わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 298
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033224

感想・レビュー・書評

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  • 本をよりよく読むための本。わかったつもりになることが本を理解するための最大の障害だ説く、そこを乗り越える方法を実際の文章を読みながら、色々と教えてくれる。

  • ・あることがらに関する、私たちの中に既に存在しているひとまとまりの知識を、心理学、とくに認知心理学では「スキーマ」と呼ぶ
    ・自分は「わかっている」と思っているけれど、「わかったつもり」の状態にあるのだ、と認識しておくことが必要
    ・文章を読んで概略や解釈を述べるときに、「当たり障りのないきれいごと」が出てきたら要注意
    ・解釈が妥当であるかどうかを「正しさ」に求めるのではなくて、周辺の記述や他の部分の記述との「整合性」だけに求める→制約条件のもとで、想像を逞しうして、部分間の緊密性を高める想像・仮定を構築しては壊し、また構築していく、これが「よりよく読む」という過程の内実でなければならない

  • -200

  • 面白く読んだけど私が知りたかったのこういうことじゃなかった。

  • 文章の読み方、正しく読解するための手法についての詳細が書かれた一冊。

    「スキーマ」の説明から始まり、書かれていないことを勝手に想像して補ったり、書かれていることを読み飛ばしたり、いろいろやってる自分の読書法にダメ出ししてくれる良書。

    「わかった状態」が、実は「わかったと思い込んでいる状態」であることを繰り返し指摘してあり、それがどのように生じるのか、についても解説があって助かる。ちゃんと読めば書いてある」とか「書いてあると思ってたけど書いてなかった」とか、よくあるのでためになった。

  • 上司に一度読むよう紹介された本。
    小学生の教科書ひとつとっても、きちんと「わかった」状態であったと言い難いことに気付かされました。
    文章の読み方を見直すきっかけになった一冊です。

  • わかったつもりをわかったつもりなのかもしれないが、文章の書き手として気をつけないといけないと感じた。わかったつもりを引き起こす文章は悪文なのだと。わかったつもりにならないよう、起こりうるわかったつもりを補足してカバーするのが、書き手としては大事なことだろう。つまりわかったつもりになる方が悪いというより、わかったつもりにさせる文章問題と捉えた。

  • 「国語教育に対する一つの提案」で著者は「最も適切なものを選べ」という設問を避けるべきだと提言しているが、まさにその通りだと思う。学生の頃に読んでおけば、国語の試験に違和感を感じずに済んだのかな。

  • 本書は哲学書ではない。純粋な文章読解力の向上を目指した本である。(最終的にセンター国語の問題を解いたりする。)

    本を読む時に私たちが表層的な理解をするのみに留まってしまうのは、文章の内容が『わからない』からだと思われがちである。しかし実際には『わからないところがない』文章ほど深い理解が出来ないものである。(文中では、小学校の教科書で扱われるような簡単な文章が引用されている。)

    『わかったつもり』という安定状態に落ち着いてしまうと、私たちはそこからそれ以上に情報を受け取ろうとしなくなってしまう。常に『わかったつもり』という悪魔が私たちを支配しているということを忘れてはいけない。

    作者は色々なパターンの『わかったつもり』を挙げている。
    ・結果、結末を知っている
    ・「いろいろ」で片付けられる
    ・読み手が前提知識をもっている
    ・「勧善懲悪」のような既知の文脈
    等である。それぞれについて、読み間違えしやすい典型的な文章が、説明のために用いられており、たいへん読みやすかった。

    皮肉なようだが、僕はこの本の内容を「わかったつもり」になってないと、自信を持って言うことができない。

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