殺人方程式: 切断された死体の問題 (光文社文庫 あ 20-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334718343

作品紹介・あらすじ

首が、ない。警視庁刑事・明日香井叶は絶句した。教団ビルで"お篭り"の儀式中だった「御玉神照命会」教主・貴伝名剛三が、なぜか別の建物の屋上で死んでいたのだ。しかも、頭部と左腕を切断されて。なぜ犯人は死体を切断したのか?叶の双子の兄・響が怪事件の謎に挑む。読者を必ずや驚倒させる極上の本格推理、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ綾辻さんの作品が面白かったので、この作品を本屋で見つけて読んで見ました。今回こそは犯人を捕まえるぞ!っと意気込んで読んだのですが、今回もえっ!その人??っと・・・最後にやられました。

    このお話の設定が、刑事が街中で起こったバラバラ死体の事件を解決するという内容のため、館シリーズのような特異的な設定の感じがしないので、非常に読みやすく、主人公の刑事も面白い設定がされていて、綾辻さんという作家の魅力がより強くなりました。また、タイトルにある「方程式」というのは、本当に作品の中に方程式が出てきます。タイトルがこの事件の鍵を握っていました。

  • 一応第2作目が出ているがシリーズと呼ぶには憚れるのが警視庁刑事明日香井叶とその双子の兄で探偵の明日香井響が探偵役を務める殺人方程式シリーズ。

    新興宗教の教祖が教壇のビルに篭って、祈りの儀式をしていたはずなのに、他のビルの屋上で頭部と左腕を切断された死体として発見された謎を探るという、本格ミステリ。しかしなんだか法月氏の某作に似ているなぁと思った作品だ。

    館シリーズと本作ではどう違うかというと、館シリーズは日本なのにどこか異界に迷い込んだような味わいがあるのに対し、本作では実にオーソドックスな筆運びである。本格ミステリと呼ぶよりも本格推理小説の方が本作のイメージに合うだろう。
    しかし小粒感はあるものの、実に端正な本格推理小説で、私はすっかり騙されてしまった。特に犯人を限定するある行動に対する叙述が非常にさりげなかったので、その思いはひとしおだった。

    そして本書の特徴は、殺人をなすべく、本当に方程式が登場すること。通常「殺人方程式」という呼称は犯罪者が精緻に組立てた犯罪を表すロジックのことを指し示す。つまりそのロジックが数学の証明問題に類似しているから、そういう風に呼ぶのだろうけれど、本作では犯罪を成すための方程式が登場する。ちなみに方程式は数学ではなく、物理の方程式。そうと聞いて、忌避感を抱く方もいるかもしれないが、非常に有名な方程式で、しかも微分積分とかも使われていない、小学生の算数の知識で理解できますのでご安心を。

    しかし、この主人公が非常に「創られた」感じがあり、感情移入できなかった。これは私の性格的な問題もあるのかもしれないが、兄弟なのに名前の呼び方がどちらも「きょう」と同じなのがいただけない。紛らわしいではないか!この辺の作者の価値観が全く解らない。なんとなく同人誌に取り上げられることを狙ったようなキャラクターである。
    ぜひとも読んで欲しいとは勧めないまでも、読んで損することは無い程度にお勧めの作品である。

  • 殺人鬼の次に読了。バッサバッサのご遺体がでてくる世界に対して1体の遺体に対する考察。
    張り巡らされた伏線は最後の最後まで次々に回収。
    予測できない〇〇〇い結末にとても満足な内容でした。

    綾辻先生のまた違った作品で楽しめました。是非。

  • 再読第2弾
    これは15年振りくらいだろうか。
    この時代は綾辻行人や有栖川有栖を読み漁っていた気がする。
    久々に館シリーズが読みたくなってきた。

  • 同僚からお借りしました。
    綾辻さんは館シリーズしか読んでないので新鮮な読書でした。
    探偵役は響ということになるのかな…物理トリックは文系脳には???でした。
    でも犯人にはおおお、となりましたし、エピローグの回想にはそんな!となりました。
    新興宗教はろくなことにならないのでこれからも関わらないでおこうと思います。仏教徒でいます。

  • ガチガチの物理トリック。読者への挑戦じみたものを挟むなら、冒頭とかに超物理トリックです、と注意書きを書いてて欲しかった!笑

  •  物理はよく分かりません。
     まぁ、それを差し引きしても、伏線とか正統派な感じでおもしろかったです。
     ただ、双子設定も、別にそこまでこだわるほどのことでもないような気がするし、深雪さんのキャラも何だかよく分かんない…。
     結局のところ、響さんが主役てことなの? 何なの?

  • いかにも読者への挑戦という感じで豪勢に進む割に話は少しだらけているしトリックや犯人も割とわかりやすく、全体的にイマイチな出来栄え。。

  • 実現可能かはともかくとして、なるほどねと思いました。
    裏表紙の写真が若い頃の綾辻氏なんですね。最近の顔しか知りませんでした。

  • 伏線をどう回収するか、ありえる筋書きを考える頭の体操に近いかな。現実的には、人間二人分の重さに耐えるように滑車をビルに後から設置するのは簡単なことではない。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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