ぶぶ漬け伝説の謎: 裏京都ミステリー (光文社文庫 き 12-5)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334746315

感想・レビュー・書評

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  • 京都を舞台に元盗人が推理を繰り広げるギャグ混じりのミステリーもの。十兵衛の料理は美味しそうで良い。ストーリーとお笑い要素は今一つかな。

  • 北森さんの香菜里屋シリーズが泣きたいほど好きです。というわけで私の期待のハードルが高すぎたのだとは思うのですが、読んでいるうちにけいちゃんもムンちゃんもどんどん好感度が下がって、住職や有馬くんの扱いも軽くなり話も変な軽さになってきて…そのうちに読んでも読んでも字面を目で追うだけで頭に入ってこなくなってしまいました。ユーモアミステリならユーモアミステリで良いですし、裏京都の素敵なところを紹介していただくのもいいのですが、どうやらこのテイストは残念ながら私には合わなかったようです。他の北森作品を楽しみます。

  • 再読4回目。

  • ◆ お風呂でミステリ ◆ 第十九回

    ・・・ 第十九回 「ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー 」 ・・・

    もうひとつ北森鴻を……。
    て、なんで「ぶぶづけ伝説の謎」なのよ?
    というかたもいらっしゃるかもしれなぃが、私はこれが好きなのよ。
    だって怪盗ものよ?
    いまどき、怪盗ものなんて、凄いじゃないですか。
    ある京都の山寺の寺男は、実は改心したドロボーで、どうしてもかたないときだけ、昔のうでを発揮する。
    面白いのはこの寺がホントにあることである。
    京都の星野リゾートのすぐ上にある、こういってなんですが、お金、ないんだろーなー、という寺だが、紅葉のときは素晴らしいそうだ。
    (^^)
    もちろん、行って来ましたとも
    (笑)
    ミステリーのお客さん、ときどきおいでになるそうで……。
    寺男はいませんがね。
    京都にいく機会があったらぜひ!
    近いのに秘境で、穴場でっせ?


    2017年10月17日

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:913.6||K
    資料ID:95100021

  • 京都の寺男は、昔泥棒だった……
    ことはどうでもよくて、今は平和に暮らしているにもかかわらず、なぜか事件に巻き込まれるアルマジロの短篇集(笑)
    相変わらず笑いが多めで、でも謎解きで面白かった

  • 小説宝石2003年12月号,2004年5,10月号,2005年2,11月号,2006年1月号発表の6篇の連作短編を2006年4月に刊行。2009年8月に文庫化。シリーズ2作め。ユーモアミステリーに徹した分、前作に比べて、まとまりの良いお話になっていて、楽しめました。これでお終いというのが、とっても残念です。

  • 裏京都ミステリーシリーズ第二弾。住職,有馬次郎,折原けいといったおなじみのメンバーが活躍する短篇集。全体を通じた仕掛けのようなものはなく,個々の作品のレベルもミステリとしては低調。話としても,気楽に読めるが,あまり深みがない。個人的な好みな作風ではなく,★2で。

    ○ 狐狸夢
    関東と関西の「たぬきうどん」の違いを利用したトリックを考えるというたわいもない作品。ムンちゃんことバカミス作家水森堅の失恋の話でもある。

    ○ ぶぶ漬け伝説の謎
    標題作。京都における都市伝説を「裏京都伝説」として取り上げるという話。折原けいがフリーライターの横田太殺害の容疑者にされてしまう。胃の中のものからふぐのコースを食べたとして警察は捜査するが,ラーメンとふぐのぶぶ漬けを食べていたという真相。このシリーズはバカミス的なトリックぞろいである。

    ○ 悪縁断ち
    バカミス作家の水森堅とみやこ新聞記者の折原けいが,殺人現場に忍び込み,警察にケリを入れてしまい,有馬次郎の小銭入れを落としてきてしまうという話。巻き込まれた有馬次郎が真相を解明するが,被害者は古書マニアで娘が犯人というトリック。雨漏りをしていた家が多量の古書を売ったことで,家の傾きがなおり,雨漏りしなくなるというのがトリック。トリックといっていいほどのものではないかもしれないが…。

    ○ 冬の刺客
    水森と折原けいが悪乗りをしてしまい,犯罪を引き起こしてしまった結果,折原けいがみやこ新聞を退社するという話。トリックらしいトリックも特になく,たわいもない話である。

    ○ 興ざめた馬を見よ
    裏社会の住人である朱雀という男が折原けいと付き合い,有馬次郎のことを話してしまう。朱雀は,日本画で一儲けを狙うが,有馬次郎らの機転で難を逃れるという話。絵から馬が出て,車にひかれるという話を絡めてくるがやや空回り気味。

    ○ 白味噌伝説の謎
    白味噌が苦手な有馬次郎が,ひょんなことから白味噌に毒物を混入したと疑われる話。真相は,スーパーの店主の嫁が,病気の姑に白味噌を食べさせないようにするために毒を入れたというもの。しかし,本当は,ヒネクレ者の姑が意地になって白味噌を食べるように仕向けた…?北森鴻らしいブラックな味付けの作品。この中では白眉か。

  • 「ぶぶ漬け伝説の謎」北森鴻◆元泥棒の有馬、バカミス作家のムンちゃん、地元紙の自称エース折原の凸凹な3人が京都の事件に巻き込まれる短編集。ノリが軽いので、さらさら読めます。時々登場する料理が美味しそう。それにしても本書に登場するような「ザ・京都人」みたいな人って本当にいるのかしら。

  • 読書録「ぶぶ漬け伝説の謎」3

    著者 北森鴻
    出版 光文社

    p133より引用
    “幽玄そのものといった光景なのだが、どうも
    焚き火の向こう側にいる獣が、よろしくない。
    おのが欲望に溺れ、いっときの侘び寂を楽し
    もうとすらしない、目つきがさらによろしく
    ない。ときおり唾を飲み込むごくりという物
    欲しげな音が、さらにさらによろしくない。”

    目次より抜粋引用
    “狐狸夢
     ぶぶ漬け伝説の謎
     悪縁断ち
     冬の刺客
     白味噌伝説の謎”

     寺男・地元新聞の記者・ミステリー作家の
    三人を主人公とした、短編小説集。
     寺の境内を掃除しながら、居候とじゃれあっ
    ていた寺男の有馬二郎。そこにやってきたの
    は…。(狐狸夢)

     上記の引用は、「冬の刺客」と題された話の
    冒頭の一節。焼き芋をしているのかなと思った
    のですが、読み進めてみると…。なんとも風雅
    な楽しみ方でした。
     全編の会話が京言葉でかわされているよう
    です。はんなりとした穏やかな感じの響きが、
    なんともいい塩梅です。
     作中に出てくる料理や食材も、京都ならでは
    のものが描かれているようで、京都らしさを
    全面に押し出した作品だと思います。

    ーーーーー

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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