DV-殴らずにはいられない男たち (光文社新書 10)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334031107

感想・レビュー・書評

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  • ジャーナリストが、DV関係にある夫婦の、両方に、それぞれインタビューして、その背景にあるものを描こうとするドキュメンタリー。

    夫婦の両方に話を聞く、という点が、他の類書と異なって興味深い点。

    暴力を振るう側は、実際の暴力を1/10程度に矮小して語り、相手が悪い、そうなる理由があったと、時に取材者が肩入れしてしまうほど堂々と語る(ものもある)。その後に、暴力を振るわれる側の話を聞いて、実際の姿に驚く…

    興味深くはあるが、あくまでもジャーナリストがインタビューした…という本であり、臨床心理的に興味深い点があるかというと、それは期待外れだった。
    なかには、妻からの依頼を受けて、介入的に話を聞いているものもあり、それはやっぱり専門職に任せないと危ないのでは…(まぁ本人が行かないのだろうけど)とヒヤヒヤするケースも。

  • DVに関する、夫(加害者)視点の話と妻(被害者)視点の話。
    夫視点のパートを読んで「?」と引っかかった部分が、妻視点のパートでスッキリ判明する。

    とても興味深い本だった。

  • DVは単純な問題じゃない。加害者がなかなか理解されず、解決が難しい。具体例 が多くて分かりやすい本。

  • 少し出版年が古いので、
    今それなりに増加傾向にある女性によるDVは
    掲載されてはいません。
    (一応終盤に少し触れる程度)

    かなり胸糞の悪い内容となっています。
    大体のケースは男性側の根底に
    トラウマといったものがあるケースが多いです。
    無理強いという事がどれだけ人を傷つけるか…

    ほとんどのケースは意識することにより
    改善しているケースもありますが
    2つほど、残念なケースがあります。
    俗に言う「救えない、法で裁くべきDV」です。

    ただただ罰則化するだけではない…
    奥深いものを見ていかない限り
    改善はされないものだと思います。

  • 加害者側の声が読める本はなかなかないと思うが、この本はかなり赤裸々に加害者側からの視点がインタビュー形式で書かれている。
    被害者の声も、加害者側の件数よりは少ないものの、インタビューされているので、両方からの事件のあらましを知ることができる貴重な一冊だと思う。

    読了。
    この本は、2001年に出版されている。加害者に着目している人がその頃からいるというのに、日本の司法はまだDV加害者へのプログラム参加を義務付けていないのかぁ…というのが、わたしの感想だ。

    DV関連は、特に興味を持って扱っていたわけではないので、こうした本を読むのは初めてだが、今後も引き続き追っていければ。

  • 暴力をふるった後に全力での謝罪、そしてまた暴力をふるい…
    本気の謝罪に「今度こそは優しい人に戻ってくれる」という期待を寄せてまた殴られるという期待と「また殴られる」という気持ちの間で揺れる被害者の体験談がすごく刺さってきた。
    加害者側も普段は朗らかな人間であったりするのに、なぜか一番好きな人を殴ってしまう。そのことで後悔してまた苦しむ…

    幸せな結末が見てこない話が多いけど、もし自分がDVの加害者になったら?殴られずにはいられなくなったら?と考えてみることはきっと無駄なことではないと感じた。

  • DVをした側のインタビュー集、この本に出てきた加害者は男性のみ。
    加害者側の話をみても被害者側の話を見ても人間の心というのは深いと言うより難解だと思った。
    合理的になればなるほど理不尽になっていく感覚。

    暴力に至ってしまう理由がどこかにあるのだろうけど、その理由になかなか辿り着けない。
    でもそこに辿りつかないと変われないのかも知れない。

  • [ 内容 ]
    なぜ男たちはDVに走るのか。
    職業・年齢・生い立ちなど、加害者たちに共通点はあるのか。
    男たちに暴力をとめさせる手だては。
    加害者、被害者双方の生の声を多く集め、様々なケースからDV問題の本質を浮かび上がらせる。

    [ 目次 ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 図書館利用。
    高校新書レポート用。

  • DVの加害者と被害者双方からの聞き取りをもとに、DVはなぜ起こるのか、背景は何か、暴力をやめさせる事はできるのかなどを考える。

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著者プロフィール

1966(昭和41)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家に。戦争、犯罪事件から芸能まで取材対象は幅広く、児童書の執筆も手がけている。『ガマ 遺品たちが物語る沖縄戦』(講談社)は、厚生労働省社会保障審議会の推薦により「児童福祉文化財」に指定される。著書に『妻と飛んだ特攻兵 8・19満州、最後の特攻』(角川文庫)、『消された一家』(新潮文庫)他多数。

「2018年 『ベニヤ舟の特攻兵 8・6広島、陸軍秘密部隊レの救援作戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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