危険な童話 (光文社文庫 つ 2-6)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334707057

作品紹介・あらすじ

幻想的な童話と血腥い殺人。被害者は傷害致死で服役し、仮釈放されたばかりだった。人生の再出発を誓う彼が訪れた、従姉妹のピアノ教師の家。しかしここには何者かの冷酷な殺意が待ち受けていた。日本推理小説史上屈指の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 被害者に「そりゃそんなひどいことしたら殺されても仕方ないよ」って同情の余地なし、犯人に同情という点ではこれまで読んできた中でも屈指のミステリ。漫画家の花村えい子がお勧めしていたので読んだのは昭和末期でした。
    犯人(自殺する)の遺族も被害者遺族もこれからの人生辛いな…と想像する幕切れが鮮やか。
    日本推理作家協会賞の最有力候補に挙げられながら落選したのは謎。飛鳥高「細い赤い糸」って未読だけど、そんなに傑作なのだろうか。

  • 半世紀前の作品、というのを差っ引いても、まあ、面白い。ただ、いきなり視点がブレたり、主人公に共感できなかったのが残念。犯人の動機ではなく心情への洞察が深ければ、個人的にはよかったと思う。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387154545.html)
    日本探偵作家クラブ賞候補(1962/15回)

  • 寡作の作者自身が論理とロマンティズムを融合した自作中の最高傑作に挙げているそうだ。犯人は最初からほぼ確定しているのに、トリックが解き明かせず、犯行の理由も最後の手記によって始めて明らかになる、まさに本格推理小説だ。昭和61年の作品だが、古さを感じさせない傑作。

  • 再読。仮釈放されたばかりの男が従姉妹であるピアノ教師の家で殺害される。発見者である彼女が容疑者として拘束されるのだが……。
    論理的な謎解きに文学的な香気を併せ持つ傑作。犯人の立てた緻密な計画とそれを突き崩していく刑事の一進一退の攻防の愉しさに加え、各章の冒頭に挿入された童話の幻想性、読後に残る人間の物悲しさを感じさせる余韻も見事。

  • 犯人探しではなく、いかにしてなしたかという謎を主にして話は進んでいきます。
    犯人は物語の初めに分かるのですが、この犯人が本当に犯人かどうかというのが最後の最後まではっきりしないのです。
    もどかしかったです。
    また冒頭に童謡が載っていて、この童謡の続きを各章の初めに載せてその章の内容を暗示しているというのも非常に良かったです。

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