グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033699

作品紹介・あらすじ

多様化、個人化、フラット化した世界で、なぜ一極集中が起きるのか?気鋭のジャーナリストが、ネット社会の矛盾に斬り込む。

感想・レビュー・書評

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  • 【要約】
    ・一極集中がもたらす弊害、ネット上における世論への影響(沈黙のスパイラル)。

    【ノート】
    ・「千夜千冊」で取り上げてることは後から知った。ちょっと嬉しい。
    ・「みんなの意見は案外正しい」が成立するには意見の多様性、独立性、分散性、集約性が必要。だが、ネットの現状を見ると、パーソナライズ機能と相まって、必ずしもこれらの要素が担保されているわけではない。
    ・結果として、ネット上におけるGoogleやAmazonの独占/寡占状態には潜在的な危険性がある。
     「あらかじめ予測された範囲のものだけが推奨され、自らの思考も意図せずして規定されている可能性もある」(P247)「情報は一極集中を起こし、自分の周囲のみならず、社会、経済、政治といったパブリックマターに、何らかの影響を及ぼす可能性がある」(P248)
    ・Googleなどが意図して情報へのバイアスや世論の形成を企図しているわけではないのだろうが、「影響力の武器」で説明されているような心理学の作用もあり、ネットにおける世論の形成には極端なバイアスがかかってしまうような構造的問題があることが指摘されていると読んだ。そして、それはなかなかに怖いことなのだと思う。
    ・さてさて、これから千夜千冊で正剛さんがこの本をどう読んだのかを見て、勉強させてもらおう。

  • Web2.0ブームに便乗した軽い読み物かと思ったら結構奥が深かった。
    特に民主主義と主体性のところ、著者には主張したいことがはっきりとある様だ。
    最近の話題をタイムリーに追い過ぎて、表面をなぞっている様なところが無い訳ではないが全体的に非常に勉強になった。

  • インターネットの出現と普及によって、情報流通が爆発的に噴出した時期、自分は出産と子育てに振り回されていた。子どもたちが成長して、ふと回りを見渡すと、世間は激変していた。Google、Yahoo、Amazonなど次々と出現する検索ツール。いつの間にこんな便利な世の中になっちゃったの?と驚くばかり。まるで浦島太郎状態の自分に気づき、何とかせねばと情報化社会関連の本をあわてて数冊読んでいる。そんな私でも、2006年時点までの情報化社会の変遷の様子や、カタカナ用語の意味もわかるようになった。

  • 印象的だったのは、

    ・グーグル、アマゾンのビジネスモデルについて。よい「製品」だけつくっていたんじゃ儲からんなという話。儲かる仕組みを作り上げないといけない。最近の iPhone,iPad-iTunes-AppleStoreとかkindle-Amazonとかまさに儲ける仕組みがしっかり出来ている良い例なんだろうな~

    ・ウェブはランダムネットワークではなく、スケールフリーネットワークの形状を取るということから、ロングテールの幻想(ロングテールを取り込めるのは、結局ヘッドたくさん売れる人たちだけ=グーグル・アマゾン)を説明したところ

    ・スケールフリーネットワークと個人への最適化によって、結局ウェブでも真の意味での民主主義、つまり全ての人の意見が平等に扱われて合意形成、が達成されにくい状況になるという話

    でした。忘れないうちにメモしときます。

  • 世の中はどう変わっているのか?

    →現在は巨大な一極とフラット化の社会になっている
    ロングテールで成功したのも、元々ヘッドであるがそれ以外はニッチであれば勝つ道はある
    2.0で成功するモデルは、ユーザーにとって有益なコンテンツを擁しつつ、ユーザーにコンテンツ提供の協力をあおぐアーキテクチャ、制度設計

  • 「情報化社会では、多様化よりもむしろ一極集中化が進む」

    という論旨にはわりと目からウロコ。
    web2.0の入門書として◎。

    技術的な部分の解説がわかりにくいのと、
    本としてのまとまりにかけるかなと思いつつ。

    なんだかんだ興味深く読めたので☆4つ。

  • Web2.0/クラウド

    コンテンツを充実させていくのはユーザー側になっていく。

  • 単にGoogleやアマゾンのビジネスモデルの解説だけでなく、多様化から一極集中への変化、複雑系、民主主義との関連など、社会の変化そのものを分析しているところが興味深い。ITの勉強だけでは不十分か・・・

  • インターネットによって、多様化、民主化と言われる社会になったものの、結局は人は同じものを求める、一極集中が起きているという意見。なるほどな〜と思った。誰かが「この化粧品がいい!」と言ったら、みんなそれに群がるのって、一極集中か〜と。。。
    IT化、ネット化のいい面、悪い面を再考するきっかけを与えてくれる本ですね。何でもかんでも、IT、IT、ITではよくないってことか。

  • お年寄りの孤独を解消 ポット

    ここ2、3年でまた変わった スマホ、クラウド

    アップルは今後どうなる? 凋落?

    見た目が大事

    ネットが広がっていく 何が重要? 

    ポータルサイトの危機

    2chについて 価値観の多様化

    1割のあら捜しをするネットユーザー

    amazon レビューの強さ

    ブクログ

    読書による価値観の広がり

    コミュニケーションの質 最初の気張り

    IEの利用率低下 Windowsの限界

    アメリカ軍の研究 

    次なるインフラはなにか? 理想の車 意識を電子化移動 さわれるAV

  • 日頃、「たぶん、そうだろうなぁ」と感じていたことが、よく耳にする用語を用いながら分かりやすくまとめられている。

    文章も読みやすい。

  • すごい世界になったもんだ。

  • 2006年段階で言ってることはもっともであり、ここまで予見をしているのはすごいけれど、twitterというツールがある今、内容が古く感じてしまうのが否めない。

  • [ 内容 ]
    多様化、個人化、フラット化した世界で、なぜ一極集中が起きるのか?
    気鋭のジャーナリストが、ネット社会の矛盾に斬り込む。

    [ 目次 ]
    第1章 多様化が引き起こす一極集中現象―巨大な一極とフラット化した世界
    第2章 Web2.0の世界―「ユーザー参加型」「膨大なデータベース」
    第3章 Amazon―参加のアーキテクチャー
    第4章 Google―半強制的な参加のアーキテクチャー
    第5章 スケールフリー・ネットワーク―金持ちほどますます金持ちになる理由
    第6章 個人への一極集中―タグとパーソナライゼーション
    第7章 「民主主義」によってつくられる“主体性ある思考”

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 世の中の一極集中化を危惧した内容かと思いきや、なんとなくな風潮をだらだらっと書き連ねた印象で、内容に統一感が感じられなかった。■Web2.0の定義。これは人によってバラバラかもしれないが、Googleが一般のWebページの情報を収集しているからといって、Web2.0と言えるのか?AmazonとGoogleの素晴らしさを強調するためだけに無理矢理それらしい言葉を盛り込んでいるように感じられる。内容の7割が技術的素晴らしさと、突っ込みどころ満載のこじつけ理論。■AmazonやGoogleに情報が集中することによる情報の偏り、それに伴う偽情報の拡がりを危惧しているが、ネットの情報を簡単に信じ込むような情報リテラシーの低い人は他の媒体からも情報を得ているし、じゃあテレビや新聞などの既存メディアが公平な真実を報道していると本当に思っているのか。危惧すべきは、ネット上の偏重した情報ではなく、既存メディアでの偏重報道にあると思うんだけど。

  • 前半と後半でテイストが随分異なります。
    前半部分はWeb2.0の恩恵をグーグルとアマゾンを例にとって紹介。
    後半部分は打って変わってWeb2.0化した社会が内包する問題点を提起しています。
    「個人への一極集中」「集団分極化」から「誘導される思考」「民主主義」へと展開される後半部分は目新しく感じられると同時にある種の恐怖感を覚えました。Webによる情報化社会を賛美している書籍が多いなか、筆者が言わんとしている事は十分に理解できます。
    特定の情報に偏重することなく、情報バランスを維持していくべきか考えさせられました。

  • Googlezonを想起させる内容。
    と、言うよりそれに影響を受けてこの本を書いたのではないかとさえ思える。

    ウェブ進化論はwebの可能性をオプティミズムに信じて良いのだ思わせてくれた本だったが、思わせてくれたということは、背中を押してくれないと全てをそう思えない、何かしらがあったということ。

    本当に小さな違和感だったが、決して抜けることのなかった刺を見事に言語化してくれている本。

    この本を読み終わった時に自分の感じていた違和感を言語化するとこうなるのかと、認識できた本だった。

  • 学校の課題指定だったので、読んだ本。

    最初は、あまりにもグーグル・アマゾンのいいところ、理想ばっかり並べ立ててる感じで、ちょっと退屈。

    でも、この本が言いたいことは後半の、とくに最終章に凝縮されています。
    その切り返しが面白かった。

    そして1年前の本の時事が、状況が古く感じるめまぐるしい今の時代がちょっと怖くもあった。

  • グーグル・アマゾン化時代の特徴を紹介し、さらに警鐘を鳴らしている本。現状を的確に表現していると感じた。正解のないパブリックイシューに対してネットがどう作用するか、どのような仕組を作るべきかということについては、大きな課題であろう。

  • WEB2.0、クラウドコンピューティングとは何か、そしてそれらを利用するGoogleとAmazonが何故大きな成功を収めることができたのかが分かり易く説明してある。ITとか好きな人にはたまらないと思う。

  • 1162夜

  • まあまあ

  • ・多様化するほど一極集中化する矛盾
    ・パレートの法則(80対20)は終わったのか
    ・ロングテールで成功するのはヘッドのみ
    ・タグとパーソナライゼーションの関係
    ・「みんなの意見」はやはり正しい?
    1章~4章は軽く読み飛ばし、5章~7章を中心に読まれる事をお勧めいたします。

  • 面白い。さらっと読めます。
    Web2.0からグーグル、アマゾンに踏み込んでいく。
    ネット上のビジネスモデルについて、なんとなく想像していたことがつながった感じです。
    ヘッドとロングテール、一極集中、あらためて納得です。
    それにしても、このビジネスモデル、よく考えられていますね。
    すっかり術中にはまっているのだろうか。でも便利なので、利用しちゃいます。

  • グーグル、アマゾン化する社会とは?業界の一極集中を指すのであれば、格差社会が今後さらに広がるということなのだろう。グーグル、アマゾンはユーザー参加型のビジネスモデルなのだとか。グーグルについてのユーザー参加とはなんだろう。ビジネスとは関係ないところで参加する仕組みなのだそうだが、この本によるとグーグルはつねに数時間から数ヵ月分は、世界のウエブデータと丸ごと同じものを保有しているらしい。ウエブを作成する作業が即、グーグルに参加することになる。「なくてはならないインフラのような存在」と小見出しにもある。じゃあ、今話題のTwitter はどうなの。手軽さでいえば既にこちらが上なのかも。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4334033695
    ── 森 健《グーグル・アマゾン化する社会 20060920 光文社新書》20060915
     
     一粒で二度おいしい?

  • 2009/9 借りる
    2009/9 読了

    グーグルの特徴、アマゾンの特徴を的確にまとめている。
    僕は基本的にグーグルにもアマゾンにも好意的で、
    各社の提供するサービスはよく使用しているが、
    情報の一極化に対する警戒を筋道だてて論じている。

    僕はアマゾンではマーケットプレイスの手数料として
    25%も取られてさらに送料を固定で決められて
    送料からも手数料を引く点や、
    グーグルでは自分の検索履歴をすべて提供した
    ことになっている点にはとてもうらやましく
    感じている。

    情報のハブとして必ずアマゾンやグーグルを通してく
    アーキテクチャを構築する部分を全体的に取り上げており、
    とても共感できた。

    後半は一般社会における世論の局所化などを論じていて、
    今まであまり考えていなかった視点だったのでとても
    面白かった(僕は基本的に技術的な偏った視点でしか
    見てなかった)。

    ネット上ではグーグルの検索結果が多数派
    の意見と感じられてそのように流されて行動
    したり意見を持ったりする。

    面白い本でした。

  • 0609

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程修了。専門はデジタルを含むグローバル経営環境分析。共著書に『デジタル資本主義』(2019年度大川出版賞)、『デジタル国富論』(いずれも東洋経済新報社)、『グローバル・ビジネス・マネジメント』(中央経済社)などがある。

「2022年 『デジタル増価革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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