの社会実験や実例を踏まえているとはいうものの、それを人間社会全体に適用しようとすれば、それはユートピア的な思考実験にならざるを得ない。しかし、その実現可能性を云々するよりは、現代社会のシステムをよりラディカルに相対化して考えていくためのヒントを得るものと考えれば、十分に有用な書物であろう。情報技術に対する無邪気さが気になるところではあるが、それを言ってしまってはこの論考の前提を否定することになるだろう。ただやはり、情報技術の管理が恣意的に行われないようにすることは、本当に「技術的に」可能なのか。気になる。

  • アプリ「スマートニュース」の創業者の著書。ゼロとイチ、ウチとソト、敵と味方をはっきりと区別しない、複雑さを複雑なままに扱う、なめらかな流通ネットワークの構想について。「敵」はカール・シュミットから。

  • 思考実験の域を出ていない。主題となっている「なめらかな社会」を是としているが、人間の認知力が追いつかないだろう。そもそも、「なめらか」であることが良いことなのか不明。結局、個人主義の延長では。システム以前に、人間という生き物に対する洞察が不足していると感じる。

  • 複雑な社会を複雑なま生きる

    分人民主主義

    自分を分割してコントロールしていく

  • ☆「開かれた社会とその敵」のもじりなのだが、数学的というか、モデルによる考察だな。

  • 非常に難しい本だったが、面白い!

  • 2018年5月④

  • 細胞と身体の皮膚と国家に共通して膜があるとし、生命のあり方から国家までを考えた労作だが、なめらかな社会は実現しないだろうなぁと思うだけだった。生命は結局のところ自己維持するネットワークに過ぎないというのは事実の一つではあるだろうが、理系の人は所詮、試験管の中でしかものを考えられないのだと思う。生命とは調和であり、全にして個、個にして全なのだ。生態系から外れた人類は、生態系に戻るしか調和することはできない。科学で生命を理解したような気にならず、生態系から学ぶことを著者にはオススメしたい。

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著者プロフィール

南カリフォルニア大学客員教授及びケンブリッジ大学客員研究員を経て、現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授。ノースウエスタン大学よりコミュニケーション学博士(PhD)/メディア批評及びカルチュラル・スタディーズ。
主な編著書に(共編)『説得コミュニケーション論を学ぶ人のために』2009年, (共編)『パフォーマンス研究のキーワード』2011年, The Rhetoric of Emperor Hirohito: Continuity and Rupture in Japan's Dramas of Modernity. 2017年, The Age of Emperor Akihito: Historical Controversies over the Past and the Future 2019年, Political Communication and Argumentation in Japan 2023年、翻訳書に(共訳)『議論学への招待ー建設的なコミュニケーションのために』2018年がある。財部剣人のペンネームで『マーメイドクロニクルズ 第二部 吸血鬼ドラキュラの娘が四人の魔女たちと戦う刻』を2021年出版。

「2023年 『ポップ・カルチャー批評の理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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