人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753504

感想・レビュー・書評

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  • スラスラ読めるけど、文章の意味が捉えづらいところが多い。でも、印象的な言葉がたくさんあった。再読必須。

  • 「人生の短さについて」「母ヘルウィアへのなぐさめ」「心の安定について」の3篇からなります。自分としては、友人の選び方、付き合い方についてかかれた3篇目の「心の安定について」が一番心に刺さり、印象に残りました。

  • 今も昔も人の悩みは変わらない。人生を浪費せず生きれば、十分に生きることができる。自分のために生きる。先延ばししない。

  • 1. この本を一言で表すと?
    時間の使い方、悲しみへの対処、自分の弱さとの向き合い方について、まとめた短編集。

    2.よかった点を3~5つ
    ・われわれは、短い人生を授かったのではない。われわれが、人生を短くしているのだ。われわれは、人生に不足などしていない。われわれが、人生を浪費しているのだ。(p.17)
    →時間を浪費するか有効利用するかは本人次第ということだろう。

    ・人間の誤りを乗り越えた偉大な人物は、自分の時間から、なにひとつ取り去られることを許さない。それゆえ、彼の人生はきわめて長いのである。なぜなら彼は、自分の自由になる時間が長かろうが短かろうが、それをすべて自分のためだけに使うからだ。(p.38)
    →自分の時間というものは、放っておくと、どんどん奪われると思う。防ぐためには、自分のやりたいことを明確にしておく必要があると思う。

    ・真の閑暇は、過去の哲人に学び、英知を求める生活の中にある
     すべての人間の中で、閑暇な人といえるのは、英知を手にするために時間を使う人だけだ。そのような人だけが、いきているといえる。(略)人々に尊敬される諸学派を作り上げた高名な創設者たちは、われわれのために生まれてくれた。そして、われわれのために、生き方のお手本を用意してくれたのだと。(p.66-67)(p)
    →先人の残してくれた学問は有効利用して時間を有効活用すべきと思う。

    ・だが、あなたがそんなに長生きする保証が、どこにあるというのか。あなたの思い通りに計画が進むことを、だれが許したというのか。人生の残りかすを自分のために取っておき、善き精神的活動のために、もうなんの仕事もできなくなった時間しかあてがわないなんて、恥ずかしいとは思わないのか。生きることをやめなければならないときに、生きることを始めるとは、遅すぎるのではないか。
    自分が死すべき存在だということを忘れ、五十や六十という歳になるまで懸命な計画を先延ばしにし、わずかな人たちしか達することのない年齢になってから人生を始めようとするとは、どこまで愚かなのか。(p.25 – 26)
    →現代では、年代ごとに時間の使い方を考える必要があるのではないか。投資の時間、消費の時間をうまくバランスさせる必要があると思う。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・悲しみというものは、まぎらわせるよりも、克服してしまうほうがよいのです。(p155)
    →あなたの孫たちのこともお考えになってください。(p160)は紛らしているだけでは?
    ・ストア派というのがよくわからなかった。

    5.全体の感想・その他
    ・スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での有名なスピーチの一節に通じる部分があるのではないか。
    If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
    「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしたことを本当にやりたいだろうか」

  • 巻末の年譜より
    AD41「母ヘルウィアへのなぐさめ」
    コルシカ島に追放された後少しして母に送る
    48「人生の短さについて」執筆
    パウリルス宛て、彼は妻の近親者一説には父
    穀物管理の重責で多忙な仕事だった人
    55「心の安定について」執筆
    親友セレネスはセネカに悩みを打ち明ける
    そのアドバイス

    《セネカ》
    BC1~AD65
    幼い頃父と伯母と共にローマに移り住んだ
    子供の頃から哲学を学びその道を父に反対され断念
    カリグラ帝の財務官、後にカリグラ帝暗殺
    クラウディウス帝の妃の画策によりコルシカ島へ追放
    ローマに戻されネロの教育係→政治的補佐→辞表→執筆
    陰謀の嫌疑で自殺を命じられた

    《感想》
    易しい言葉で書いてあり読みやすい
    内容はなぜこう書くのか、あの人はこうだったとか、くどくど書いてある
    「母へ~」では、これを読める母親は、歴史も時事もわかる学がある人なんだろう

    《内容》
    人生
    1.4我々は短い人生を授かったのではない
    我々が人生を短くしているのだ
    我々は人生に不足などしていない
    我々が人生を浪費しているのだ


    2.4 君が求めているのは偉大で思考で神に近いこと
    2.15 我々を苦しめるのは土地の欠点なのではない 、自分自身の欠点なのである
    あらゆることに耐え忍ぶことなどできない
    労苦であれ 快楽であれ 自分自身であれ 何であってもそう長くは辛抱できないのだ
    10.3われわれはみな運命の鎖に縛られている
    だからこそ自分の境遇に慣れなさい

  • 過去、現在、未来。過去は現在に活かす。未来を恐れない。

  • 【背景】
    ストア派のエリートであったセネカだったが、色々なことに巻き込まれ流刑にあった。その後ローマ皇后によって、息子の教育係となることを条件にローマに戻してもらった。その息子ネロは後に暴君となってしまい、セネカは政界から身を引いた。その後、働きすぎの穀物管理責任者である男に向けて書かれたのがこの作品である。
    【要約】
    金や土地といった財産については皆必死に守るのに、時間という財産については皆簡単に浪費してしまう。
    浪費というのは、欲望に溺れること、仕事に追われること、怠惰に過ごすこと、他人の目を気にして神経をすり減らすことである。今までにどれくらいの時間を他人に掠め取られてきたか?

    君は自分は永遠に生きられると勘違いしていないか?長生きできる保証はどこにもないし、老いてからやりたいことを始めるのでは遅い。「生きる」という最も難しい学問を自分で学べ。
    人生の時間とは、どれだけ時間を自分だけのために割くことが出来たかどうかである。だから寸暇を惜しみ、一日一日を人生最後の日だと思って生きよ。人生は急ぎ旅のようなものだ。

    過去とは、唯一運命の力を受けない、動かしようのない神聖な時間だ。その全てが所有物で、好きな時に好きな分だけ取り出すことが出来る。
    だからこそ、過去を振り返る時間的余裕を持ち、良き過去を作ることができるよう日々を生きていくことによって、いつ最後の日が来ても躊躇うことなく死へと向かうことが出来る。

  • 人生の短さにについて、というに対し、細かくテーマを設けて簡単な説明がなされる本。人間はずっと変わらないんだなと思う。

  • 思ったより難しかった。ストア派の基本概念を理解してから読むといいので、解説から読むことをお勧めします!

  • 古典ゆえ、語り尽くされたことを再確認する内容。

    過去は確定している、現在は短い、未来は不確定なので不安。

    読了40分

著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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