オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年 (光文社新書)
- 光文社 (2021年12月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334045821
感想・レビュー・書評
-
オリックスはなぜがんばろうKOBEから25年も優勝から遠ざかっていたのか、の方がタイトルとして正しいかもしれない。
暗黒期の球団方針やチームの雰囲気などのあれこれについて紐解いていき、それを反面教師にして、ドラフト戦略や育成方針を変えたこと、そしてそこから頭角を現したキープレーヤを紹介していく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オリックスが昨年優勝できた理由を球団の歴史を遡ることで解き明かした著書。最も興味深かったのは2014年にフロントに入った加藤康幸氏が改革に辣腕をふるったところ。宗と吉田正尚を周囲の反対を押し切って指名し、山本由伸の指名にも関わったのは全く知らなかった。現在は野球から離れられているようですが、縁があればヤクルトのスカウト改革も行ってほしい。
-
強いチーム(組織)を作るには?また、弱いチーム(組織)はなぜ弱いのか?参考になった。
-
2021年、前年最下位からリーグ優勝のオリックス。苦闘と変革を見続けた番記者から見たの25年。
単なるフロックではないオリックスの優勝。25年の月日は長い。なんせ前回は「がんばろうKOBE」、あのイチローフィーバーの頃。
球界再編、オリックスと近鉄の合併劇など現オリックスの苦闘の歴史と近年のスカウト方針の転換。
特に後半のスカウト革命以降が秀逸。宗佑磨、吉田正尚や山本由伸、紅林弘太郎そしてラオウ杉本。
実は球団生え抜き初の優勝監督、奇しくも阪急ブレーブス最後の日のホームベースを守った男。そんな所にもドラマがある。
優勝チームの影の苦闘のドラマをチーム愛溢れる元番記者視点で描いた傑作。 -
「最下位からの優勝は必然だった」と帯のコピーにあるが、それも当然と思わされる。
この本を読むと、パリーグ制覇は誰か一人のお陰というわけではなく、スカウト改革や、春季キャンプの場所の変更など、さまざまな要素があったことがわかる。
それほど、これまでのオリックスバファローズに改革すべきところがたくさんあったとも言える。それまでドラフトで獲得した選手が育っていなかったため、外部から来たスタッフが改革しようと試みるも、なぜ獲得したのかという記録がなかったというところなど、ダメな組織の典型という感じがした。
しかし、5年後を見据えてスカウティングを改革したこの人物も短期間では結果を出せず、オリックスから去っていく。
野球関係者はもちろん、組織作りに関心のある人には役立つほんだろう。
-
25年ぶりにリーグ優勝したオリックスバファローズの前回の96年の日本一からの道のりをスポーツライターである著者が迫った一冊。
イチローを中心とする96年の日本一のメンバーが抜けてからのオリックスの低迷期やオリックスと近鉄が2004年に合併した際の仰木監督の命を賭けた采配について知ることができました。
また、日本一から今回の優勝まで12人もの監督が変わったり、合併からAクラスも2度のみと日本一からの低迷が続いたオリックスバファローズについてどのようにして優勝まで辿り着いたのかを采配面や戦力面など様々な点から書かれており、優勝の秘訣を知ることができました。
MVPの山本由伸、2年連続首位打者の吉田正尚をはじめ、宗佑磨、杉本裕太郎、宮城大弥、紅林弘太郎など優勝の原動力になった選手のプロ入りまでや活躍までにした努力なども知ることができました。
そして、スカウトなど補強面やキャンプ地や二軍球場の移転などチームや選手にとって有益となる施策を打っていたことは中嶋監督の采配だけではなく球団に入った新しい血によってチームが活性化されていったことも知ることができました。
2020年の五輪に向けて戦力となる選手を獲得し、成長させその実を結び前年最下位から巻き返しリーグ優勝を果たしたオリックスバファローズ。
低迷期の理由、強くなった要因など本書でチームを深掘りすることができました。
日本シリーズでの激闘は野球の素晴らしさを改めて感じるものでありその感動を作ったチームの数々のエピソードを知ることができ、本書を読んでこれからの応援にますます熱が入る一冊でした。 -
1回目読了。最終章がめっちゃぐっと来た。森脇監督が気にかけてくれてたのも嬉しいし、2014年の3ランと被るのもめっちゃわかる。最後に書かれてたワード、ずっと言っていいんか迷ってたけど、本で書いてくれてめっちゃ嬉しかったな。
オリックスバファローズ17年目の初優勝おめでとう! -
大型補強は瞬発力、中長期的な育成で継続的なチームの強さをつけていく、組織運営は長い目で。
-
ドラフトの考え方の切替、若手育成のソフトハード両面での改革等、ふだんのスポーツ記事には出てこない点を示しており「なんとなく強くなった」わけではないことが分かる。
近鉄もきちんと前身球団の一つとして扱っている点が好意的。 -
舞台裏を知ると優勝するのは必然のような気がしてきますが、人知に及ばない要素もいろいろとあるのでしょうね。