若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033705

作品紹介・あらすじ

「3年で3割辞める」新卒離職率、「心の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題…。ベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、いまの若者をとりまく問題の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 働くことへの動機づけが変化してきている。年功序列が機能し高度成長を持たされてきたが、年功序列が終わり成果主義の時代となって来ている。現実は成果の出せない成果主義の中、働く意味を問われているとおもう。

  • 年功序列の制度が今でも根強く続いていることがわかりました。仕事に対する価値観の違いから、勤続年数の低下が生まれていると改めて感じました。


  • 最近の若者は、、、という言葉で片付けるのではなく、そのバックグラウンドにある背景を客観的に分析できていると感じます。私自身が若者ですので、名著と呼べる本でした。

  • 大卒3年以内に37パーセントが辞めている。
    非正規雇用の平均勤続年数はもっと短い。

    成果主義は、あくまで年功序列制度の上に成り立っている。
    給与は、序列が上がらないとあがらない。
    要は成果主義は年功序列制度と何ら変わらない。
    いいように見せているだけ。
    会社に立ち向かうはずの労働組合も年功序列。
    発言力の高い年配世代の声しか反映されない。

  • 東大という基盤があってこその意見という気はするけど、欲しいものはやっぱり自分で手に入れるしかない。年功序列うんぬんは言い訳でしかない

  • メルカリ売却

  • 私の職場にはなかなか新入職員が入ってこない。そして、入ってきてもすぐにやめてしまう。こちらの求める物が高すぎするのか、それとも若者の忍耐力が不足しているのか。私は今の若い20台の世代は、休みや給与、むしろ休みや退社時間にばかり目が向いていると考えていた。しかし、実際にはそればかりではないようだ。むしろ、引退後の生活、無駄に物をほしがらないというように堅実で、かつ現実社会をよく見ているのかもしれない。

    若者は下積みは望んでいない、意味のある、やりがいのある、責任ある仕事をしたいと思っているのかもしれない。40台手前の私の頭も、昭和な価値観、年功序列の価値観が支配している。私の仕事の顧客は個人個人を対象にする仕事だ。一人一人の対応は違えど料金体制は国の制度に縛られている。すなわち、経験があろうがなかろうが資格さえあれば誰でも同じ料金を請求することができると言うことだ。だから、私たちが行う仕事は、働く場所が違うが概ね同じような内容のことを行う。そのような環境の中で、職場、領域などで違いを有無要因はなんであろうか。賃金なのか、やりがいなのか。

    勤務時間、有給休暇を含む休日体制はもはや当たり前のことだ。サービス残業、意味があるのかないのか分からない書類仕事を遅くまでやるような働き方はまさに、本書でなんども主張される昭和な、年功序列の価値観である。人か定住の生活を始めた遠い昔から、資本家と搾取される労働者の関係は、形を少しずつ変えてきてはいるが、働くものがそのような価値観の中で仕事をしていると環境は変わらず、かつ新しく入ってくる職員にもこの価値観のフィルターを通しての話をしてしまっているのではなかろうか。

    今まで就職説明では、今の職場のいいところを主張してきたつもりだ。しかし、振り返ってみると、リハビリとしての職場として、やりがいとキャリアプラン、その意義を感じられることを説明してこなかったと思う。もう一度自分自信が、働く意味、やりがいを何に感じているのかを明確にして、新たに職場に入ってくる若者、同じ職業につく若者に話していきたい。私の職域は少なくとも年功序列には遠い職域だと思っているが、忍耐、下積みなどと考えるこの姿勢は、まさに昭和な、年功序列の価値観の塊であろう。

  • 年功序列ってのが絶対的に存在した方がまだ安心できたかも…
    今は問題視されて年功序列なくなりつつある風潮だからこそ、ぬくぬくと過ごしてたら将来痛い目見るなと気付かされました。

  • 新卒離職率の増加現象から、昭和的価値観が蝕んでいる様々な日本社会問題を考察している。頷ける話がとても多かった。年代・性別問わず、一読をオススメしたい本です。

  • バブル崩壊直後の1993年に日本で初めてアメリカ式の「成果主義」を導入したIT大手の富士通。東大法学部から同社の人事部に入社し、この不完全なシステムを取り入れた後に起こった社内の惨状を描いた『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』が大ベストセラーとなって、現在は人事コンサルタントとして活躍する城繁幸による問題提起。バブル後の1990年代以降、日本企業の良き伝統であった終身雇用と年功序列は崩壊し、今や40代以上の中高年者の雇用と給料を確保するために20~30代の若者が犠牲となっている現実を問題視する。規制緩和という美辞麗句の名のもとに自由化された「派遣労働」によって若き正社員の立場はますます危うくなり、苦労して勝ち取った内定によって何とか入った就職先で見えたのは、年金問題と同様に「火の点いた爆弾が爆発する前に上の世代から下の世代にリレーする」様子。本書は新卒社員の3割が3年で辞めるという若者の問題のみならず、日本社会が抱える大問題にスポットを当てた一冊。

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