世代間格差ってなんだ (PHP新書 678)

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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569790213

作品紹介・あらすじ

どうやら日本の政治には、若者という視点は存在しないようだ。民主党政権は、国家公務員二割削減のために新規採用枠を四割近く削減した。目玉の子ども手当の財源も、結局は赤字国債である。まかり通る不公平。いまや政治のあらゆるプロセスが、次世代の若者たちに問題を先送りにしている。いまこそ若者は声をあげて立ち上がるべきである!本書では「雇用」「社会保障」「政治参加」「子育て・教育・家族」の四つの視点から、世代間格差の本質を明らかに。そして具体的な政策=ワカモノ・マニフェストを提案する。

感想・レビュー・書評

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  • シルバー・デモクラシーに警告を鳴らし、持続可能な社会の実現を目指すための世代間格差の是正を提言する本。具体的な政策の提言が数多く記載されている。他国で導入されていて実績のあるものが多く、絵空事ではないと思った。
    ・雇用問題では「金銭解雇を含めた解雇ルールの明文化」「同一労働同一賃金」の法制化
    ・年金問題では「年金の事前積立方式の導入」「政府から独立した世代間公平委員会の設置」
    ・政治改革では「地方自治体における選挙権年齢の引き下げ」「被選挙権年齢の引き下げ」
    ・子育て・教育問題では「教育バウチャーの支給」「給付付き税額控除の導入」

  • 雇用問題、社会保障、政治参加、子育て 教育 家族の4つの分野に分けて現在の世代間格差、主に若者が損をしている現状をわかりやすく紹介している。OECD諸国間でのデータをきちんと提示しての論考なので説得力がある。
    政治的なパワーの弱い若者が多数決の民主主義ではどうしても不利になってしまう。しかし長期的な社会のあり方を考えていくのなら次世代につけを先送りばかりするやり方は具さく以外の何物でも無い。
    それがわかっていてもなかなか実現できないところに既得権益克服の難しさを感じる。
    筆者たちが提言しているワカモノマニフェストはラディカルだが、既得権益に縛られずに純粋に崎の世代のことも考えた公平な政策ということで、既存政党のものよりよほど信頼できるものであった。
    先行きはけして明るくないが、その状況で痛みを分かち合いつつ最適な選択をしていく必要があることを痛感した。
    スウェーデンと同じく、持続可能性が重要ということもポイントである。

  • 共感出来すぎて批判的に読めない。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4569790216
    ── 高橋 亮平&小黒 一正&城 繁幸《世代間格差ってなんだ 20100616 PHP新書 678》
     

  • 筆者らは世代間格差について以下の観点より、格差の実態と格差をなくすための提案を行っている。

    ・労働/雇用
    ・社会保障
    ・政治への参画

    これらの提案は、「ワカモノ・マニフェスト策定委員会(http://www.youthpolicy.jp/)」として筆者らが中心に現在も活動を継続している。

    日々のニュースでは、将来について目を覆いたくなるような内容が多い。(メディアの誇張もなきにしもあらずであるが)
    そのような状況で次世代に私たちができることをしっかりと意識しておかなければいけませんね。

  • 雇用、社会保障、政治参加、子育て・教育・家族の四つの課題に対し、世代間格差という切り口からワカモノマニュフェストを提言した一冊。政治参加、ユースデモクラシーの構築の箇所が興味深い。シルバーデモクラシーの現状、0~30代までの人口割合は44.9%だが、その年代の国会議員は8.8%。60代以上の高齢者の人口割合は28.1%に対し、その年代は41.0%(2008年人口推計よりデータ作成)。対策として、若者参画基本法、若者担当大臣、世代別選挙区、若者クォータ制(割当)etc。また社会保障における利害調整機関として、省庁の上位機関、独立機関(ex.日銀)としての世代間公平委員会、ベース財源の確立は至極全うな提言だと思う。…そもそも自分たちが不利な社会システムを押し付けられていることに彼ら自身が気付いていないからではないだろうか。という冒頭の一言に集約される一冊。選挙の雰囲気づくり、あるいは選挙で僕らの全うな意見を反映させる為に案外正しい意見を提示することが、未来への負債(赤字)を縮小させる為に大事な一歩。

  • 近年取りざたされている年金問題、これは何も高齢者に限ったことではなく、むしろ私たち若者世代にも重要な課題であると言える。本書ではまず日本の現状や世界との比較を行ったうえで、それぞれ著者が独自の提言を行っている。
    提言の中には読んでいて非現実的ではないかと疑いを持つようなものもあったが、全編を通してとてもおもいしろい内容だった。
    それぞれの内容は良いとして、この本を読んで思ったことは、若者である私たちはもっと政治に興味を持って積極的に参加していかなければ何も変わらないということである。読み始めてすぐまえがきに書いてあった、「どんなに不利益な政策を実施されても、一言の文句も言わない連中がいるんだ。それは若者さ」という文句が全編を通して読んだ後に強烈に思い返される。この本を読めば少なくとももっと興味を持って世の中の仕組みを理解したいと思えるような内容になっている。

  • ・世代間の格差を無くそう、では広い支持は得られないように感じた。実現するべきは社会の持続可能性ではないかと。
    ・高齢層の年金を減額しても、生活が成り立たなくなってしまえば結局は社会が面倒を見なければならなくなる。実際にはどのくらいの額が捻出できるんだろう。
    ・予算が捻出できないなら、教育や育児にお金をかけることも不可能。

    ひろゆきじゃないけど、今ある社会を変えようなんて努力するより逃げちゃった方が早い気はする。

  • これからの利害調整は、都市と地方ではなく、世代間であるとして、世代別選挙制度を提案しているのが興味深い。ユース・デモクラシーの言及も。

  • 40歳以下必読の書!
    テーマは世代間格差の是正。

    遅かれ早かれ世の中のシステムはこう変わっていく他ない。
    どう読んでも正論と思われる。
    10年、いや5年以内に流れを変えられなかったら日本沈没だ。
    来たるべき変革の時に備えて己を磨くべき。

    後半はあまり面白くない。

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